- 家賃8万円の賃貸物件に必要な収入は手取り額24万円ほど
- 家賃8万円で住むことができる東京都内23区の部屋はワンルームや1Kの間取りが多い
- 家賃8万円の賃貸物件に入居する際の初期費用は40万円前後
家賃8万円で必要な手取り額・年収
一般的に、余裕を持って生活をするために必要な家賃の目安は、手取り額の3分の1と言われています。「手取り3分の1ルール」を適用すると、家賃8万円の物件に住むには24万円ほどの収入が必要です。支給される給与からは住民税や社会保険料、厚生年金保険料などが差し引かれるため、実際に受け取れる手取り額は額面の80%ほどになります。
手取り24万円を得るための額面月収・年収は以下計算式で求められます。
- 【計算式:手取り額÷0.8=額面】
- 月収:24万円÷0.8=30万円
- 年収:360万円÷0.8=450万円
つまり、家賃8万円の物件に住む目安の手取り額は24万円となり、その場合の月収は約30万円、年収は約450万円です。なお、審査基準に関しては保証会社によって異なるため、あらかじめ不動産会社に相談してみましょう。
家賃8万円の生活シミュレーション
前述した、家賃8万円の賃貸物件に住む場合の手取り額24万円という金額はあくまで目安です。お金に余裕のある生活を望む場合は、さらに収入が必要になります。物件の審査に通れば、手取り24万円以下でも家賃8万円の賃貸物件へ住むことは可能です。
家賃以外の支出は食費、水道光熱費、通信費、交通費、娯楽や交際費。そのほか、日用品の購入費や医療費が挙げられます。車が必要な地域や職業であれば、さらに駐車場代や自動車保険料、ローンの支払いも必要です。また、家具家電の故障や冠婚葬祭などの急な支出への備えや、将来のための貯金も大切です。
以下の表で、毎月の主な支出費用を確認してみてください。
支出項目 | 単身世帯の平均 |
---|---|
食費 | 38,000円 |
住居(水道光熱費) | 22,000円 |
交通・通信費 | 19,000円 |
教養・娯楽費 | 17,000円 |
その他 | 29,000円 |
合計 | 125,000円 |
出典:総務省統計局 「家計調査の見方・使い方(一人暮らしの世帯の生活費はどうなっていますか?)」
※2021年時点
家賃8万円の場合、どのような生活が送れるか手取り額ごとに紹介します。
手取り額20万円
家賃以外の支出を上手く抑えれば、手取り額が24万円下でも家賃8万円の物件に住むことができます。例えば、手取り額20万円の場合、家賃分の8万円を差し引くと残るのは12万円です。この12万円のなかで生活費をまかなう必要があります。
先述したとおり、一人暮らしの1ヶ月の主な支出費用の合計額は12万5000円です。つまり、手元に残ったお金では足りません。そこでまずは、住居費や交通・通信費のような固定費以外の、食費や教育・娯楽費といった毎月金額が異なる変動費を節約して支出を減らすことになります。
総務省統計局が公表している家計調査をもとに、変動費においてもっとも安い金額を目標支出額として、以下で算出してみます。
支出項目 | 想定支出額 | 目標支出額 |
---|---|---|
家賃 | 80,000円 | 80,000円 |
食費 | 38,000円 | 33,000円 |
住居(水道光熱費) | 22,000円 | 22,000円 |
交通・通信費 | 19,000円 | 19,000円 |
教養・娯楽費 | 17,000円 | 8,000円 |
その他 | 29,000円 | 1,7000円 |
合計 | 225,000円 | 179,000円 |
出典:総務省統計局 「2021年 家計調査(家計収支編/単身世帯)」
この表の目標支出額のように諸々出費を抑えれば、手取り額20万円でも家賃8万円の賃貸物件に住むことができます。まずは変動費を節約することから意識してみましょう。手取り額から家賃と生活費を差し引き、余ったお金を貯金にまわせれば、万が一のときにも安心です。
なお、シミュレーション上は家賃8万円の物件に住むことが可能ですが、不動産会社によっては年収で審査されるため審査が通らない可能性がある点には注意してください。
手取り額24万円
手取り額が24万円ならば、毎月の平均支出額よりも少し余裕のある生活を送ることができそうです。
支出項目 | 想定支出額 | 手取り額との差分 |
---|---|---|
家賃 | 80,000円 | 35,000円 |
食費 | 38,000円 | |
住居(水道光熱費) | 22,000円 | |
交通・通信費 | 19,000円 | |
教養・娯楽費 | 17,000円 | |
その他 | 29,000円 | |
合計 | 205,000円 |
出典:総務省統計局 「2021年 家計調査(家計収支編/単身世帯)」
一般的な生活費の使い方をしていれば3万5000円が手元に残ると想定されるため、食費や教養・娯楽費を増やすこともできますし、将来に備えて貯蓄してもよいです。
手取り額26万円
手取り額が26万円の支出額のシミュレーションは以下のとおりです。
支出項目 | 想定支出額 | 手取り額との差分 |
---|---|---|
家賃 | 80,000円 | 55,000円 |
食費 | 38,000円 | |
住居(水道光熱費) | 22,000円 | |
交通・通信費 | 19,000円 | |
教養・娯楽費 | 17,000円 | |
その他 | 29,000円 | |
合計 | 205,000円 |
出典:総務省統計局 「2021年 家計調査(家計収支編/単身世帯)」
手取り額が26万円あれば5万5,000円が余ると想定されるので、教養・娯楽費に3万円使ってもなお、約2万円を貯蓄することができます。
家賃8万円で住める部屋のイメージ
「家賃8万円」で住める、東京都内・都外の部屋を見ていきましょう。
東京都23区内
東京都23区内において、家賃8万円で住める賃貸物件の間取りは1R・1Kが多くあります。ほとんどがアパートやマンションで、駅から徒歩2分から10分ほどの距離と利便性に優れている点が特徴です。
広い部屋や部屋数の多い間取りを選びたいのなら、築年数が30年前後の賃貸物件がおすすめです。1LDK・2DKの間取りや、30~40㎡後半の面積を持つ部屋も多くあり、二人でも十分に暮らせる広さがあります。
23区内は「少し狭くてもアクセスに便利なエリアがよい」という方におすすめです。
出典:ピタットハウス 「東京都の家賃相場から探す」
※2022年10月24日現在
東京都以外
東京都以外と言っても、エリアによって部屋の間取りや広さは異なるため、2つのエリアをピックアップして紹介します。
神奈川県横浜市における家賃8万円の部屋は、ワンルーム・1K・1Dの間取りが多いです。横浜市内でも保土ヶ谷区や旭区であれば、2K・2DKの物件もあります。また、相模原市周辺も家賃8万円で2DKの物件に住むことができます。
出典:ピタットハウス 「神奈川県の家賃相場から探す」
※2022年10月24日現在
埼玉県さいたま市における家賃8万円の部屋は、北区であれば1LDK・2LDKの物件が多いです。アパートやマンションが多いものの、なかには建て替え時の短期契約専用で一戸建ての物件も出ています。
出典:ピタットハウス 「埼玉県の家賃相場から探す」
※2022年10月24日現在
東京都以外の賃貸物件は「部屋数や面積の広さを重視する」という人におすすめです。
家賃8万円でかかる初期費用
賃貸物件を決めるときは、家賃ばかり気になってしまうものです。しかし、実際に引っ越す際は入居時の初期費用、引っ越し費用なども考慮しなくてはなりません。一般的に、賃貸契約する際に発生する初期費用は家賃の約5倍と言われています。家賃8万円の賃貸物件の場合は、40万円前後かかるため、事前に用意しておきましょう。
項目 | 費用目安 |
---|---|
敷金 | 80,000円 |
礼金 | 80,000円 |
前家賃 | 80,000円 |
仲介手数料 | 80,000円(+消費税) |
火災保険料 | 15,000円 |
保証会社利用料 | 20,000円 |
鍵交換代 | 10,000円 |
クリーニング代 | 30,000円 |
出典:クラモア 「一人暮らしの「お金の不安」を解消!初期費用と生活費を上手に抑える方法とは」
※新築で人気のある物件の場合、礼金が2ヶ月かかる可能性があります。また、ペット飼育する場合は、敷金が2~3ヶ月で設定されていることもあります。
敷金
敷金とは、大家さんや管理会社に預けるお金です。敷金は、家賃が支払われなかった際の補填に使われたり、不注意や故意による傷や汚れを退去時に修繕したりする費用にあてられます。一般的に家賃1ヶ月分が目安のため、家賃8万円の場合は、同等の金額を支払わなくてはなりません。
礼金
礼金とは、部屋を貸してくれた大家さんや管理会社に対して、お礼の意味を込めて渡すお金です。礼金は敷金と同様に家賃1ヶ月分が目安とされており、家賃8万円の場合は同等の金額を支払います。敷金と異なり、礼金は退去時に返金されません。最近は礼金不要としている賃貸物件があるため、初期費用を抑えたい人は不動産会社に相談してみましょう。
前家賃
「前家賃って通常の家賃と違うの?」と思う方もいるかもしれません。前家賃とは、賃貸借契約を結ぶ際に支払う「翌月分の家賃」を指します。たとえば、3月15日に入居する場合、日割りした3月分の家賃と、4月分の前家賃を契約時に支払う必要があります。
仲介手数料
仲介手数料とは、賃貸物件を紹介した不動産会社へ支払う手数料です。物件の案内から契約締結まで、貸主と借主の仲介をするサポート業務に対する報酬と言ってもよいでしょう。仲介手数料の上限費用は「家賃1ヶ月分+消費税」です。よって、家賃8万円の賃貸物件の場合は最大で8万円+消費税がかかります。
火災保険料
賃貸物件における火災保険料とは、火災や自然災害によって出た損害を補填するための損害保険であり、被害にあった際に家財を補償してくれます。また、自分の部屋が漏水などで損害を与えてしまった際に原状回復に必要な費用も、火災保険で補償されます。火災保険料は、一人暮らし用で2万円ほどと言われていますが、建物構造や部屋の広さ、補償プランによって変わるため、賃貸契約を結ぶ際に確認しましょう。
保証会社利用料
保証会社利用料とは、家賃を支払えなくなった際に立て替えてくれる会社へ支払う費用です。保証会社利用料は会社によって異なりますが、初回保証料は家賃の半月から1ヶ月分と言われているため、家賃8万円の場合は4万円から8万円ほどです。また、初回保証料に加えて、定期的に更新保証料もかかる点を覚えておきましょう。さらに、保証会社が審査をしたうえで、連帯保証が必要と判断された場合には連帯保証人を立てる必要があります。
鍵交換代
鍵交換代とは、前の住民が使用していた玄関の鍵から、新しい鍵に変更する際に発生する費用です。費用は鍵の種類によって異なり、表面がギザギザした「ディスクシリンダー錠」の費用は安価です。表面に丸い凸凹のある「ディンプルキー」や「カードキー」は高い防犯性能がありますが、交換費用は高くなります。
クリーニング代
賃貸物件におけるクリーニング代は、次の人が入居するために退去時に支払う清掃費用です。不動産会社によっては清掃費用・原状回復費用と表記している場合があります。クリーニング代の支払いタイミングは、入居前に支払ったり、退去時に支払ったりと賃貸物件によって異なるため、賃貸契約を結ぶ前に確認しておきましょう。なかには敷金のなかからクリーニング代を差し引かれる場合もあります。
費用は、部屋の広さによって異なります。入居時からある汚れや傷を撮影しておきましょう。自分がつけたものではないと証明できれば、費用を抑えられる場合があります。
まとめ
家賃8万円の賃貸物件について解説してきました。一般的に手取り額の3分の1が家賃の目安と言われていますが、家賃以外の費用を抑えれば手取り額が低くても生活することができます。また、入居時には家賃だけでなく、初期費用も必要になってくるので、事前に用意しておきましょう。
※記事内における料金や時間などはあくまでも目安です(2022年10月現在)。
ピタットハウスのお問い合わせページに移動します
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