- 新築建物は必ずしも現状と似た建物を建てる必要はない
- 耐震性や防災性を高めた建物は、空室対策効果が持続しやすい
- 新築建物の入居者募集の開始時期は、竣工時期を踏まえて決定することが望ましい
連載シリーズ
今までのシリーズの振り返り
第1回では、サブリースを「続ける・やめる」かを判断する際のポイントとして、過去の賃下げ要求の有無や入居状況、サブリース料率、立地、築年数などを解説しました。
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第2回では、サブリース解約後に起こりうることを踏まえ、管理会社の変更や募集条件の変更、建て替えといった具体的な対処法を取り上げました。
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第3回では、家賃が下がりにくい物件を建てるための「建物企画」のポイントを紹介しています。
サブリース契約をしていても家賃の減額が生じる理由も紹介しており、第1回のサブリースを「続ける・やめる」の記事と合わせて確認しておきたい内容です。
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第4回では、木造・鉄骨・RC・免震造などの工法を解説し、構造以外にも家賃査定へ影響を与える要因があることを紹介しました。 第3回の建物企画の話と合わせてお読みいただくと、より理解が深まります。
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第5回では、アパートの建て替えの資金計画について解説しています。
アパートローンの特徴や必要な自己資金についても紹介しています。 金融機関の審査も意識しながら、提案された収益シミュレーションをご確認いただければと思います。
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よくある質問

この章では、「サブリースを見直すときに読む不動産オーナーのための判断講座」に関連した、よくある質問について解説します。
サブリース解約時の違約金はどのくらいかかりますか?
サブリースを解約するには、借り主であるサブリース会社との間で合意解除することが必要です。
合意解除とは、すでに成立しているサブリース契約を、双方の話し合いによって合意のうえ解消する、新たな契約を指します。
貸し主側から打診して合意解除する場合、サブリース会社に対して違約金の支払いが生じます。
違約金の額に明確な基準はありませんが、貸し主側からサブリース契約を解除する場合、裁判では家賃の5~7ヶ月分程度を違約金として、貸し主がサブリース会社に支払うことを命じた判例が多いです。
そのため、判例を踏まえると、家賃の6ヶ月程度をサブリース会社に支払えば、妥当な違約金の水準であると推測できます。
なお、ここでいう家賃の6ヶ月分というのは、転貸賃料のことではなく、サブリース会社が貸し主に直接支払っている「サブリース賃料」のことを指します。
サブリースを続けるかやめるかの判断ポイントについては、「第1回」の記事をご覧ください。
建て替えはどのような建設会社に相談すればよいですか?
建て替えに関しては、様々な用途や構造の施工実績のある建設会社に相談することが適切です。
施工実績が豊富な建設会社は、提案の幅も広い傾向があるため、最適な土地活用の方法を見つけやすくなります。
たとえば、アパートが主力の建設会社では、主にアパートの提案が中心になりますが、実績豊富な建設会社であれば、店舗や事務所といったアパート以外の提案も受けられる可能性があります。
サブリース解約後、建て替えを検討している場合には、「第2回」の記事をご覧ください。
建て替えは今と同じような建物を建てればよいですか?
建て替えでは、必ずしも今と同じような建物を建てる必要はありません。
時代とともに地域の賃貸ニーズは変化しているため、近年の需要に合った建物を建てることが望ましいといえます。
たとえば、従前の建物がワンルームであっても、周辺にワンルームが供給過剰になっていたり、共働き世帯が増えている地域であったりする場合には、2人世帯向けの2LDKを建てるという選択肢もあります。
また、従前の建物よりも耐震性や防犯性、防災性を高めるといったことも、時代のニーズに適した対応の一つといえます。
新な建物のアイデアについては、「第3回」の記事をご覧ください。
建て替え中の仮住まいはどうすればよいですか?
一部の立ち退き交渉では、現在の入居者を新築後に再入居させることを条件に、立ち退きを妥結することもあるようです。
再入居を条件とする場合、建て替え中の仮住まいについても手当てするケースもあります。
貸し主が近くに別のアパートを保有している場合には、建て替え期間中はその別のアパートに仮住まいを用意することも考えられます。
ただし、貸し主側で仮住まいを用意できるケースは少なく、立ち退きでは借り主に十分な立ち退き料を支払ったうえで、仮住まいの手配まではしないことの方が多い傾向にあります。
そのほか、サブリース解約後の対応については、「第2回」の記事をご覧ください。
空室対策効果が持続しやすい建物企画にはどのようなものがありますか?
住宅の設備は日進月歩で進化するため、たとえばミストサウナのような設備による空室対策は陳腐化しやすい傾向にあります。 一方で、構造や設計面での差別化は、陳腐化しにくく、効果が持続しやすいという特徴があります。
たとえば、免震構造を採用して耐震性を高める、共用部に24時間利用可能ゴミ置き場を設置する、専有部内に独立洗面台を設ける、といった取り組みが、構造や設計面による差別化にあたります。 とくに耐震性や防災性を高める差別化は、長期的に空室対策効果を発揮しやすいといえます。
新築建物の企画については、「第3回」の記事をご覧ください。
入居者募集はいつから始めるべきですか?
入居者募集は、竣工時期を踏まえて、開始するのがよいといえます。
たとえば、竣工時期が2~3月の引っ越しシーズンにある場合、賃貸需要が多いため、1~2ヶ月前から募集すれば、借り主は十分に決まる可能性があります。
一方で、竣工時期が引っ越しシーズンから外れている場合は、たとえば竣工の3~4ヶ月前など、早めのタイミングで募集を始めることが望ましいです。
建て替えについては、「第4回」の記事をご覧ください。
自己資金の負担を減らすにはどのような方法がありますか?
自己資金の負担を減らすには、建物規模を小さくするという方法が考えられます。
建物規模を小さくすれば建築費も抑えられるため、自己資金の負担も減らすことができます。
また、広い敷地であれば、敷地の一部を売却して、その資金を建築費の自己資金に充当することも方法の一つです。
郊外では、広々とした土地の一部を余らせながらアパートを建てているケースが見られますが、土地が余るようであれば、一部の土地を売ってから建てるというのも賢い選択といえます。
必要な自己資金の割合については、「第5回」の記事をご覧ください。
まとめ
以上、サブリース物件の建て替えに関する、よくある質問について解説してきました。
サブリース物件の建て替えは、まず現状のサブリース契約を続けるか、やめるかという判断が必要になります。 収益の改善方法にはいくつかありますが、根本的な解決が期待できる対処法は建て替えです。 建て替えは大きな投資になるからこそ、現在の建物の問題を整理し、将来の賃貸需要を見据えた企画を取り入れることが欠かせません。 サブリース契約の継続で迷っている方は、建て替えも視野に入れながら最適な対処法を選択して頂ければと思います。
建て替えについてお困りのことがあれば、下記よりお気軽にご相談ください。
不動産鑑定士
竹内 英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら
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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容には執筆者の解釈や見解が含まれる場合があり、正確性や完全性を保証するものではありません。
具体的な判断や行動にあたっては、必要に応じて専門家へご相談ください。
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