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マンション売却にかかる費用まとめ|仲介手数料や税金などを解説

更新日:2024.09.25

マンション売却にかかる費用まとめ|仲介手数料や税金などを解説

マンション売却の際にはさまざまな費用がかかるので、費用について理解しておくことが大切です。 この記事では、マンション売却にかかる代表的な費用である「仲介手数料」「印紙税」「譲渡所得税」「登記費用」の4つについて詳しく解説します。 あわせて、費用を抑える方法も紹介するので参考にしてください。

  • マンション売却の大きな費用は「仲介手数料」と「譲渡所得税」
  • 譲渡所得税の計算方法や特例を把握しておこう
  • 費用によっては抑えることが可能

もくじ

  1. マンション売却にかかる費用1:仲介手数料

    1. 仲介手数料には上限が設定されている

    2. 売買契約成立で支払い義務が発生する

  2. マンション売却にかかる費用2:印紙税

  3. マンション売却にかかる費用3:譲渡所得税

    1. 譲渡所得税の計算式

    2. 要件を満たすことで特別控除を受けられる

  4. マンション売却にかかる費用4:登記費用(抵当権抹消登記費用)

    1. 抵当権抹消登記費用の相場

    2. 所有権移転登記費用は通常買主が負担する

  5. マンション売却にかかる費用のシミュレーション

  6. 売却費用を抑える方法

    1. キャンペーンを利用して仲介手数料を抑える

    2. 特例や控除を活用する

    3. サービスの充実した不動産会社を選ぶ

  7. まとめ



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マンション売却にかかる費用1:仲介手数料

マンションの売却方法は、主に「仲介」「買取」「個人売買」の3つの方法がありますが、一般的なマンション売却で選ばれるのは、不動産会社が買主を探して契約までサポートしながら売却する「仲介」です。
この仲介で売却した際に、不動産会社に支払う費用が「仲介手数料」となります。

仲介手数料には上限が設定されている

仲介手数料は、不動産会社が請求できる上限額が法律により定められています。

仲介手数料上限額(売却額800万円超の場合)
=売却額×3%+6万円+消費税

例えば、売却額が4,000万円であれば、仲介手数料上限額は
4,000万円×3%+6万円=126万円(税抜)です。

上記の額はあくまで上限額であり、上限の範囲内であれば不動産会社は自由に金額を設定できます。 とはいえ、基本的にほとんどの不動産会社で上限をベースに設定されている点は覚えておきましょう。
なお、売却額800万円以下の場合、不動産会社は売却額に関わらず一律33万円(税込)で請求することが可能です。



 

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売買契約成立で支払い義務が発生する

仲介手数料は、仲介での売買契約が成立することで発生する費用です。
どんなに営業活動を行ってくれていようと売買契約が成立しなければ、支払う義務はありません。 また、複数の不動産会社に査定を受けた・契約しているという場合でも、支払い先は売買契約を成立させた不動産会社1社のみです。

また、特別な広告を依頼した・遠方に出張して営業してもらったなど、通常の営業活動の範囲外と見なされる活動があった場合は、別途費用が請求されるケースもありますが、基本的には、仲介手数料以外の費用が発生することはほとんどありません。 そのため、売買契約成立前に「着手金」や「前払い」などといって費用を請求されるケースがあれば、違法の恐れがあるので注意が必要です。

マンション売却にかかる費用2:印紙税

印紙税とは、課税対象となる一定の取引の契約書や領収書などを作成した際にかかる税金です。
マンション売却の場合、売買契約書が課税の対象となります。

印紙税は、契約書に税額分の収入印紙を貼付して納税します。
税額は契約書に記載されている金額によって異なり、一般的なマンション売却の価格帯での税額は以下の通りです。

契約金額 本則
税率
軽減後の税率
(令和9年3月31日まで)※
500万円超
1,000万円以下
1万円 5,000円
1,000万円超
5,000万円以下
2万円 1万円
5,000万円超
1億円以下
6万円 3万円
1億円超
5億円以下
10万円 6万円

出典:国税庁 「印紙税の軽減措置の延長について
※令和9年3月31日までに作成した文章については軽減措置が適用されます。

収入印紙の貼付忘れについては、本来の税額の3倍額というペナルティが科せられるので注意が必要です。 基本的に収入印紙は不動産会社に費用を支払うことで用意してもらえますが、事前に自分で購入が必要かを念のため確認するとよいでしょう。

マンション売却にかかる費用3:譲渡所得税

マンション売却の利益は「譲渡所得」と呼ばれ、所得税・住民税の対象です。 譲渡所得にかかる所得税・住民税は総称して「譲渡所得税」とも呼ばれます。

譲渡所得税は、マンション売却にかかる費用の中でも高額になりやすいものです。 ただし、控除などの軽減措置も用意されているため、計算方法や軽減について理解しておくことが重要になります。

譲渡所得税の計算式

譲渡所得税は、次の2つのステップで計算できます。

  • STEP1:課税対象譲渡所得を計算する
  • STEP2:譲渡所得税を計算する

譲渡所得税は、課税対象譲渡所得に税率を乗じるだけのシンプルな計算で算出できるので、まずは、対象となる譲渡所得を計算しましょう。
計算方法は以下の通りです。

課税対象譲渡所得
=売却額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

取得費とは、売却するマンションを購入した際にかかった費用です。 マンションの購入額だけでなく、仲介手数料や印紙税・不動産取得税などが取得費として計上できます。
一方、売却の際にかかった仲介手数料などの費用が譲渡費用となります。

課税対象となる譲渡所得額は、売却額からこれらの取得費・譲渡費用を差し引いた金額です。 譲渡所得額が算出できれば、譲渡所得税の税率を乗じるだけで税額が算出できます。
譲渡所得税の税率は、以下のように所有期間に応じて大きく異なるので注意が必要です。

  所有期間 所得税・復興特別所得税※ 住民税 合計税率
短期譲渡所得 5年以内 30.63% 9% 39.63%
長期譲渡所得 5年超え 15.315% 5% 20.315%

右にスクロールできます→

※復興特別所得税は、2037年12月31日までかかる税金です。

所有期間5年以下の短期譲渡所得は、5年超の長期譲渡所得に比べ税率が2倍近く高くなります。
また、所有期間を判断する基準日は「売却した年の1月1日」となるため、たとえ実際の所有期間が5年を超えていても1月1日時点で5年以下であれば、短期譲渡所得の税率が適用されるので注意が必要です。
5年ギリギリで売却を検討している方は、事前に所有期間を算出したうえで時期を検討することをおすすめします。

所有期間を判断する基準日

譲渡所得が発生する場合は、売却した年の翌年に確定申告が必要となるので、忘れずに申告・納税の準備を進めておきましょう。

要件を満たすことで特別控除を受けられる

譲渡所得税には、さまざまな控除の特例が用意されており、上手に活用することで節税が見込めます。
マンション売却で検討できる代表的な特例は、以下のようなものが挙げられます。

  • 3,000万円特別控除の特例
  • 10年超所有軽減税率の特例

3,000万円特別控除とは、マイホームを売却した際に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。 譲渡所得が3,000万円以下であれば、本特例を適用することで譲渡所得税がかからないため、検討するとよいでしょう。
ただし、3,000万円特別控除を適用すると、住宅ローン控除が適用できなくなるので、住宅ローンで新居の購入を検討している方は、どちらを適用した方がお得になるのかをしっかりシミュレーションするようにしましょう。



 

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また、所有期間が10年を超えるマンションの場合、譲渡所得税の税率が軽減される「10年超所有軽減税率の特例」を適用できる可能性があります。 この特例は3,000万円特別控除と併用できるので、より大きな節税効果が見込めます。

それぞれの特例には適用条件が細かく定められており、併用できない特例もいくつかあるため、事前に適用条件などを調べて、どの特例を適用した方がお得になるかをシミュレーションしておくことが大切です。
譲渡所得税の計算や適用する特例に不安がある場合は、税理士や自治体の相談コーナなどで相談するとよいでしょう。



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マンション売却にかかる費用4:登記費用(抵当権抹消登記費用)

登記費用とは、不動産登記にかかる費用のことです。マンションなどの不動産は、所有者や権利関係が登記簿に記録されており、登記内容に変更がある場合は不動産登記が必要になります。その際にかかる、登録免許税と司法書士への依頼料などが主な登記費用となります。

マンション売却では以下の2つの登記が必要です。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

抵当権抹消登記費用の相場

抵当権抹消登記とは、マンションに設定されている抵当権を抹消するための登記です。
住宅ローンが残っているマンションには抵当権が設定されており、一般的には売却時に住宅ローンを完済し抵当権を抹消します。抵当権を抹消する手続きを、抵当権抹消登記と呼びます。

抵当権抹消登記には、以下のような費用が必要になります。

  • 登録免許税
  • 司法書士費用
  • その他(書類収集費用など)

登録免許税とは、法務局で不動産登記する際に支払う手数料のような税金です。
抵当権抹消登記は自分でも手続きできますが、司法書士に依頼するのが一般的なため、司法書士への依頼料も必要になります。
また、住民票などの書類を取得する必要がある場合は、必要書類の取得費などの実費も必要です。

それぞれの費用の相場は以下の通りです。

項目 目安額
登録免許税 不動産1個につき1,000円
司法書士費用 1万円~2万円程
その他費用
(書類収集費用など)
1通あたり
300円~700円程

登録免許税は、不動産1個につき1,000円となるため、土地と建物で2,000円かかります。
司法書士費用は、依頼する司法書士や依頼内容によって異なるので事前に見積もりを取るようにしましょう。
また、登記簿に記載されている住所・氏名と実際の住所・氏名が異なっている場合は、事前に住所変更登記などが必要になってくる点には注意が必要です。

司法書士費用は自分で登記することで抑えられますが、登記手続きは書類の収集や法務局に出向くなど手間も時間もかかるため、司法書士に依頼することをおすすめします。マンションの売却にともなう抵当権抹消登記の場合、金融機関側が司法書士への依頼を必須にしているケースもあるので事前に確認するようにしましょう。

所有権移転登記費用は通常買主が負担する

売却後には、マンションの所有者を売主から買主に変更する登記も必要です。
所有権移転登記の費用については基本的に買主が負担するため、売主には負担はありませんが、事前にどちらが費用を負担するのかを確認しておく方がよいでしょう。
以上のように、所有権移転登記にかかる費用については売主に金銭的な負担はありませんが、登記にあたって提出する書類があるため、必要書類の準備は忘れずに行うことが大切です。



 

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マンション売却にかかる費用のシミュレーション

マンション売却にかかる費用のシミュレーション

ここでは、マンション売却にかかる費用を具体的に計算していきます。
以下の条件で売却する場合をシミュレーションしてみましょう。

  • 売却額:5,000万円
  • 所有期間:8年
  • 取得費:4,000万円(建物代+諸費用込み)
  • 譲渡費用:300万円
  • 抵当権抹消登記(登記費用)が必要

上記の場合の売却にかかる費用一覧は、以下の通りです。

項目 費用
仲介手数料 171万6,000円
印紙税 1万円(軽減措置適用)
譲渡所得税 142万円
登記費用 2,000円(登録免許税)+2万円(司法書士費用)
合計 316万8,000円

右にスクロールできます→

譲渡所得税の計算について、詳しくみていきましょう。
課税対象譲渡所得額は、5,000万円(売却額)-(4,000万円(取得費)+300万円(譲渡費用))=700万円です。
所有期間8年は長期譲渡所得に区分されるため、税率20.315%で計算し、課税額は142万円となります。なお、上記はシンプルに計算するため特別控除を加味していませんが、3,000万円特別控除を適用すれば譲渡所得税は発生しません。

このシミュレーションでは代表的な4つの項目のみで費用を算出していますが、実際のマンション売却ではハウスクリーニング費用や引越し費用など、必要に応じて他にも費用がかかることが想定されます。
一般的に売却でかかる費用は売却額の5~10%程と言われており、少なくはない額を用意しなければなりません。売却にかかる費用を考慮していないと、費用を賄えない・売却後に手元に思ったほどお金が残らないといった事態になりかねないため、事前にどれくらい費用がかかるかを把握して、売却計画を立てることが重要です。

売却費用を抑える方法

売却費用をできるだけ抑えられると、その分手元にも多くお金が残ります。
ここでは、売却費用を抑える方法として以下の3つを紹介します。

それぞれ詳しくみていきましょう。

キャンペーンを利用して仲介手数料を抑える

不動産会社によっては、期間限定のキャンペーンやリピーター特典で仲介手数料を値引きしているケースがあるため、仲介手数料を抑えたい場合は、そのようなキャンペーンを狙ってみるのも一つの手です。

また、基本的に仲介手数料は上限の範囲内であれば不動産会社が自由に価格を設定できるため、交渉して値下げしてもらうこともできます。とはいえ、過度に値下げ要求すると不動産会社との関係が悪化し、売却活動に悪影響を及ぼす恐れもあるため、あまりおすすめできません。下手に交渉して仲介手数料が値下げできても、売却額まで下がってしまうと意味がありません。それよりも、不動産会社と信頼関係を築き、なるべく高値で売却してもらう方が、結果的にお得になる可能性があると言えます。
仲介手数料を抑えることにこだわるのではなく、高値で売却できるかどうかで判断することをおすすめします。

特例や控除を活用する

前述の通り、譲渡所得税には節税できる控除がいくつか用意されています。
例えば、3,000万円特別控除は利益が3,000万円以下であれば税金は発生しません。各種控除の適用条件を確認し、自身の売却に合った控除を活用することで譲渡所得税を大きく抑えられるでしょう。

なお、特例の適用を受ける確定申告が必要です。仮に、3,000万円特別控除を適用すれば税金が発生しないケースであっても、「税金が発生しないから確定申告が要らない」というわけではありません。確定申告をしていないと、控除が適用されないことは覚えておきましょう。
また、各種控除の適用には必要書類が多くあります。事前に必要書類を確認し、確定申告時期に間に合うように準備を進めていきましょう。

サービスの充実した不動産会社を選ぶ

売却に際してハウスクリーニングや修繕などを検討する方も多いでしょうが、これらを依頼すると当然費用が必要です。しかし、大手の不動産会社などでは売却時のハウスクリーニングや修繕などをサービスとして提供しているケースが少なくありません。不動産会社のサービスでハウスクリーニングや修繕を受けられると、コストの削減につながります。

また、荷物の一時預かりや税務相談・プロによる物件写真の撮影など、不動産会社によって提供される売却に伴ったサービス内容は異なります。サービスが充実している不動産会社を選ぶとコストを抑えられる可能性があるため、どのようなサービスがあるかについてもチェックすると良いでしょう。

ただし、サービスが充実していても売却できなければ意味がないという点は覚えておくことが大切です。サービス重視ではなく、自分のマンションを高くスムーズに売ってくれるかどうかを考慮したうえで、サービスはあくまでもおまけとして考えるようにしましょう。

まとめ

ここまで、マンション売却にかかる費用である「仲介手数料」「印紙税」「譲渡所得税」「登記費用」について、各費用の目安や抑える方法について詳しく解説しました。
売却計画を立てるうえで、費用を抑えることは重要ではありますが、費用を抑えることにこだわりすぎると肝心の売却額にも支障が出る恐れもあるため注意が必要です。費用を抑えるよりも高く売却した方が、手元に残るお金が大きくなる可能性が十分あるため、マンション売却に強い不動産会社を選ぶことが重要です。

売却にかかる費用が実際どのくらいかかるかは、人によって異なるため、まずは不動産会社に相談するとよいでしょう。
これからマンションの売却を検討されている方は、下記よりお気軽にご相談ください。



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逆瀬川 勇造

大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
⇒逆瀬川 勇造さんの記事一覧はこちら

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