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新築するなら二階建て?平屋?それぞれの特徴や建築費用・税金の違いを解説

更新日:2021.05.24

新築するなら二階建て?平屋?それぞれの特徴や建築費用・税金の違いを解説

平屋のメリットは動線がシンプルなことで、二階建ての家のメリットはのべ床面積が広くできること。二階建ての家は平屋よりコスパがよい傾向にありますが、どれくらい費用や税金がかかるのかを事前に押さえておくと安心です。二階建てにおける「いい間取り」の考え方についてもご説明します。

  • 平屋は動線がシンプルで動きやすく、二階建てはのべ床面積を確保しやすい
  • 家を建てる際に納める税金は、消費税、印紙税、登録免許税、不動産取得税
  • 二階建てより平屋のほうが、面積あたりの建築費用や税金が高くなる場合が多い

もくじ

  1. 二階建てと平屋の特徴の違い

    1. 二階建ての特徴

    2. 平屋の特徴

  2. 二階建てと平屋の建築にかかる費用

    1. 平屋のほうが二階建てよりも高くなるという考え方

    2. 二階建てのほうが平屋よりも高くなるという考え方

    3. 二階建てと平屋、どちらが高いかはケースバイケース

  3. 二階建てより平屋のほうが税金は高い?

    1. 家を取得したら毎年支払う税金

    2. 家を取得した際に納める税金

  4. 二階建てにおける「いい間取り」の考え方

    1. 二階建ての間取りで気を付けたいこと

    2. 二階建て住宅の「よい間取り」とは

  5. 二階建ての家の間取りを相談しよう

 

一戸建て(一軒家)の新築や購入を考えるにあたって、「二階建てにしようか平屋にしようか」と迷っている方もいるかもしれません。最近では平屋にこだわって家を建てたり探したりする方も増えているようですが、二階建てと平屋では、建築費用や税金(固定資産税)などがどのように違うのでしょうか。平屋と比較した二階建て住宅のメリット・デメリットや、二階建て住宅における「いい間取り」について解説します。

二階建てと平屋の特徴の違い

はじめに、二階建てと平屋ではそれぞれどんな特徴があるのかを確認しておきましょう。

二階建ての特徴

二階建ての最大の特徴は、垂直方向に空間を利用できること。つまり、平屋と同じ土地面積でも、のべ床面積を広く確保できる点です。上階(2階)の役割には、生活空間の切り分けや水害発生時の避難先などがあります。

狭い敷地で、部屋数や広さを確保できる

たとえば土地が30坪程度しかない場合、平屋だと「間取りは2LDKがやっと」といったところですが、二階建てなら最大で2倍程度の面積を確保できるため、4LDKの間取りも実現可能です。ただし、のべ床面積が広がった分だけ建築にかかる費用は高くなります。

プライバシーが確保しやすい

二階建ては1階と2階で空間を分けられるため、平屋よりもプライバシーを守るのに適しています。親世帯と子世帯が同じ住まいで暮らす二世帯住宅では、生活空間を分けることで互いに気兼ねなく過ごすことができます。

高い場所への避難が可能

屋外に逃げる際は平屋のほうが避難しやすいですが、洪水などの水害で逃げ遅れた場合は、「2階に行ってしのぐ」という方法を取ることが可能です。普段は意識していなくとも、2階があることでいざというときに守れる命もあるのです。

採光がよく、室内が明るくなる

同じ部屋数であれば、平屋よりも二階建てのほうが窓を多く取れる分、採光がよくなって室内が明るくなるでしょう。また高い位置に窓があるため、窓からの景色もよくなります。

平屋の特徴

平屋の特徴は、なんといっても階段がないことです。階段がないと上下に移動する負担が減り、生活のしやすさが向上します。

動線がシンプルで家事が楽になる

階段を上る必要がない平屋は、移動が水平の動線だけで済むことが大きなメリットです。水まわりを1ヶ所に集めれば、コンパクトな動線で家事を行うことができます。

バリアフリーを実現しやすい

「年齢を重ねるとともに2階には行かなくなってしまった」という話もよくあります。上下の移動がない平屋はバリアフリーの空間を実現しやすく、「身体が不自由になったから」という理由で使えなくなる部屋がありません。

家族とコミュニケーションをとりやすい

つねに目配りをしなければならない小さな子どもがいる場合はもちろん、思春期になっても親子のコミュニケーションは大切です。平屋は二階建てよりも家族同士が顔を合わせる機会が多くなるので、コミュニケーションも自然に増えるでしょう。

地震や風に強い

平屋は高さが低いので、構造的に安定しています。二階建てなど複数階層の建物に比べて、地震や台風にも強いつくりだと言えるでしょう。

メンテナンスがしやすい

長く生活をしていると、住まいのさまざまな場所が劣化していきます。そのため、一戸建てを新築・購入した後には外壁や雨どい、屋根などのメンテナンスが欠かせません。高さのない平屋は、大がかりな足場を組まなくてもメンテナンスしやすいのがメリットです。

二階建てと平屋の建築にかかる費用

住まいを新築する場合、二階建ての家と平屋の家ではどちらの費用が高くなるのでしょうか。以下では、「平屋のほうが高くなる」という考え方と、「二階建ての家のほうが高くなる」という考え方をそれぞれご紹介します。

平屋のほうが二階建てよりも高くなるという考え方

一般的に、一戸建ては二階建てより平屋のほうが費用は高くなると言われています。その根拠として考えられるのは次の2点です。

必要な土地・基礎・屋根の広さで比較した場合

一戸建てを建てる際の費用の内訳では、土地と基礎、屋根が大きな割合を占めます。1階と2階で土地・基礎・屋根を共有できる二階建て住宅は、費用がかかる土地・基礎・屋根の広さが事実上平屋の半分程度で済むのです。そのため、同じ広さの部屋が同じ数だけある間取りにした場合、平屋のほうが割高になると考えられます。

設備のコストで比較する場合

二階建て住宅でトイレを2つ設置する場合には、1階と2階の同じ位置にトイレを設置することで、配管まわりのコストを最小限に抑えることができます。これに対し、平屋で2つのトイレを設置する場合は、2つのトイレをどこに設置してもそれぞれに配管が必要になるので、同様のコスト削減にはつながりません。こういったケースにおいて、二階建ての家と比較したときに「平屋は水まわりのコストがかかる」と考えられます。

二階建てのほうが平屋よりも高くなるという考え方

一方で、「二階建てのほうが費用は高くつく」という考え方もあります。

設備の必要性で比較する場合

二階建ての場合は生活動線に階段が入るため、昇降の負担を考慮して1階と2階にそれぞれにトイレと洗面所を設けるケースが多くあります。さらに、平屋では不要な「階段を設置する面積」が必要となり、階段の傾斜をなだらかにしたり踊り場を設けたりする場合は、さらに広さが求められるでしょう。二階建ては組み込む住宅設備やそのための面積が大きくなるので、価格が高くなると考えられます。

建設の手間で比較する場合

二階建ての家を建築する場合は足場を組み、資材を上げる際に重機を使わなければなりません。また、2階の部屋の重みを支えるだけの構造にする必要があります。このような作業の手間や費用が建築にかかるため、二階建ては平屋より高くなると考えられます。

二階建てと平屋、どちらが高いかはケースバイケース

一般的には平屋のほうが建築費用は高くなるとされていますが、トイレや階段などの設備の状況や家を建てる場所によっては平屋のほうが安くなることもあります。どこでどんな風に暮らしたいのかというイメージや予算がはっきりしているのであれば、ハウスメーカーや工務店に相談してみるとよいでしょう。

二階建てより平屋のほうが税金は高い?

マイホームは費用が高額なので、支払う消費税も必然的に多くなります。あらかじめ出費を本体価格の1割増しで想定しておかないと、後で「こんなはずではなかった……」と肩を落とすことにもなりかねません。

しかし、一軒家を取得してから支払うべき税金は、消費税だけではありません。売買・工事契約書に貼付する印紙代である「印紙税」、不動産登記の際にかかる「登録免許税」、土地や建物を取得した際にかかる「不動産取得税」などの納付が必要です。さらに、取得後には毎年「固定資産税」、場所によっては「都市計画税」が発生します。

では、不動産取得時と取得後にかかる税金は、二階建ての家と平屋で違いがあるのでしょうか。

家を取得したら毎年支払う税金

不動産取得によってかかる税金のなかにも、固定資産税をもとに算出される税金があります。わかりやすくするために、取得後毎年納めることになる固定資産税から解説していきます。

土地にかかる固定資産税

土地の固定資産税は、「広さ」と3年に1回行われる「土地の評価」によって決まります。土地の価値は時価の70%程度を目安に定められ、建っている住宅が二階建てでも平屋でも金額は変わりません。そのため、同じのべ床面積とした場合により広い土地が必要になる平屋は、二階建てに比べて金額が高くなると言えるでしょう。

住宅にかかる固定資産税

住宅にかかる固定資産税は、「広さ」と建物の資産価値を示す「固定資産評価額」で決まります。住宅そのものの建物価格が高いほど評価額は上がり、税金も高くなります。

都市計画税

都市計画税は、市街化を促進・調整する区域に家を建てる場合に求められる税金です。固定資産税と一緒に納めます。

家を取得した際に納める税金

住宅を取得した際に納める税金には、二階建てと平屋の区別がありません。しかし、固定資産税評価額を基に算出する場合は、固定資産税の二階建ての家と平屋の違いが反映されることになります。

消費税

消費税は、住まいを建てる(買う)ためにかかった費用を工務店やハウスメーカーに支払う際、上乗せしてまとめて支払い、事業者などがいったん預かってから国に納める税金です。2021年現在の消費税は10%です。

印紙税

印紙税は、国が定めた法律に基づいて取引を行っているという証明のようなもの。印紙を購入することで国に税金を納める形となり、購入した印紙を売買・工事契約書に貼ることで、正式な文書として認められます。印紙税額は売買契約書・ローン契約書と工事請負契約書、それぞれに定められており、契約書に記載された取引金額によって異なります。

登録免許税

登録免許税は、不動産登記の際に国へ支払う税金です。登録免許税は土地や建物の固定資産税評価額に、登記の種類によって異なる税率をかけて算出します。

不動産取得税

不動産取得税は、取得した不動産が所在する都道府県に不動産の持ち主が支払う税金です。2021年現在、不動産取得税率は4%、土地と住宅は3%となっています。ただし、居住用として土地を取得した場合は、不動産取得税の軽減措置として控除を受けることが可能です。

二階建てにおける「いい間取り」の考え方

二階建てにおける「いい間取り」の考え方

平屋に比べて二階建ては動線がやや複雑になりやすいですが、部屋を分けやすく面積を確保しやすいという特徴があります。続いては、二階建てのメリットを生かした間取りについて見ていきましょう。

二階建ての間取りで気を付けたいこと

家族のライフステージを長い目で見て決める

二階建ては部屋数を確保しやすいため、子ども部屋を子どもの人数分確保しようと考える場合もあるでしょう。しかし子どもの年齢差によっては、全員が実家に住んでいる期間はさほど長くないので、小さな部屋をいくつもつくることが必ずしも得策とは言えません。

また、垂直な位置に水まわりを配置することで費用を抑えることが可能なので、子どもが大きくなった際のことなども考えて2階にもトイレや洗面所などの設備があるとよいでしょう。

吹き抜けは安全性に留意する

二階建ての住まいでは、吹き抜けを設けて間取りや費用を調整する場合があるでしょう。吹き抜けには開放感があり、採光や風通しがよくなる半面、子どもが小さい時期には転落のリスクがあります。また掃除やメンテナンスの際にも転落の危険があるので、安全を確保できる構造を検討しましょう。

収納をしっかり確保する

二階建ての間取りでは部屋(生活スペース)を取りやすい反面、収納を犠牲にしやすい傾向もあります。階段の下を納戸などにして収納を増やすのはもちろん、階段の昇り口の上部など「デッドスペースになりがちな部分」の活用を意識するとよいでしょう。

二階建て住宅の「よい間取り」とは

「総二階建て」の特徴と間取り

1階と2階がほぼ同じ大きさの「総二階建て」は、親世帯と子世帯が同居する二世帯住居に向いています。トイレやキッチン、洗面所や浴室などの水回りを1階と2階で同じ位置に設ければ、建築コストを大幅にカットすることも可能です。そうすれば、騒音もあまり気にならないようになります。

駐車場の確保が難しい場合は、ガレージハウス型にして1階をインナーガレージにするのも手です。総二階建ては全体のバランスがよく、揺れた際に建物がゆがみにくいため、地震に強いというメリットもあります。

「部分二階建て」の特徴と間取り

1階の面積より2階の面積が小さい「部分二階建て」は、1階にも屋根のある部分があり、個性のある外観にできる点が魅力です。しかし、屋根や柱の量が増えて複雑な構造になるため、建築費は割高になってしまいます。

部分二階建てでは日常的に家族が集う部屋を1階に配置し、2階には寝室や子ども部屋を配置するケースが多いようです。総二階建てと同様にインナーガレージを設けたり、2階にトイレや洗面所を配置したりすることで、より機能的な使い方をすることができます。

「1.5階建て」の特徴と間取り

「1.5階建て」は、平屋と二階建ての中間のような住宅です。1.5階建てにはロフトなどの小屋裏部屋があったり、スキップフロアとよばれる中二階があったりします。二階建てと比べると空間に一体感がありますが、その分、プライバシーはやや守りにくくなるでしょう。

二階建ての家の間取りを相談しよう

平屋は動線がシンプルな点、二階建てはのべ床面積を確保しやすい点が特徴です。どちらがよいかは家族によって異なるため、家族構成や生活スタイルに適した物件を選びましょう。また、家を建てたり購入したりする際にはさまざまな種類の税金が発生するため、事前に確認しておくと安心です。

二階建ての間取りをハウスメーカーや工務店などに相談する際は、必要な部屋数や広さ、家本体の予算をしっかり決めておくとスムーズです。マイホームの購入を考えている方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。

 

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