更新日:2024.11.14
マンション売却の注意点とは?流れや費用、失敗例を把握しよう!
マンション売却で失敗しないためには、不動産売却の流れや費用、注意点を事前にしっかりと調べておくことが重要です。 本記事では、売却を成功させるために押さえておきたいポイントや基礎知識をわかりやすく解説します。 よくある失敗例にも触れているので、ぜひ参考にしてください。
- 「マンション売却の流れ」を理解して進めていくことが大切
- 近隣のマンション相場を参考に、売り出し価格を設定する
- 査定額だけでなく、担当者との相性を考えて不動産会社を選ぶ
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マンション売却の流れ
いざマンションを売却しようと思っても「何から手をつけたら良いのか分からない」「後悔せずに売却するにはどうすればいいのか」と悩んでしまうものです。人生に何度も起こる出来事ではないため、慎重になるのも無理はありません。
売却活動から販売活動、税金の支払いまでの流れを円滑に進めるためには、売却の基本的な流れを理解して進めていくことが大切です。
もちろん全てをご自身で対応する必要はなく、不明点があれば不動産会社へ相談することもできます。 まずは、あまり構えずに“マンション売却の基本的な流れ” を把握することから始めましょう。
【Step1】自分たちの希望と現状を整理する
マンション売却の最初のステップは「自分たちの希望と現状を整理すること」です。
売却する目的を確認する
まず、マンションを売却する理由を明確にすることが大切です。
家族構成の変化やライフスタイルの見直しなど、売却を検討する背景にはさまざまな事情があるでしょう。
- ▼売却の目的の例
- 子どもの進学に合わせて、都心部への移住を検討
- 家族が増えたため、広めの一戸建てへの住み替えを希望
- 子どもが独立したため、自然豊かな地域へ引っ越したい
- 親の介護を視野に入れて、バリアフリー対応の住宅に移住したい
マンションを売却する目的を具体的にしておくことで、希望や条件を整理しやすくなります。
いつまでに・どのくらいの価格で売却したいか?
売却の目的を踏まえながら、「いつまでに、どのくらいの価格で売却したいか」を具体的にイメージしてみましょう。
- ▼売却のポイント
- 希望する売却価格
- 売却したい時期
- 新居は購入するのか、それとも賃貸か
- その他の要望や条件
頭の中で考えるだけでなく、明確な言葉や数字にして、紙に書き出しておくのがポイントです。 書き出すことで、より客観的に考えを整理しやすくなります。 要望や気がかりな点があれば、ささいなことでも書き出しておきましょう。
住宅ローンの残債や手元の資金はどの程度あるか?
お金の状態についても、しっかり整理しておくことが大切です。
- ▼お金の状態
- 売却したいマンションの住宅ローンの残債
- マンション売却に費やせる手元の資金
特に買い替えを考えている場合、資金計画を慎重に立てる必要があります。 計算ミスを避けるために、銀行から取り寄せた書類や正確な情報が記載された資料を基に、現状をしっかり把握しておきましょう。
【Step2】自分で相場を調べる
マンション売却の希望や条件がイメージできたら、次は自分で相場を調べてみましょう。
相場を調べることで、売却金額の目安がわかるだけでなく、次のステップで行う不動産会社の査定が妥当かどうかを判断する際にも役立ちます。
相場の調べ方
マンションの相場を調べるには、以下のような方法があります。
- ▼マンション売却の相場がわかる情報源
- レインズマーケットインフォメーション:成約価格をもとにした不動産取引情報を提供するサイト
- 不動産情報ライブラリ:国土交通省が提供する不動産取引価格などを検索できるサイト
- 不動産会社の店頭やチラシ:実際に販売されている物件情報
- 住まいトレンド:マンションごとの売却相場を確認できる、クラモアが運営しているサイト
一つの情報源に頼ると情報が偏る可能性があるため、可能な限り多くの情報源を参照することが大切です。 例えば、こちらは「レインズマーケットインフォメーション」の画面例です。
画像出典:レインズマーケットインフォメーション
「マンション」の都道府県と地域を選択すると、実際の取引情報の事例が表示されます。
画像出典:レインズマーケットインフォメーション
あるいは、今ご覧いただいているサイト「クラモア」でも、マンションごとの売却相場をリサーチできます。
出典:クラモア 「住まいトレンド」
地域・もしくは駅から相場を知りたいマンションを探すことができ、実際の事例をもとに、売却価格や賃貸で貸した際のおおよその金額を把握することができます。 また、相場だけでなく、売出中・賃貸募集中の物件情報、マンション評価や口コミなどを確認することも可能です。
下記ボタンよりぜひ活用してみてください。
売買価格相場・賃料相場情報をお届け
【Step3】複数の不動産会社へ査定を依頼する
ある程度自分で相場を把握できたら、次は不動産会社に依頼して実際の査定をしてもらいましょう。
査定を受けることで、より具体的な売却価格の目安を知ることができます。
査定とは?
査定とは、不動産会社に依頼して売却見込み価格を算出してもらうことです。
査定を依頼する際は、3~5社の不動産会社に依頼し、複数の会社を比較検討することもできます。 査定を依頼することで、売却見込み価格だけでなく、対応の良い会社や相性の良い営業担当者を見極めやすくなります。
査定の流れ
査定には、主に以下の2種類があります。
- 簡易査定:
現地調査をせず、簡易的に価格を算出する査定方法で、机上査定とも呼ばれます。 - 訪問査定:
担当者が現地を訪れ、詳細な調査を行ったうえで価格を算出する本格的な査定です。
流れとしては、まず簡易査定を3~5社の不動産会社に依頼します。 インターネットの「一括査定サービス」を利用すると、手軽に複数社に依頼できます。 簡易査定を受けた後、対応が良かった2〜3社に訪問査定を依頼します。 訪問査定では、担当者が現地を訪れ、以下のような調査を行います。
- ▼マンションの専有部分の調査項目
- 眺望景観:
眺望や前面道路の規模 - 室内状況:
室内のきれいさ、日当たり、湿気、リフォームの有無 - 設備状況:
設備の有無、破損修繕状況 - 近隣関係:
上下左右の部屋との関係 - 騒音臭気:
騒音やにおい、揺れなど
- ▼マンションの共用部分の調査項目
- 管理状況:
整理整頓状況、管理会社名、管理人の有無 - 共用施設:
共用施設の有無や使用状況 - 駐車・駐輪場:
有無、利用形態(機械式、自走式など)
訪問査定は、不動産会社の担当者と直接対面できる貴重な機会です。 質問や気になる点をまとめておき、積極的に会話をしましょう。 担当者の対応や知識レベルを確認することで、どの不動産会社に売却を依頼するかの判断材料にできます。
【Step4】不動産会社を選定して媒介契約を結ぶ
査定を通じて売却を依頼したい不動産会社が見つかったら、媒介契約を締結します。
媒介契約とは?
マンション売却を不動産会社に依頼する際、売主と不動産会社の間で結ぶのが「媒介契約」です。
媒介とは、双方の間に立って取り持つことを意味し、簡単に言えば「仲介」のことです。 つまり、不動産会社にマンションの買主を見つけてもらい、買主との間で売買契約を結ぶ仲介を正式に依頼することが、媒介契約となります。
媒介契約の3つの種類
媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があります。
それぞれの違いを表にまとめると、以下のとおりとなります。
右にスクロールできます→
媒介契約の種類 | 同時契約できる 不動産会社の数 |
レインズ*1の 登録義務 |
報告義務*2 | 自己発見取引*3 |
---|---|---|---|---|
(1)専属専任媒介契約 | 1社のみ | あり | 1週間に1回以上 | 不可 |
(2)専任媒介契約 | 1社のみ | あり | 2週間に1回以上 | 可 |
(3)一般媒介契約 | 2社以上 | なし | 義務なし | 可 |
媒介契約の種類 | 同時契約できる 不動産会社の数 |
レインズ*1の 登録義務 |
報告義務*2 | 自己発見取引*3 |
---|---|---|---|---|
(1)専属専任媒介契約 | 1社のみ | あり | 1週間に1回以上 | 不可 |
(2)専任媒介契約 | 1社のみ | あり | 2週間に1回以上 | 可 |
(3)一般媒介契約 | 2社以上 | なし | 義務なし | 可 |
参考: 全日本不動産協会
*1:「レインズ」は、不動産情報が掲載されているネットワークシステムの通称です。レインズに登録すると、全国の会員不動産会社に情報が提供されるため、買主を早く見つけやすくなります。
*2:「報告義務」は、不動産会社が、販売状況を売主さんへ報告する義務のことです。
*3:「自己発見取引」は、自分で買主を見つけた場合に、不動産会社を通さずに直接取引してよいか、を表しています(不可の場合は、自分で見つけた買主の場合でも、依頼した不動産会社を介して売買契約をする必要があります)
理想は信頼できる1社と「専属専任媒介契約」を締結すること
媒介契約で最も理想的なのは「この不動産会社に任せたい」と思える信頼できる不動産会社を見つけ、専属専任媒介契約を結ぶことです。 不動産会社の売却に対する責任感は【専属専任媒介契約 > 専任媒介契約 > 一般媒介契約 】の順に強くなるからです。
専属専任媒介契約や専任媒介契約では、不動産会社の担当者が積極的に販売活動を行い、売却を優先的に進めてくれます。 一般媒介契約は、もし最適な会社が見つからなかった場合の選択肢として考えると良いでしょう。
媒介契約は3ヶ月ごとに更新
専属専任媒介契約と専任媒介契約は、法律で「契約期間は3ヶ月以内」と定められています。
一方、一般媒介契約には法律で契約期間の定めはありませんが、多くの不動産会社では慣例的に3ヶ月ごとに更新する形を取っています。 媒介契約を締結する際は、契約書の有効期間についてよく確認しておきましょう。
不動産会社に支払う成功報酬「仲介手数料」
不動産会社と媒介契約を結び、仲介を依頼してマンションの売却が完了した際、その対価として不動産会社に支払う金額が「仲介手数料」です。 仲介手数料は、売却が成功した場合に支払う成功報酬であり、売れなかった場合には支払う必要はありません。 詳しくは後述する「仲介手数料」をご覧ください。
【Step5】マンションを売り出す
不動産会社と媒介契約を締結したら、いよいよマンションの売り出しが始まります。
売り出し開始前に方針を決める
マンションの売却を開始する前に、不動産会社の営業担当者と打ち合わせを行い、どのような方針でマンションを販売していくかを決めます。 具体的な販売プランを考えるのは営業担当者の仕事ですが、売主が希望をしっかり伝えることが重要です。
営業担当者との打ち合わせの前に、以下の点を整理しておくとスムーズに進みます。
- 希望する売却価格
- 売却価格に基づいた売り出し価格
- 希望する売却時期(例:いつまでに売りたい)
- 希望する引き渡し時期(例:引越しのタイミング)
- 販売活動で優先したいこと(例:早く売りたい/高く売りたい)
- 販売活動でしてほしいことや避けてほしいこと(例:近隣へのチラシ投函、インターネット広告の利用など)
- その他気になる点や要望
売り出し前に必ず決めておかなければならない重要事項は「売り出し価格」です。
売り出し価格は、不動産広告に記載する価格で、希望売却価格より少し高めに設定することが一般的です。 これにより、購入希望者から値下げ交渉があった場合に余裕を持たせることができるためです。
売り出し価格は販売の方針によって異なります。 たとえば「できるだけ早く売りたい」という場合、相場より少し安く設定して早期販売を目指すこともあります。 営業担当者としっかり話し合い、納得のいく価格で売り出すことが大切です。
不動産会社が販売活動をスタートする
売り出し方針が決まった後、不動産会社がマンションの販売活動を開始します。 専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んでいる場合、担当者から定期的に進捗報告が届きます。 報告内容を確認し、順調に販売活動が進んでいるのか、チェックしましょう。
もし販売活動に改善が必要な場合は、担当者と相談し、戦略を見直して調整を行います。 柔軟に対応しながら、スムーズな売却を目指していきましょう。
みんなが不動産売却時に重視したことは?
クラモアが独自に調査した、不動産売却経験者へのアンケート結果によると、不動産売却時に重視したこととして多かったのは、「売却価格の最大化」(36.9%)、「信頼できる不動産会社を探す」(26.8%)、「迅速な売却手続き」(24.9%)でした。
参考:【不動産売却経験者にアンケート調査!】売却時に重要視したことは?
最も多かった回答は「売却価格の最大化」で、回答者全体の約4割を占めています。
大切な不動産を高く売却し利益を最大化するには、不動産の内装を見直すだけでなく、市場の需要を調査したり、節税対策を駆使したりするなど、様々な視点から熟考した上で慎重に売却を進める必要があります。
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【Step6】内覧の対応をする
不動産会社が販売活動を進めるなかで、マンションに興味を持ってくれる人が現れると、「内覧」の申込みが入ります。
内覧とは?
内覧とは、物件を購入検討中の人が実際に現地に訪れて、マンションを見学することです。 内覧後にマンションが気に入られれば、購入決定の可能性が高まります。 内覧の申し込みがあれば、不動産会社の担当者から連絡が入り、日程調整を行います。 売主としては、内覧をスムーズに進めるため、できるだけ柔軟に対応できるようスケジュールを調整しておくことが大切です。
内覧対応のポイント
内覧は、売主の対応によって結果が大きく変わる可能性があるため、入念な準備が重要です。 購入者に良い印象を与えるために、以下の準備を行いましょう。トイレやキッチン、ベランダ、クローゼットなど、マンションの隅々までチェックし、見学しやすい状態を作ります。
- ▼内覧準備のチェックリスト
- 各部屋(リビング、寝室、キッチン、トイレ、お風呂など)をきれいに掃除
- 照明の汚れを落とし、切れている電球を交換
- 壁の汚れやほこりを掃除
- 窓ガラスや網戸をきれいに磨く
- 玄関を掃除し、スリッパを用意
- 不快な臭いを避けるために換気や消臭を行う
- 修理できる床の傷や壁の穴を修復
- 不要な物を処分して、部屋をスッキリさせる
これらの準備をしっかりと行い、内覧者に良い印象を与えることで、売却の成功に近づくことができます。
詳しくは「マンション売却の内覧で好印象をつくる10のコツと気を付けたいNG行動」も参考にしてみてください。
【Step7】購入希望者と条件交渉をする
マンションの内覧に来た方が「購入したい」と希望すると、売主と購入希望者の間で条件の交渉が始まります。
条件交渉とは?
条件交渉とは、マンション購入を希望する人と売主の間で、価格やその他の条件について調整を行うことです。 売主の希望どおりの条件で購入してくれる相手であれば、交渉は不要ですが、ほとんどの場合、購入希望者から何らかの要望が出されます。
その中で最も多いのが、価格の値下げに関する交渉です。 購入希望者から「○○円まで値下げしてほしい」という依頼があれば、それにどう対応するかを検討することになります。 なお、こうした交渉は不動産会社が仲介し、購入希望者と売主が直接やり取りすることはありません。 不動産会社を通じて交渉が進められます。
条件交渉の例
具体的に、どのような条件を調整するのかについては、以下のリストをご参考にしてください。
- ▼調整する条件の一例
- 売買価格
- 手付金の金額
- 引き渡し時期
- 契約不適合責任の期間
- 土地の実測を行うかどうか
- 土地の実測をする場合、実際の面積に応じた売買代金の精算を行うかどうか
- 建物や設備の修繕の要否
- 古い建物がある場合の撤去の要否
- 公租公課(固定資産税や都市計画税など)の精算方法とその金額
※それぞれを調整するだけではなく、複数を組み合わせて交渉する場合もあります。
マンション売却において特に重要となるのが「売買価格」「手付金の金額」「引き渡しの時期」の3つです。 これらについては事前に妥協できないポイントを明確にし、自分の希望条件に近い形で売却が進むようにしっかり交渉しましょう。
【Step8】売買契約を締結する
購入希望者との条件が合意に至ったら、売買契約を締結します。
売買契約とは?
売買契約は、売主と買主の間で交わされる正式な取引契約です。 マンション売却は高額な取引であるため「売買契約書」を作成し、書面に残して契約を正式に成立させます。 一度契約を交わせば、簡単には解除できません。
売買契約書は、売主が自分で準備する必要はありません。 購入希望者との間で合意した条件が記載された売買契約書を、不動産会社が作成してくれます。
売買契約当日の流れ
売買契約の当日は、売主・買主・不動産会社が一堂に会し、契約締結を進めます。 通常、不動産会社のオフィスで行われることが多いです。
当日の手順は以下の通りです。
- ▼売買契約の当日の流れ
- 顔合わせ
- 不動産会社による買主への重要事項説明
- 不動産会社・売主・買主の三者で売買契約書の読み合わせ
- 売主と買主による売買契約書への署名・捺印
- 売主が買主から手付金を受け取る
仲介手数料の半額を売買契約の成立時に支払うのが一般的
媒介契約を結んだ不動産会社への報酬として支払う仲介手数料は、売買契約を締結した日に半額を支払うのが一般的です。 残りの半額は、次のステップで解説する決済・引き渡しのあとで支払います。
【Step9】決済・引き渡しをする
売買契約を締結した後、売買取引の最終ステップとなるのが「決済・引き渡し」です。
決済・引き渡しとは?
「決済」とは、売買代金の受け渡しを行い、売買取引を完了させることを意味します。マンションの売却においては、「決済=売主が買主から売買代金を受け取ること」を指します。
決済後、売主は売買代金を受け取り、マンションの所有権を買主に移転します。 この所有権の移転を「引き渡し」と呼びます。
売主は、抵当権抹消や所有権移転登記を行いますが、実際の手続きは通常、司法書士に依頼して、司法書士が代行して行います。
事前に準備するもの
決済・引き渡しは、当日までの準備が重要になります。売主さんが事前に準備する主要なものは、以下のとおりです。
- ●登記関係書類等
- 所有権移転登記の関係書類等(登記を書面申請する場合)
登記識別情報または権利証、印鑑証明書(登記申請日時点で発行後3ヶ月以内のもの)、住民票、固定資産評価額証明書、司法書士への委任状など - 抵当権抹消登記に必要な関係書類等
※登記関係書類等は司法書士等の専門家に確認しましょう。また、登記をオンライン申請する場合は準備するものが異なります。 - 実印(登記関係書類に押印する)
- 登記費用
- 実測図や境界確認書(必要な場合のみ)
- 残代金や各種精算金等の領収書(口座振込の場合は振込控えで代替する場合もある)
- 建築関係書類、物件の鍵等の買主へ引き継ぐべきもの一式
- 仲介手数料(媒介契約書の支払条件に基づいて準備する。不動産会社からは領収書を受け取る)
引き渡し当日、登記申請や抵当権抹消に必要な書類に不備があると、売買契約書で定めた期日に引き渡しができない可能性があります。 これを防ぐためには、事前に不動産会社の担当者や司法書士と連携し、必要な書類に抜け漏れがないよう確認しておくことが重要です。
仲介手数料の全額を支払う
不動産会社に支払う仲介手数料は、決済・引き渡しの日に全額を支払います。 その際には、不動産会社から領収書を受け取ることを忘れないようにしましょう。
以上で、不動産会社との媒介契約および買主との売買契約が、すべて完了となります。
【Step10】確定申告して納税する
不動産会社や買主さんとのやり取りが完了したあと、売主さんには最後のステップである「納税」が残っています。
マンション売却にかかる税金とは?
マンションを売却して利益が出たときには、その利益(譲渡所得金額)に対して、所得税と住民税が課税されます。
譲渡所得金額に対して課税される税率は、そのマンションの所有期間が“長期か・短期か”によって変わります。
- 長期(5年超):税率 20.315 %
- 短期(5年以下):税率 39.63 %
詳細は以下をご覧ください。
- 長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えるもの。
- 短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年以下のもの。
- 長期譲渡所得の税額の計算
税額=課税長期譲渡所得金額×税率20%(所得税15%、住民税5%) - 短期譲渡所得の税額の計算
税額=課税短期譲渡所得金額×税率39%(所得税30%、住民税9%)
※2013年から2037年までの税額については、算出された所得税を課税標準として復興特別所得税2.1%分が加算されます。
ただし、マイホームの場合には特例や控除の制度があるので、実際には納税しないで済むこともあります。たとえば「マイホームを売ったときの特例」は、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例です。
▼ No.3302 マイホームを売ったときの特例
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。これを、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。
出典: 国税庁
特例は、条件によって適用できるもの・できないものがあります。税務署や税理士に相談して、詳細な検討をすることが大切です。
確定申告と納税の流れ
注意点として、控除によって納税の必要がない場合でも、控除を利用する申請のために確定申告が必要です。基本的には、「マンションを売却したら確定申告をする」と考えておきましょう。確定申告を行うタイミングは、マンションを売却した年の翌年の2月16日〜3月15日です。
▼参考:確定申告と所得税納付
所得税法では毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付することになっています。
出典: 国税庁
所得税の納付も確定申告の期限と同じで、3月15日までに納付します。各種控除を適用しても納税の必要が生じた場合には、3月15日までに所得税分の資金を準備しておきましょう。
所得税のほかに住民税も課税されますが、住民税は例年どおりの納付方法で納付する金額に、マンション売却の譲渡所得分も加算される形になります。
▼参考:住民税の納付方法
納付方法は、「特別徴収」と「普通徴収」があります。給与所得者については、6月から翌年5月までの毎月の給料から徴収されます(特別徴収)。 その他の方については、区市町村から送付される納税通知書で、年4回に分けて納めます(普通徴収)。
出典:東京都主税局 「特別徴収Q&A」
以上で、マンション売却の流れは完了となります。
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マンション売却で発生する費用
マンション売却には、仲介手数料や印紙税のほか、登記などの手続き費用といった諸費用がかかります。 ここからは、それぞれの費用や目安について解説します。
仲介手数料
仲介手数料とは、物件売却の仲介を依頼した不動産会社に対して支払う成果報酬のことで、マンションの売買契約が成立した場合のみに発生します。
仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められています。
不動産の売却金額(税抜) | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売却価格×5%+消費税 |
200万円超〜400万円以下の部分 | 売却価格×4%+2万円+消費税 |
400万円超の部分 | 売却価格×3%+6万円+消費税 |
なお、2024年7月1日に施行された法改正により、売買価格800万円以下の空き家等(空き家・空き地)の取引において、仲介手数料の上限が33万円(税込)に引き上げられました。
詳しくは別記事の「【2024年7月改正】800万円以下の売買、仲介手数料が上限33万に!」で解説していますので、ご参照ください。
登記や手続き費用
不動産登記とは、土地や建物の権利関係を明確にするために必要な手続きで、誰のものなのかをはっきりさせるために行われています。 マンション売却が成立した場合、新たな買主を所有者として登録するための費用が数十万円かかります。
また、登記手続きの代行を依頼する場合、司法書士や土地家屋調査士に対する手数料も発生します。これらの費用は、取引する物件や契約条件によっても変動するため、事前に見積もりを取得することをお勧めします。
印紙税
印紙税とは、契約書に貼り付ける収入印紙の取得にかかる費用(税金)のことです。
不動産の売買契約書は「課税文書」になるため、印紙代が発生します。
印紙代は取引価格に応じて異なり、例えば1,000万円超5,000万円以下の取引は、2024年3月31日までの軽減税率を適用した場合、10,000円です。 売買契約書は、売主用と買主用の2通作成が必要となるため、通常2枚分の印紙代がかかります。
譲渡所得税
譲渡所得税とは、「マンション売却時に得た利益」に対して課税される税金のことで、所得税や住民税、復興特別所得税を総称したものになります。
税率は一律ではなく、不動産の所有年数によっても大きく変化します。
マンション売却の費用や税金については、下記記事にて詳しく解説していますので、参考にしてください。
マンション売却前の注意点
マンション「売却前」は、注意点が最も多いと言われています。しかし、注意点が多いからといって、内容が難しいわけではないので、順番に見ていきましょう。
近隣相場を参考に、売り出し価格を設定する
大切な資産であるマンションの「売れ残り」を防ぐために、近隣のマンション売却相場を事前に調査して、適切な売り出し価格を把握することが大切です。
相場を知っておけば、不動産会社の査定の妥当性を判断するのに役立つだけでなく、実際にマンションを売りに出した際の、買主との値引き交渉なども進めやすくなるでしょう。
なお、今ご覧いただいているサイト「クラモア」の“住まいトレンド”でも、マンションの売却相場をリサーチすることができます。
地域や駅、マンション名から検索することができ、実際の事例をもとに、知りたいマンションのおおよその売却価格を把握できるだけでなく、売出中の物件情報や、マンション評価・口コミなども確認することができます。 無料で利用できますので、ぜひ下記ボタンからアクセスしてみてください。
売買価格相場・賃料相場情報をお届け
マンション売却に適したタイミングを狙う
マンションの価格は変動していくため、売却できる可能性を高くするには、タイミングを見計らうことが重要です。 マンション売却をする際は、下記のタイミングを参考にしてみてください。
- 近隣相場が上昇しているとき
- 築20年以内
- 購入の需要が増える引っ越しシーズン
- 修繕積立金が値上がりする前
- 大規模修繕を終えた後
- ライフイベントが変化したとき
- 手残り(家の売買で最終的に手元に
残った金額)が十分に増えたとき
マンション売却に適したタイミングについては、以下の記事で解説しています。
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自分にあった媒介契約を選ぶ
不動産会社が売却活動をするために締結する契約のことを「媒介契約」といいます。
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、その中からご自身の売却活動と合う契約方法を選びます。
媒介契約の特徴はそれぞれ異なるので、メリットとデメリットを理解したうえで自分に合った契約方法を見つけることが大切です。仲介手数料の上限や違約金などのルールもあるので、契約する前に事前に把握しておきましょう。
詳しくは、下記の記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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担当者との相性を見て不動産会社を選ぶ
不動産会社を選ぶときは、査定額だけではなく、不動産会社の担当者との相性にも注目してください。 下記ポイントをチェックするのがおすすめです。
- 価格の根拠が明確であり、提案力があるかどうか
- 知識が豊富で、質問に対し正しい答えがスムーズに返ってくるか
- 売却物件のある地域に精通しており、
買主に対して上手に訴求できるか - 話に矛盾がなく、違和感を覚えたり
怪訝に感じたりする点がないか - 話をよく聞いてくれて、親身になり一緒に解決策を考えてくれるか
- 自分が買主の立場だったら、この担当者(この不動産会社)から物件を買いたいと思えるか
話しやすく、信頼できる担当者に出会えれば、スムーズに売却活動を進行できます。
可能な限り媒介契約前に、担当者の対応をチェックしましょう。
みんなが不動産会社選びで重視してることは?
クラモアが独自に調査した、不動産売却を検討している方へのアンケート結果によると、不動産を売却する際に依頼する会社選びで重視することとして多かったのは、「高く売却できる」(31.6%)、「担当者の対応が丁寧」(20.7%)、「売却エリアに詳しい(地域密着型)」(15.8%)でした。
最も多い回答が「高く売却できる」という結果であることから、不動産会社への売却に対する期待値(高く売れることに対する期待値)が高いことが分かります。
大切な不動産を高く売却するには、売却のノウハウを持ち、その地域に詳しい「信頼できる担当者」がいる不動産会社を選ぶことが大切です。 専門知識を持つ不動産会社は、市場分析や適正な価格設定だけでなく、複雑な売却手続きもしっかりサポートしてくれます。 また、物件の立地や特性、市場動向などを熟知しているため、マンションを高く売るための戦略を一緒に立てることが可能です。
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売り逃さないよう、交渉に応じるラインを先に決めておく
購入希望者が現れたら、滞りなく契約できることが理想ですが、実際は売買価格の交渉を持ちかけられることがほとんどです。
物件価格の値下げ交渉をされた際に、不本意な金額まで値引きすることのないよう、交渉に応じる最低ラインをあらかじめ決めておきましょう。
例えば、値下げ交渉があった場合「2,800万円以下では絶対に売らない」ということを事前に決めておき、不動産会社の担当者と共有しておくことをおすすめします。
マンション売却活動中の注意点
不動産会社を選んだら、いよいよマンションの売却活動に入ります。
売却活動中に失敗しないための注意点を確認していきましょう。
不動産会社の担当者と良好な関係を築く
マンション売却では、魅力ある物件であることはもちろんですが、不動産会社が買い手を見つける“営業力”によって、成功の確率が変わると言っても過言でありません。
信頼できる担当者とこまめに連絡をとり、お互いに十分なコミュニケーションを重ねて、よい関係性を築くことがマンション売却にとって重要といえます。
特に、売主へ進捗状況の報告義務がない「一般媒介契約」の場合は、自分からこまめに不動産会社へ連絡をとらなければ、案件を後回しにされてしまう可能性もあります。
忙しくて、自分から連絡が取りにくい状況にある方は、決まった頻度で状況を報告してもらえる「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」を選ぶことをおすすめします。
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マンション売却の内覧で好印象をつくる
マンションの売却活動で、重要なカギを握るのが「内覧」です。
購入希望者から、いかに好印象をもってもらえるかで、早期売却につながります。
内覧で注意したいポイントは、下記の通りです。
- 玄関をすてきに演出する
- 換気と消臭で嫌なニオイをなくす
- 照明をすべて点灯しカーテンを開けて
明るくする - できるだけ物を減らす
- しっかり掃除する
- 快適な室温と湿度を保つ
- 不具合や故障を修理する
- 資料を準備しておく
- 共有スペースを点検する
- 清潔感のある服装で丁寧に対応する
購入者に良い印象を与え、物件の魅力を最大限に引き立てることで、希望どおりのマンション売却に近づけることができます。
上記ポイントを参考に、準備万端にして、内覧者の方をお迎えしましょう。
口約束はせず、約束は必ず書面にしておく
マンション売却時の口約束は、トラブルのもととなります。内覧などで、購入検討中の方々と話をする際は、「口約束または、口約束と勘違いされる可能性のある言動は決してしない」と決めて接するようにしてください。
トラブルを未然に防ぐためにも、約束事は必ず書面にしておくことが大切です。
与信に注意して手付金は使わない
購入希望者が現れても、相手から支払われた手付金には手を出さないようにしましょう。
万が一、買主側の与信に問題があった場合、住宅ローンの審査が通らず、マンション売却が破談になってしまうケースもあるためです。
予期せぬトラブルがないことを確認できるまでは、最後まで慎重に行動するようにしましょう。
マンション売却後の注意点
買主と売買契約を結んだからといって、即日物件引き渡しになるわけではありません。 売買契約を結んでから行う準備や手続きがあります。
ここからは、マンション売却後に注意しておくべきことを紹介します。
速やかに引っ越し準備をする
売買契約後は、速やかに引っ越しできるように準備をしましょう。
引き渡しの期限に間に合わなければ、買主とのトラブルの原因にもなります。
期限に間に合うようスムーズに引っ越しをするためには、事前の準備を計画的に進めることが大切です。 繁忙期に引越しする場合には、引っ越し会社が見つからない場合や、予約が取れないケースもありますので、早目に押さえておきましょう。
確定申告を忘れずに行う
マンションを売却したら、確定申告を忘れずに行いましょう。
具体的には、1月1日から12月31日までに得た所得を翌年の2月16日から3月15日までに所定の申告書に記入して、税務署に提出するという流れになります。 売却益が生じた場合は、必ず確定申告を行う必要があるため、申告漏れがないように注意が必要です。
また、売却損が生じた場合、要件を満たせば適用できる特別控除や税制優遇があります。
適用を受けるためには確定申告が必要となるため、申告を忘れないようにしましょう。
マンション売却の失敗例や注意点
ここからはマンション売却時のよくある失敗例や注意したいポイントについて解説します。
高額なやりとりになるので、失敗しないためにも次のことをチェックしておきましょう。
相場価格を把握していなかった
相場や競合物件よりも高い価格に設定してしまったことで、売れ残ってしまうことがあります。 買い手を早く見つけるためにも、適正価格で売り出さなくてはなりません。
そのために、マンションの相場価格を把握しておくことが大切です。 査定額を出してもらう前に、自分の物件がどのくらいの価格で販売されているのかを見ておくと、不動産会社の見極めにも役に立ちます。
売却のタイミングを間違えてしまった
見出し「マンション売却に適したタイミングを狙う」にて先述した通り、物件が売れやすいタイミングというものが存在します。買い手が付きそうなタイミングをしっかりと見計らって、適切なタイミングで売りに出しましょう。
不動産の価値は景気によって大きく左右されるので、経済の動向や景気の変動を知ることも大切です。
内覧の前に掃除ができていなかった
購入を検討している人がマンションの内覧で訪れたとき、部屋が汚かったり、傷が目立っていたりすると購入をためらってしまう可能性があります。
そうならないためにも、ホコリや汚れが溜まっていないか、汚いと思われる箇所はないか念入りに確認して、きれいに掃除しておきましょう。
売却によって得た利益でローンが返済できなかった
売却前にローンの残高をきちんと把握しておらず、売却によって得たお金でローンが払いきれないという失敗例もあります。
住宅ローンが残った状態ではマンションを売ることができないため、差額を実費で支払わなくてはなりません。手持ち資金があれば問題ありませんが、そうでない場合は、住宅ローンを組んだ金融機関に一度相談してみましょう。
まとめ
本記事では、マンション売却の流れや費用、マンション売却を成功させるために押さえておきたいポイントや注意点を解説しました。
マンションの売却は、人生で何度も経験することではありません。だからこそ、失敗しないためにも、きちんと知識を身につけておきたいところです。 本記事を参考に、売るタイミングや相場価格、注意点などを把握して、マンション売却を成功させましょう!
また、マンション売却にあたっては、二人三脚で売却を進めていく信頼できるパートナー選びが大切です。悩みや疑問を相談できる不動産会社をお探しの方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。
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