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マンション売却の値下げのタイミングとコツとは? 値下げなしで売るポイントも解説

更新日:2024.10.24

マンション売却の値下げのタイミングとコツとは? 値下げなしで売るポイントも解説

マンションの売却をスタートしても、なかなか売れず、長期間売れ残ってしまうケースが少なくありません。そんな時は、値下げを検討することが大切ですが、過度に値下げをしてしまうと損する可能性があり、タイミングが悪ければ値下げの効果も得にくくなってしまいます。そこで本記事では、値下げのタイミングや注意点・コツについて分かりやすく解説します。

  • 値下げは売却開始から3カ月経過したタイミングが目安の一つ
  • 値下げ額の相場は売却額の5~10%程
  • ローン残債や諸費用を把握したうえで値下げ額を明確にすることが重要

もくじ

  1. マンション売却で値下げする5つのタイミング

    1. ①1カ月内覧がない

    2. ②売却開始から3カ月経過した

    3. ③売却期限が近付いている

    4. ④マンション購入需要が高まる時期になった

    5. ⑤値引き交渉された

  2. マンション売却で値下げするメリット・デメリット

    1. メリット

    2. デメリット

  3. マンション売却で値下げする際の注意点

    1. 相場を適切に把握しておく

    2. ローン残債と完済費用を把握しておく

    3. 安易に値下げしない

    4. あらかじめ値下げのタイミングを計画しておく

  4. マンション売却で値下げする際のコツ

    1. 値下げ価格の最低ラインを決めておく

    2. 端数を持つ金額で売り出す

    3. 値下げ幅は売り出し価格の5~10%で検討する

  5. マンションを値下げせずに売却するポイント

    1. 不動産会社との契約を再検討する

    2. なかなか売れない・早く売りたいなら不動産会社の買取も一つの方法

    3. 築10~20年を目安に売却を検討する

    4. 写真を工夫する

    5. 信頼できる不動産会社を見つける

  6. まとめ



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マンション売却で値下げする5つのタイミング

マンション売却で値下げを検討する場合は、タイミングが重要です。
ここでは、値下げするタイミングとして次の5つを解説します。

①1カ月内覧がない

マンション売却を開始してから1カ月内覧がない場合は、売り出し価格と相場があっていない可能性があります。
通常、売り出しを開始してから1週間程度は新着物件として取り上げられるので、注目が高くなる時期です。その時期を超えて1ヵ月間、問い合わせや内覧がない場合は、買い手から避けられている可能性が考えられます。

ただし、内覧がない理由は価格の高さだけとは限りません。一般的に活発に不動産取引される8~9月や2~3月などの繁忙期からずれているといったことも考えられるので、3か月経過するまで少し様子を見てみるのもよいでしょう。内覧が多いのであれば、その価格で興味を持った購入希望者が多いということなので、値下げするべき時期ではありません。
 

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②売却開始から3カ月経過した

値下げする一般的なタイミングは、売却開始から3ヶ月後です。
通常、マンションの売却にかかる期間は3ヶ月~半年ほどが目安と言われていますので、3ヶ月経過しても売れない・反応が少ないという場合は、そのままの価格では売れない可能性が高いので値下げを考えるとよいでしょう。

また、3ヶ月経過した時点で値下げをするのは一般的なタイミングのため、購入希望者が値下げされるかどうか様子を見ている可能性もあります。 値下げをすることで購入希望者から問い合わせが入る可能性もあるでしょう。

③売却期限が近付いている

転勤などで売却しなければならない期限があるなら、その期限から逆算して値下げのタイミングを考える必要があります。 先述した3ヶ月というタイミングは、あくまで目安として、売却したい期限に合わせて柔軟に値下げのタイミングを決めることも大切です。

④マンション購入需要が高まる時期になった

一般的に、マンションの購入需要が高まるのは、2~3月や8~9月と言われています。とくに、新生活をむかえる時期の直前である2~3月は、マンション需要が最も高くなる時期です。これらの時期は、購入希望者が増えますが、同時に売りに出されるマンションも増加します。しかし、競合が多いタイミングで値下げをすることで、お得な物件だと好印象を与えやすく、スムーズな売却にもつながります

反対に、需要の高まる時期を超えての値下げはおすすめできません。需要の高い時期を超えるとマンションを探している人も少なくなるので、値下げしても効果を得にくくなるからです。

⑤値引き交渉された

マンション売却の過程では、購入希望者から値引き交渉されることは珍しくありません。値引き交渉された時点で、相手の要求に応じることでスムーズに売却しやすくなります。
ただし、買い手の希望に応じて値下げすると、損してしまう可能性があるので注意が必要です。値下げする場合は、その根拠や売り手側の値下げ可能な範囲を明確にしたうえで、金額を決めていきましょう。

また、値引き交渉を受けることを前提として、事前に価格を高めに設定しておく方法もあります。
この場合は、相場よりも高くなりすぎるとそもそも買い手が付かない可能性があるので、慎重に価格を設定をすることが大切です。

マンション売却で値下げするメリット・デメリット

マンションがなかなか売却できない場合、値下げを検討するのは必要な手段です。しかし、値下げすることで早く売却できる可能性が高くなる反面、手元に残るお金が減ってしまうなどのデメリットもあります。
以下では、マンション売却時に値下げをするメリット・デメリットをみていきましょう。

メリット

メリットとしては、「早期の売却が見込める」、「維持費の削減につながる」といった点が挙げられます。マンション購入希望者は、少しでも安く買いたいと考えているので、値下げすることで早期の売却が期待できます。
また、売却できない期間が長引くと、マンションの維持費の負担も高くなる恐れがあるため、値下げをして早期に売却することで、無駄な維持費を削減できることも大きなメリットです。

デメリット

デメリットとしては、「手元に残るお金が減る」といった点が挙げられます。
値下げすることで手元に残るお金が減ることは避けられません。売却金で住宅ローンの完済を計画している場合、売却額が下がることで完済計画が崩れる恐れがあるため、注意が必要です。売却額が下がった分を自己資金で補填しなければ、完済できないこともあるでしょう。

また、売却額を新居の購入資金に充当したいと考えている場合も、新居の選択肢が狭まる・希望していた新居が購入できない可能性も出てきます。
このように、値下げは資金面で大きなデメリットがあるので、資金計画をしっかり立てて慎重に行うことが大切です。

マンション売却で値下げする際の注意点

ここでは、マンション売却で値下げする際の注意点として、下記の4つを解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。

相場を適切に把握しておく

マンションの売却相場が分かっていないまま値下げしてしまうと、相場よりも極端に価格が安くなりスムーズに売却できても、損してしまう可能性が高まります。相場を適切に把握しておくことで、妥当な価格設定ができ、値下げをせずに売却できる可能性も高くなります

マンションの相場を把握するなら、現在ご覧いただいているサイト『クラモア』の住まいトレンドがおすすめです。住まいトレンドでは、マンション名から簡単に売却相場を把握できるだけでなく、過去の取引事例やエリアの相場推移・賃料相場もチェックできるので、売却計画の参考になります。住まいトレンドの相場は、個人情報の入力不要で簡単にチェックできるのでまずは相場チェックから始めてみるとよいでしょう。

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ローン残債と完済費用を把握しておく

ローン返済中のマンションを売却するには、ローンの完済が必須です。一般的には、売却額でローンを完済する方が多いため、ローン残債と売却額が重要になってきます。
売却額でローン残債が完済できる「アンダーローン」であれば、問題なく売却できます。しかし、売却額よりもローン残債が多い「オーバーローン」の場合、足りない分を自己資金や住み替えローンなどで補填しなければ売却できません。
売却額でローン完済を検討している方は、最初にローン残債を正確に把握して完済できるかを調べることが大切です。

アンダーローンとオーバーローンのイメージ

また、ローン完済や売却には、ローンの一括返済のための手数料や、抵当権抹消費用・仲介手数料などが必要となり、諸費用は、売却額の5~10%程と言われています。ローン残債だけでなくそれらの費用も用意できるかを、慎重に判断することが重要です。
値下げする場合、完済費用や諸費用に支障がないラインを明確にしたうえで値下げ額を検討するようにしましょう。
 

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安易に値下げしない

値下げすればスムーズな売却が期待できるとは言え、金銭的なデメリットが生じます。
売れない理由は、値段だけとは限らず、下記のようなケースもあります。

  • 不動産会社の売却活動が足りていない
  • 近隣に競合が多い
  • マンション需要が下がっている時期
  • 内覧時の対応が悪い

まずは、「値段以外に売れない理由がないか」をしっかりと調査したうえで、値下げを検討するようにしましょう。

また、値下げする際は、躊躇して少しずつ値段を下げていくのはおすすめできません。こまめに値下げしていると、買い手に「まだ値下げするのでは」「価格交渉に応じてくれやすそう」という印象を持たれる恐れもあります。 値下げすると決めた場合は、まとまった額を値下げして、買い手にお得なイメージを与えることが大切です。

あらかじめ値下げのタイミングを計画しておく

売却計画を立てる時点で、どのタイミングで値下げするのかも決めておくと、スムーズに売却しやすくなります。
マンションが売れ残っている状態が続くと、買い手にとってマイナスイメージが付きやすくなります。悪い印象を与えないためにも、計画的に値下げして早い段階で売却することが大切です。
「どのタイミングでいくら値下げする」と事前に決めておくと、売却活動もスムーズになるでしょう。

マンション売却で値下げする際のコツ

ここでは、値下げする際のコツとして、下記の3つを解説します。

値下げ価格の最低ラインを決めておく

売却額は、ローン返済や新居の費用などに充てる重要な資金です。
必要以上に値下げしてしまうと、資金計画が大きく崩れる恐れがあるので注意しましょう。
ローン残債や諸費用・新居の費用などから、事前にいくらで売らないといけないのかを事前に明確にしておくと、必要以上に値下げすることを防げます。

端数を持つ金額で売り出す

値下げする場合は、端数を持つ金額に設定することでお得感を演出しやすくなります。
例えば、3,100万円を3,000万円に値下げするよりも2,980万円に値下げするほうが、金額差は20万円ですが、それ以上のお得感が感じられます。

買い手の値下げ交渉では「端数を切り捨てる」ケースもよくあります。
そのため、端数を持つ金額で売り出すと、値下げ交渉の際、端数を切り捨てることで買い手にお得なイメージを与えることができ、スムーズな売却につながります。

値下げ幅は売り出し価格の5~10%で検討する

値下げ額の相場は、売却額の5~10%程です。10%の値下げであれば、買い手にインパクトを与えやすくお得になったことをアピールしやすくなります

また、値下げする際は、ポータルサイトの検索条件を指定する「価格帯」が、ワンランク下の金額にすることも重要です。 例えば、「1,000万円以上3,000万円未満」といった条件で検索する人を想定した場合、3,100万円のマンションだと検索対象外となりますが、2,980万円に値引きすることで検索対象となります。

マンションを値下げせずに売却するポイント

マンションを値下げせずに売却するポイント

値下げしてスムーズに売却できることも大切ですが、できれば値下げせずに売却するのが理想です。
ここでは、値下げせずに売却するためのポイントとして以下の5つを解説します。

不動産会社との契約を再検討する

マンションを売却する場合、不動産会社と媒介契約(ばいかいけいやく)を結びます。
媒介契約には以下の3種類があるので、ご自身の売却に適した方法を選択しましょう。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約
媒介契約の種類

一般媒介契約とは、複数の不動産会社と契約できる方法で、比較的自由度が高いですが、売主への営業活動報告義務がないため、営業活動の進捗が把握しづらい点には注意が必要です。

一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約は、不動産会社1社のみとしか契約ができませんが、レインズ(不動産仲介会社が物件情報を確認するシステム)への登録・売主への営業活動報告が義務付けられているので、積極的に営業活動を行ってもらいやすいというメリットがあります。

一般媒介契約でなかなか買い手が見つからない場合は、専任媒介契約・専属専任媒介契約に変更するなど、不動産会社との契約を再検討することをおすすめします。



 

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なかなか売れない・早く売りたいなら不動産会社の買取も一つの方法

マンションを売却する方法には、「仲介」と「買取」の2種類があります。

仲介イメージと買取イメージ

仲介は、不動産会社に買主を探してもらい売却する一般的な売却方法です。 買取は、不動産会社が直接不動産を買い取ってくれる売却方法のことをいいます。

買取であれば、不動産会社の条件に合意できれば、短期間での売却が可能です。 ただし、買取の場合、仲介よりも安値での売却になることが多く、一般的には売却相場の7~8割ほどの価格といわれています。 一方で、売却に関して費用や手間をかけなくて済む・仲介手数料も不要になるため、手元に多くのお金を残せる可能性もあります。

なかなか買い手が見つからない・できるだけ早く売りたいという場合は、買取を検討するのも一つの方法といえるでしょう。

築10~20年を目安に売却を検討する

マンションは築年数が浅いほど高く・早く売れる傾向にあります。
築年数が浅い物件であれば、値下げしなくても売却できる可能性が高くなります。反対に、築年数が古くなるほど値下げが必要になるケースも増えます。

次に、築年数が価格に与える影響を見てみましょう。 以下は、東日本不動産流通機構の「年報マーケットウォッチ(2023年・年度)」による首都圏マンションの築年数別成約価格です。

【築年数別】首都圏マンションの成約価格
  ~築5年 築6~
10年
築11~
15年
築16~
20年
築21~
25年
築26~
30年
築31年~
価格 7,077万円 6,655万円 5,932万円 5,509万円 4,887万円 3,344万円 2,359万円

右にスクロールできます→

出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構 REINS TOWER

上記データの通り、築20年を超えると価格が5,000万円を下回っているのがわかります。
このように、築20年を境に価格が大幅に下落する可能性が高くなるため、築10~20年を目安に売却を検討することをおすすめします。

写真を工夫する

マンションの購入希望者は、まず広告をみて購入するマンションの目星をつけていくのが一般的です。広告に同じ間取り・金額・築年数のマンションがある場合、決め手となるのはマンション内部の写真ではないでしょうか。
そのため、広告に掲載されている写真は重要になります。

  • 自然光や照明を使って明るくする
  • きれいに清掃した状態で写真を撮る
  • 家具やインテリアでおしゃれ感を演出する

上記のように、撮影時にちょっとした工夫をするだけでも、買い手の反応が変わってくる可能性があります。実際に掲載された広告を必ずチェックして、買い手に良い印象を与えられるように工夫しましょう。

信頼できる不動産会社を見つける

マンション売却は、不動産会社や担当者の力量に大きく左右されます。実績があり信頼できる不動産会社・担当者を見つけることで、値下げせずにスムーズな売却も期待できます。
不動産会社・担当者を見つける際には、以下のような点も意識するとよいでしょう。

  • 取扱い不動産の種類(マンション売却が得意かどうか)
  • 不動産会社の評判や口コミ
  • デメリットやリスクまでしっかり説明してくれるか
  • ハウスクリーニングなどの売却サポートサービス
  • 売却後のアフターサービス
  • 査定時の対応
  • レスポンスの早さ
  • 担当者の人柄や相性

不動産会社を選ぶ際は、マンション売却に強い会社であることが重要です。
そのうえで、担当者の人柄やサービスなど総合的に判断することで、あなたにぴったりの不動産会社と出会えるでしょう。

みんなが不動産会社選びで重視してることは?

クラモアが独自に調査した、不動産売却を検討している方へのアンケート結果によると、不動産を売却する際に依頼する会社選びで重視することとして多かったのは、「高く売却できる」(31.6%)、「担当者の対応が丁寧」(20.7%)、「売却エリアに詳しい(地域密着型)」(15.8%)でした。

売却時に不動産会社選びで重視すること
売却時に不動産会社選びで重視すること

最も多い回答が「高く売却できる」という結果であることから、不動産会社への売却に対する期待値(高く売れることに対する期待値)が高いことが分かります。

大切な不動産を高く売却するには、売却のノウハウを持ち、その地域に詳しい「信頼できる担当者」がいる不動産会社を選ぶことが大切です。 専門知識を持つ不動産会社は、市場分析や適正な価格設定だけでなく、複雑な売却手続きもしっかりサポートしてくれます。 また、物件の立地や特性、市場動向などを熟知しているため、マンションを高く売るための戦略を一緒に立てることが可能です。
 

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まとめ

ここまでマンション売却時の値下げのタイミングや注意点、コツなどを詳しくお伝えしてきました。
マンションがなかなか売れない場合は、適切なタイミングで値下げを検討することが大切です。 とはいえ、値下げし過ぎてしまうとローン完済や新居の費用に大きく影響するので、きちんと資金計画を立てた上で、値下げできる金額を明確にしておきましょう。

売却で失敗しないためには、信頼できる不動産会社を選び、売却を進めることが大切です。
本記事を参考に、信頼できる不動産会社と満足いく売却を目指しましょう。
これからマンションの売却を検討されている方は、お気軽に下記よりご相談ください。
 



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逆瀬川 勇造

大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
⇒逆瀬川 勇造さんの記事一覧はこちら

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