更新日:2024.03.14
分譲マンションを貸すってどうなの?メリット・デメリットや注意点を解説
転勤などで分譲マンションに住まなくなるという場合、売却以外にも貸すという選択肢があります。 分譲マンションを貸しに出した場合、収入を得られるというメリットがありますが、第三者に貸し出す以上デメリットや注意点もあるので、慎重に判断することが大切です。 この記事では、分譲マンションを貸すことのメリット・デメリットや注意点、貸し出す方法など分かりやすく解説します。
- 所有する分譲マンションは、貸し出すことができる
- 分譲マンションは設備などのグレードが高いため、高値で貸し出しやすい
- 賃貸に出している期間は、住宅ローン控除が適用されないなど注意が必要
不動産売却なら
スターツグループで
※2023/4/1~2024/3/31お客様アンケート集計結果
- 首都圏91店舗
- 創業55年を誇る確かな実績
- 地域密着と多様な売却方法
クラモアがご紹介するスターツピタットハウスでは、首都圏91店舗の地域密着営業で経験豊富なスタッフが全面的にサポートを行っていますので、はじめての売却でも安心して取引を行うことができます。
※2023/4/1~2024/3/31お客様アンケート集計結果
分譲マンションを貸すことはできる?
急な転勤や相続・住み替えなどでそれまで住んでいた分譲マンションに住まなくなるケースは珍しくありません。 そのような場合に問題になるのが、今住んでいるマンションをどうするかです。 一般的には売却という選択をとる方が多いですが、売却以外にも「貸す」という選択肢もあります。
分譲マンションは貸せる
個人が自分の所有するマンションを貸し出すことができるだろうか?と疑問を持つ方もいますが、個人であっても、所有するマンションを貸し出すことは可能です。 ただし、住宅ローンが残っているか・完済しているかによって貸し出せるかが異なる場合があります。
住宅ローンを完済している場合は、問題なく貸し出すことが可能です。 しかし、住宅ローンが残っているマンションの場合、貸し出せるかは金融機関の許可次第になります。
そもそも、住宅ローンは「居住用の物件(本人またはその家族が住むことが条件の物件)」のための融資であり、貸し出すとなると融資条件と異なってきます。 転勤などやむを得ない理由がある場合は、一時的な貸し出しを許可してくれる金融機関も少なくありませんが、金融機関によっては契約違反として投資用ローンなどの高い金利が適用される可能性もあります。
住宅ローンが残っている分譲マンションを貸し出したい場合は、まずは金融機関に相談するようにしましょう。
賃貸マンションと分譲マンションの違い
マンションには、賃貸マンションと分譲マンションの2つがあります。
賃貸マンションは、賃貸を目的として建設されたマンションで、不動産会社や個人などが所有者として、第三者に貸し出しています。 一方、分譲マンションは、1住戸ごとなどで販売しているマンションのことをいいます。
賃貸マンションと分譲マンションでは、そもそもの仕様が大きく異なってきます。 賃貸マンションは貸すことを前提として建設されており、設備のグレードは最低限にするなどコストカットが優先されているケースが少なくありません。 その点、分譲マンションは長く生活することを目的として販売されているので、生活のしやすさが重視されています。 専有部分の仕様や設備のグレードが高いだけでなく、共有部分にラウンジやジムがある・セキュリティが充実しているなど、豪華な仕様も珍しくありません。
このように、一般的に分譲マンションは賃貸マンションと比べ、コストをかけて長く住めるように設計されていることが多いという特徴があります。
分譲マンションを貸すメリット
分譲マンションを貸すメリットには、下記の3つが挙げられます。
家賃収入を得られる
分譲マンションを貸し出した場合、次のような収入を得られます。
- 家賃
- 礼金
- 更新料 など
毎月の家賃収入だけでなく、契約時の礼金・契約更新時の更新料なども収入になります。
とくに、家賃収入は長期間の安定収入でもあります。また、基本的に入居者が決まれば契約期間中は毎月家賃収入を得られます。 管理業務を管理会社に任せていれば、とくに手間をかけることなく家賃を得られるので不労所得となります。
分譲マンションを貸し出している期間も、住宅ローンの返済や管理費・固定資産税と言った支出は必要ですが、家賃収入から賄えれば支出の負担を大きく軽減できます。 状況によってはプラスになる場合もあるでしょう。 さらに、ローン返済が終われば収入の多くを手元に残せて収入アップにもつながるという魅力もあるのです。
将来住むことができる
貸出していてもマンションの所有権があるため、将来マンションに戻ることが可能です。
一時的な転勤や将来的には住む予定があるという場合は、貸し出すことで将来戻れるという選択肢を残せるのは、大きなメリットと言えるでしょう。 また、資産としてマンションを残せるので、今は貸し出しても将来売却する・子どもに相続させるということも可能です。
このようにマンションを保有しておくことで、将来の選択肢を増やすことができます。
賃貸マンションより高値で賃貸に出しやすい
先述したように、分譲マンションは賃貸マンションより設備などのグレードが高いのが一般的です。 そのため、分譲マンションは賃貸マンションよりも高値で貸し出しやすいというメリットがあります。
こちらの記事も読まれています
分譲マンションを貸すデメリット
分譲マンションを貸し出すと家賃収入を得られるなどのメリットがありますが、デメリットもあるので注意が必要です。
分譲マンションを貸すデメリットとしては、下記の3つが挙げられます。 それぞれ詳しくみていきましょう。
相場より家賃が高くなり入居者が見つからない可能性がある
グレードの高い分譲マンションは賃貸マンションよりも家賃を高く設定できる反面、家賃の高さによって借り手から避けられることがあります。 また、家賃は住宅ローン残債などを加味して決めるため、借り手に対して、同じ条件で住宅ローンを組むより家賃が高いイメージを与える可能性もあり、入居者が見つからない・長期間住んでもらえないリスクもでてきます。
入居者確保のために家賃を下げるという手もありますが、ローン残債などを賄えない家賃では貸し出しても赤字になるだけで意味がありません。 家賃を設定する際には、ローン残債や管理費を考慮したうえで、相場もチェックして適正な価格を設定することが大切です。
こちらの記事も読まれています
空室リスクがある
マンションを貸し出しても必ず入居者が入る保証はありません。 家賃設定が高い・立地が悪いなどで入居者が入らない可能性もあるでしょう。
最初は入居者が入っても、一度退去されたら次の入居者が現れないケースも少なくありません。 しかし、その期間にも住宅ローン返済や管理費などの支出は発生します。 空室となった場合、貸し出しているマンションと自身が住んでいる住居の両方の支払いが発生し、生活の大きな負担となりかねません。 貸しに出して需要があるマンションかどうかは、事前に徹底的にリサーチするようにしましょう。
また、貸す際に費用がかかる点も忘れてはいけません。 貸出す前のハウスクリーニングやリフォームの費用、管理会社を利用する場合は委託料・退去した時の原状回復費など、多くの費用がかかります。 それらの費用や空室リスクまで考慮した念入りな資金計画を立てて、予算を確保しておくことが必要です。
物件が劣化する可能性がある
入居者の使用状態によっては物件が劣化してしまう恐れがありますが、マンションは人が使っていないと、管理ができず劣化の進行が速くなるものです。 貸出して入居者に換気や掃除といった適切な管理をしてもらうことで、劣化を抑えることにつながります。
しかし、使用状態の悪い入居者の場合、室内の痛みが激しくなってしまう可能性がある点には注意が必要です。 退去後に部屋に入ってみると、中がひどい状態というケースは少なくありません。 入居の審査は、できるだけ慎重に行うようにしましょう。
また、室内の状況が悪いだけでなく、近隣の所有者とトラブルになるケース・滞納トラブルに発展するケースもあります。 自分で対応しきれないトラブルは、管理会社や専門家に相談して解決することをおすすめします。
分譲マンションを貸す際の注意点
ここでは、分譲マンションを貸す際の注意点として、下記の2つを解説します。
事前に金融機関に伝えておく
先述したように、住宅ローンの残っている分譲マンションを金融機関の許可なく貸し出すことはできません。 勝手に貸し出してしまうと契約違反となり、今より高い金利が適用される・一括返済を求められるといったリスクがあります。 転勤や海外赴任と言ったやむを得ない理由であれば、貸し出しを認められる可能性は十分あるので、事前に必ず相談するようにしましょう。
原則として住宅ローン控除は適用できなくなる
住宅ローンを利用して分譲マンションを購入した方の中には、住宅ローン控除を適用している方も多いでしょう。 住宅ローン控除とは、住宅ローン残債に応じた額を所得税・住民税から控除できる制度のことを言います。 住宅の性能や購入した年度にもよりますが、年末時点の住宅ローン残債×0.7%を最長13年間控除(※2024年2月時点)できるため、大きな節税効果が期待できます。
しかし、住宅ローン控除の適用は、その家に自分が住んでいることが条件となります。 貸出して自分が住まなくなった時点で、住宅ローン控除の適用外となってしまうので注意しましょう。 また、一度貸し出してからマンションに戻る場合でも、適用期間は住んでいない期間も経過している点には注意が必要です。
仮に、13年の適用期間があり、10年目で貸し出して5年後に戻ったとしても、すでに15年経過しているため、適用期間は終了してしまっている、ということになります。 住宅ローン控除の適用期間も考慮して、貸し出すかどうか検討することをおすすめします。
こちらの記事も読まれています
分譲マンションを貸す際にかかる費用
分譲マンションを貸す際には、さまざまな費用が発生します。 かかる費用を把握しておかなければ、収支が悪化する恐れもあるので、できるだけ具体的にして、念入りな収支計画を立てておくことが大切です。
ここでは、分譲マンションを貸す際の費用を「必ず発生する費用」と「状況によって発生する費用」に分けて解説します。
必ず発生する費用
必ず発生する費用には、下記のようなものがあります。
- 固定資産税・都市計画税
- 仲介手数料
- 管理費・修繕積立金
マンションの所有者には、毎年固定資産税が課せられます。 「すでに市街化している区域や10年以内に優先的に市街化する」エリアに定められる市街化区域内にあるマンションの場合は、さらに都市計画税も徴収されます。 これらの税金は、毎年1月1日時点の不動産の所有者に課さられる税金であり、賃貸の場合も所有者である貸主に納税義務があります。
賃貸に出す場合、不動産会社に仲介してもらう方法が一般的です。 その場合、仲介手数料が発生します。 賃貸の仲介手数料の上限は“家賃の1か月分”で、基本的には借主と貸主で半分ずつ負担しますが、相手の了承を得ることでどちらか一方が全額負担するケースもあります。
また、管理費や修繕積立金については、第三者に賃貸に出したとしても、所有者が負担しなければなりません。管理費や修繕積立金を払うだけの負担を軽くしようと思えば、第三者に貸し出す際の家賃に上乗せする必要がありますが、家賃を高くすると入居者を見つけにくくなってしまうでしょう。
状況によって発生する費用
収支やマンションの状態など、状況によって発生する費用には下記のようなものがあります。
- 【所得税・住民税】
黒字になる場合 - 【管理会社の委託費】
外部に委託する場合 - 【リフォーム費用など】
マンションの修繕が必要な場合 - 【引っ越し費用など】
貸す予定の家に自身(所有者)が居住している場合
賃貸で収支が黒字になる場合、黒字部分は所得となり所得税・住民税の対象です。 また、サラリーマンなどで給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告も必要になるので注意しましょう。
管理を外部に委託すると委託料も必要となり、目安は家賃の5%程となります。 委託しなければ費用を抑えることもできますが、物件の管理やトラブル対応などを自分ですべて行う必要が出てきます。 とくに契約関係や賃料の徴収などはトラブルになりやすいので、安心して貸し出すためにも外部に委託することを検討するとよいでしょう。
その他、設備が古くなっていたり、壁紙やフローリングが傷んでいたりするようなケースでは、貸し出す前にリフォームの実施を検討しなければならないこともあります。 水回りなど素人では簡単に掃除できない汚れがある場合には、ハウスクリーニングを実施するケースもあります。 これらの費用は状況次第では数万円~数十万円など高額になってしまうこともある点には注意しなければなりません。
また、貸す予定の家に自身(所有者)が居住している場合には、上記費用に加えて引っ越し費用も必要になります。 マンションを貸し出す場合、これらの費用と収入のバランスを事前に把握しておくことが大切です。 費用についてはできるだけ具体的に算出し、しっかりと収支シミュレーションを行うようにしましょう。
分譲マンションを貸す手順
マンションを貸すと決めたはいいけど、どのように進めればいいのか分からないという方もいるでしょう。 ここでは、分譲マンションを貸すまでの手順を解説します。
不動産会社を探す
自分で借主を探して貸し出す方法もありますが、自分で探すのは容易ではありません。 日々の管理や入居者の対応も自分でするとなると大変でしょう。 また、法的な知識もなく賃貸契約を結ぶとトラブルになる恐れもあるので、不動産会社などの管理会社を間に挟むことをおすすめします。 管理会社を決めさえすれば、おおよそのことは管理会社がしてくれるのでスムーズに貸し出すことが可能です。
そのため、分譲マンションを貸す場合は、まず不動産会社を探すことからスタートします。
不動産会社では、賃料の設定提案や入居者募集・契約サポート・トラブル対応など、賃貸業務に必要なことをほとんど請け負ってくれます。 ただし、委託する会社によって入居者管理のみや物件管理も含む、など委託できる部分は異なります。 委託内容までしっかり確認して、委託する会社を選ぶようにしましょう。
売却か貸出か迷っている・どれくらいの賃料を設定できるのか知りたいという方は、今ご覧になっているサイト「クラモア」のダブル査定がおすすめです。 クラモアでは、一般的な売却の査定だけでなく賃料の査定ができます。 自分のマンションを売りに出した場合、賃貸に出した場合を比較できるので、より適切な判断を付けやすくなります。 査定は60秒ほどの簡単な入力で行えるので、まずは売却・賃料査定の比較からスタートしてみるとよいでしょう。
ライフプランに合わせて最適な資産活用をご提案
不動産会社と媒介契約を結ぶ
不動産会社が決まったら媒介契約を結びます。
賃貸で不動産会社を仲介する場合、次の2種類の契約方法から選ぶことになります。
- 媒介契約
- 代理契約
媒介契約とは、入居者の募集は不動産会社に任せますが入居者は貸主が決める方法です。
一方、代理契約は入居者の決定まで不動産会社に任せる方法になります。
入居者を自分で選びたいなら媒介契約、遠方で選ぶ暇がないなどの場合は代理契約が適しているでしょう。
入居者を探す
媒介契約後は、不動産会社が入居者の募集を開始してくれます。 募集状況を確認しながら、必要に応じて不動産会社と相談して入居者募集を進めていきましょう。
不動産会社では募集の際に、ポータルサイトに掲載します。 自分でも掲載内容をチェックして、写真や入力情報に間違いないかを確認することが大切です。 掲載内容や写真の写り方は、入居者の集まり方に大きく影響するものです。 内容が正しいかだけでなく、借りたいと思える魅力的な内容かもチェックするとよいでしょう。
入居者と賃貸契約を結ぶ
入居希望者が見つかれば、審査後に契約を結びます。 入居者と結ぶ賃貸契約には、大きく次の2種類があり、それぞれ内容が異なるので注意が必要です。
- 普通賃貸借契約
- 定期賃貸借契約
普通賃貸借契約
普通賃貸借契約は、一般的な賃貸契約で結ばれる契約です。
契約期間終了後に借主が望めば契約の更新ができ、借主は長く住み続けられます。 ただし、普通賃貸借契約は借主保護が手厚く権利が強い点には、注意が必要です。 普通賃貸借契約では貸主が契約終了を望んでも、正当な理由がなければ更新を拒絶できません。 一時的に貸し出し、将来は戻ってくるという場合、普通賃貸借契約では自分がマンションに戻るタイミングで借主に退去してもらうのが難しくなります。
定期賃貸借契約
定期賃貸借契約の場合、貸主・借主の合意があれば契約期間終了後に再契約はできますが、合意がなければ契約期間終了とともに借主は退去しなければなりません。 いつまでに退去してほしいという期間が決まっているなら、定期賃貸借契約が適しているでしょう。
しかし、定期賃貸借契約は借主が長く住み続けられないなど不利になるため、入居者を確保するには賃料を相場よりも下げるなどの工夫が必要です。
入居者と賃貸契約を結べば、貸し出しがスタートし、入居翌月から賃料が振り込まれます。
まとめ
分譲マンションを貸すメリットやデメリット・貸すまでの手順についてお伝えしました。
分譲マンションを貸し出せば、家賃という収入を得られるなどのメリットがありますが、貸し出したからといって必ず入居者が入るわけではなく、空室になると費用の負担が大きい点には注意が必要です。 また、住宅ローンが残っている分譲マンションは、例外を除いて金融機関の許可がなければ貸出できないため、事前に必ず相談するようにしましょう。
分譲マンションを貸すか売却するか迷っているなら、まずは無料の売却査定・賃料査定から始めてみるとよいでしょう。
WEBで簡単無料査定
宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士
逆瀬川 勇造
大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
⇒逆瀬川 勇造さんの記事一覧はこちら
あわせて読みたい
この記事をシェアする
お部屋を探す
特集から記事を探す
記事カテゴリ
おすすめ記事
物件をご所有されている方、
お住まいをお探しの方
売りたい
土地活用・相続の相談がしたい
売るか貸すかお悩みの方はこちら