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【2024年版】住宅ローン控除はどう変わる?特別控除「子育て特例対象個人」が新設!

更新日:2024.02.26

【2024年版】住宅ローン控除はどう変わる?特別控除「子育て特例対象個人」が新設!

2024年以降の住宅ローン控除は、少子化対策の一環として“子育て支援策”が追加されました。2024年以降の住宅ローン控除は、「地球温暖化対策」と「少子化対策」の2つが組み込まれている点が特徴ですが、一体どのような制度になるのでしょうか。この記事では、「2024年以降の住宅ローン控除」について解説します。

  • 一定の要件を満たす子育て世帯は、借入金限度額が拡大される
  • 新築の一般住宅は、原則として住宅ローン控除を受けられなくなる
  • 2024年12月31日までに確認申請を受けたものは、面積要件が緩和される

もくじ

  1. 住宅ローン控除とは

  2. 新設された子育て特例対象個人とは

  3. 住宅ローン控除の借入限度額

    1. 新築住宅・買取再販住宅の場合

    2. 中古住宅の場合

  4. 面積の緩和措置の継続

  5. 新築物件を購入する際の注意点

  6. まとめ



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住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、返済期間が10年以上の住宅ローンを組んで、一定の要件を満たすマイホーム(自己居住用)を購入した場合に、所得税などから所定の金額が控除される制度のことです。

所得税からは、年末の借入金残額に原則0.7%を乗じた金額を最大13年間控除されます。 所得税から控除できる控除額の計算式は、以下の通りです。

住宅ローン控除額
= 年末借入金残高 × 0.7%

住宅ローン控除の対象となる住宅は、原則として床面積が50平米以上ある住宅になります。
自己居住用と居住用以外の部分があるときは、床面積の2分の1以上が居住用であることが必要です。

竣工日(工事完了の日)または取得の日から6ヶ月以内に、居住の用に供する(生活の拠点として家屋を利用する)ことも要件となります。
中古住宅に関しては、上記の要件に加え、耐震性に関する要件もあります。 住宅ローン控除を利用できる中古住宅は、以下のいずれかの建物に該当する必要があります。

  • 【中古住宅の基本的な要件】

  • 1982年(昭和57年)1月1日以後に建築されたもの
  • 新耐震基準に適合することが証明されたもの、または、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているもの(住宅取得前の2年以内に加入したものに限る)

新設された子育て特例対象個人とは

2024年以降の住宅ローン控除では、「子育て特例対象個人」という対象者が新たに創設されました。
子育て特例対象個人とは、以下のいずれかの要件を満たす人のことです。

  • 【子育て特例対象個人】

  • 年齢40歳未満であって配偶者を有する者
  • 年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者、または、年齢19歳未満の扶養親族を有する者

子育て特例対象個人に対しては、住宅ローン控除の内容がやや緩和される形になっています。

住宅ローン控除の借入限度額

住宅ローン控除では、控除率を乗じる対象となる借入金に限度額が設けられている点が特徴です。 この章では、住宅ローン控除の借入限度額について解説します。

新築住宅・買取再販住宅の場合

新築住宅の住宅ローン控除は、最大13年間適用ができます。
2024年1月1日から2024年12月31日までに「新築住宅」または「買取再販住宅」に入居した場合の借入限度額は、以下の通りです。

住宅の区分 一般の人※ 子育て特例対象個人
長期優良住宅
低炭素住宅
4,500万円 5,000万円
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円 4,000万円

※:一般の人とは、子育て特例対象個人以外の人のことを指します。

2024年以降の住宅ローン控除は、一般の新築住宅では、原則として住宅ローン控除が受けられなくなる点が最大の特徴となります。 一般の新築住宅が対象外になったのは、地球温暖化対策のために省エネ住宅の建築を促進する狙いが背景にあるためです。

また、子育て特例対象個人に関しては、借入限度額の枠が大きくなります
子育て特例対象個人に適用される借入金限度額は、2023年まで全ての人に適用されていた借入限度額と同額です。 2024年は少子化対策として子育て特例対象個人だけは、2023年までと同じ借入限度額が適用されることになります。

買取再販住宅とは、不動産会社が一定のリフォームを行って販売している中古住宅のことです。 買取再販住宅に該当する一定のリフォームは、以下の要件すべてを満たす必要があります。

【買取再販住宅に該当するためのリフォーム】
1.増築、改築、建築基準法上の大規模の修繕または大規模の模様替えの工事

2.マンションの場合で、床または階段、間仕切り壁、主要構造部である壁のいずれかのものの過半について行う修繕または模様替えの工事

3.家屋のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕または模様替えの工事

4.地震に対する一定の安全基準に適合させるための修繕または模様替えの工事(耐震改修工事)

5.一定のバリアフリー改修工事

6.一定の省エネ改修工事

7.給水管、排水管または雨水の侵入を防止する部分に係る修繕または模様替えの工事(既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されているものに限ります。)

出典:国税庁 「買取再販住宅とは

長期優良住宅とは、長期に渡り良好な状態で使用するための措置が講じられ、行政の認定を受けた住宅のことです。

低炭素住宅とは、二酸化炭素(CO2)の排出が抑制されている省エネ住宅であり、行政の認定を受けた住宅のことを指します。

ZEH水準省エネ住宅とは、断熱等性能等級が5以上、かつ、一次エネルギー消費量等級が6以上の性能を有する住宅のことです。

省エネ基準適合住宅とは、断熱等性能等級が4以上、かつ、一次エネルギー消費量等級が4以上の性能を有する住宅のことを指します。

以下より、長期優良住宅および低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅をまとめて「認定住宅など」と表現します。

中古住宅の場合

中古住宅の住宅ローン控除は、最大10年間適用ができます。
2024年1月1日から2025年12月31日までに中古住宅に入居または増改築した場合の借入限度額は以下の通りです。

居住年 2024年・2025年
認定住宅など 3,000万円
一般の住宅または増改築など 2,000万円

中古住宅に関しては、認定住宅など以外の一般の住宅でも住宅ローン控除が適用できる点が特徴となります。 また、中古住宅については、とくに子育て特例対象個人に対する借入金限度額の緩和措置はありません。

面積の緩和措置の継続

面積の緩和措置の継続

住宅ローン控除の対象となる住宅は、床面積が原則として50平米以上であることが必要です。 ただし新築住宅に関しては、着工前に行う図面審査「建築確認申請」を2024年12月31日以前に受けたものに関しては、合計所得金額が1,000万円以下の人であれば40平米以上の住宅も対象となります。

40平米以上の住宅も対象とする措置は、2023年12月31日までにも存在しました。
昨年までは2022年1月1日から2023年12月31日までの間に建築確認を受けていれば40平米以上の建物も対象でしたが、この緩和措置は1年間延長されたということになります。

新築物件を購入する際の注意

2024年以降は、新築住宅のうち「認定住宅など」を除く一般の住宅では、住宅ローン控除を利用できなくなります。
2025年4月(予定)以降は、原則として全ての住宅が省エネ基準へ適合することが義務化されていますので、2025年4月以降に購入する新築住宅に関しては、とくに意識をしなくても住宅ローン控除を利用することが可能です。

一方で、義務化前の2025年3月までは、省エネ基準適合住宅ではない新築住宅も存在し得るため、住宅ローン控除の適用要件を満たさない住宅も存在します。
そのため、2025年3月までに新築住宅を購入する人は、住宅ローン控除を適用できる物件であるかどうかをしっかり確認することが注意点となります。

まとめ

以上、2024年以降の住宅ローン控除について解説してきました。
2024年以降の住宅ローン控除では「子育て特例対象個人」という対象者が新たに創設され、対象者は2024年に限り、新築住宅または買取再販住宅における借入金限度額が緩和されます。

なお2024年以降は、新築住宅の「一般の住宅」は、住宅ローン控除の利用ができません。
2024年に新築住宅を購入する方は、住宅ローン控除が利用できる対象となるかをしっかり確認した上で購入するようにしましょう。



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不動産鑑定士

竹内 英二

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら

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