- 事前にリフォーム費用や管理状況を確かめておく
- 購入費用を抑えたい人・立地条件や内装にこだわりたい人は、中古マンションがおすすめ
- 信頼できる仲介会社を選び、綿密な資金計画を立てることが大切
「中古マンションは買うな」と言われる理由
マンション購入に関して「中古マンションは買うな」「中古マンションを買うと後悔する」という声があります。このように言われる主な理由は、以下の通りです。
- リフォーム等で想定以上に費用がかかる
- 入居後に修繕積立金が上がる場合がある
- 耐震性に不安がある
リーズナブルな価格に惹かれて中古マンションを購入したものの、リフォームなどでコストがかかり、最終的には新築を購入するのと同等かそれ以上の費用になってしまう場合があります。
また、修繕積立金に関しても注意したいポイントです。中古マンションの場合、入居後に修繕積立金が増額することがあり、不満を感じる場合も少なくありません。
他には、築年数を経たことによる耐震性への不安も挙げられます。こうした懸念点を把握しておかないと、購入後に「買わなければよかった」と思う可能性が高まるでしょう。後悔を防ぐためにも、注意すべきポイントを確認する必要があります。
リフォーム等で想定以上に費用がかかる
購入費用を抑えるために中古マンションを選んだ人は、想定以上のリフォーム費用がかかったことで後悔する場合があります。中古物件は築年数を重ねるほどに設備の老朽化が進むため、住みやすくするためにはリフォームが欠かせません。しかし、リフォームすべき箇所が多かったり、こだわりが強かったりすると費用が高額になります。そのため、購入前にリフォーム費用の目安も把握しておくと安心です。
また、マンションのルールによってはリノベーション方法が限られている場合があります。例えば「フローリング禁止」「防音床材の使用を厳守」など、リノベーションのルールはさまざまです。事前にルールを確認し、希望通りのリノベーションができる物件かチェックしてください。
入居後に修繕積立金が上がる場合がある
修繕積立金とは、マンションの建物診断や修繕工事のために各入居者から集められるお金のことを指します。日本のマンションの修繕積立金は、新築時は安く、築年数が経過するごとに高くなる段階増額積立方式を採用しているケースが多いです。そのため、築年数を重ねた中古物件は入居後に修繕積立金が増額することがあり、疑問に思う方もいるでしょう。
また、長期的な修繕計画を立てず、十分な修繕積立金を集められていない場合、設備が老朽化しても必要な修繕を行えない可能性があります。後悔を防ぐには、積立金の管理状況や修繕計画についても確認してください。
耐震性に不安がある
マンションの耐震性は、建築時期によって基準が異なります。新旧の基準は、以下の通りです。
建築時期 | 耐震基準 | |
---|---|---|
旧耐震基準 | 1981年5月31日以前 | 震度5程度の地震でも建物が倒壊・崩壊しない |
新耐震基準 | 1981年6月1日以降 | 震度6強〜7程度の地震でも建物が倒壊・崩壊しない |
※1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認申請を通過したマンションは、基本的には旧耐震基準のマンションとなります。
旧耐震基準では震度5強以上の地震を想定していませんでしたが、1978年に発生した宮城県沖地震で最大震度6弱が観測され、甚大な被害が及んだため、震度6〜7強を想定した新耐震基準へと変更されました。
また、1995年に発生した阪神淡路大震災にて旧耐震基準で設計された建物に被害が集中したことを受け、同年には旧耐震基準の建物の耐震改修促進を目的とした耐震改修促進法も施行されました。
そのため、旧耐震基準で設計されていても、マンションによっては耐震補強工事をしていたり、耐震診断により問題ないと判断されていたりしている場合もあります。耐震性への不安を抱えないようにするためには、購入前に耐震補強工事の有無や耐震診断結果を確認し、地震への備えが十分に行われている物件を選びましょう。
実は「中古マンションがおすすめ」と言える理由
中古マンションには、前述のような懸念点だけでなくメリットもあるため「中古マンションを買うな」という言葉は過剰だと考えられます。
中古マンションをおすすめする主なポイントは、以下の通りです。
- 希望のエリアで見つけやすい
- 他の住人や環境を確認できる
- 資産価値が下がりにくい
ここからは、中古マンションの利点について詳しく紹介します。
希望のエリアで見つけやすい
マンション選びでは、希望のエリアや立地にあることが重要なポイントです。中古マンションは街を開発する過程で利便性の高い立地に建てられたものが多く、物件の選択肢も豊富に揃っています。
一方で、人気の駅や商業施設の近くにはすでにビルやマンションが建っていますので、マンションを新たに建築する余裕はほとんどありません。そのため、新築マンションは立地や物件数が限られ、希望エリアで物件を見つけられないこともあるでしょう。立地にこだわりのある人は、中古の方が希望のエリアの物件を見つけられる可能性が高いと考えられます。
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他の住人や環境を確認できる
購入前に周辺環境や他の住人の様子を確認できるのも、中古マンションの利点です。例えば、スーパーマーケットは徒歩圏内にあるか、子供が遊べる公園があるかなど、周辺環境は物件を決めるための大切な要素になります。また、トラブルを起こす住人がいないことも重視したいポイントです。
新築マンションの場合、周辺が開発中だと今後どのような環境になっていくのか把握するのは難しいでしょう。また、入居前だと他の住人の様子も確認できません。そのため、中古マンションは内見で環境や住人の雰囲気もチェックし、納得したうえで購入を検討したい方におすすめです。
資産価値が下がりにくい
一般的に、マンションは築年数を重ねるごとに資産価値が下がるとされています。エリアなど条件によっては値上がりするケースもありますが、中古マンションはある程度価格が落ち着いているため、下落幅が小さく、売却する際の損失を抑えられます。
また、商業施設や駅から近く、人気の立地にある中古マンションなら、さらに資産価値が下がりにくいでしょう。将来的な売却を検討している方にとっても、中古マンションは有力な選択肢の1つになると言えます。なお、購入に最適な中古マンションの築年数の目安は後述していますので、参考にしてみてください。
中古マンションの購入に向いている人の特徴
中古マンションを特におすすめしたい人の特徴は、以下の通りです。
- 外せない立地条件がある
- 内装のリノベーションにこだわりたい
どうしても外せない立地条件がある場合は、選択肢が広い中古マンションの方が希望の場所で物件を見つけられる可能性があります。また、新築の決まった内装ではなく、自分好みの内装にリノベーションしたいときも中古マンションなら自由度の高いデザインを取り入れられるでしょう。
買い時の中古マンションは築何年か
中古マンションは、できるだけ購入価格を抑えたい方にとっては「築30年前後」が買い時です。下記データでは「築21~25年」と「築26~30年」の間で成約価格が大幅に下がっているのに対し、「築26~30年」と「築31年~」にかけての成約価格は比較的狭い下落幅になっています。そのため、将来物件を売却する予定でも損失を抑えやすいでしょう。
【2022年度 中古マンション成約状況】
築年数 | 成約価格 |
---|---|
築0~5年 | 6,638万円 |
築6~10年 | 6,193万円 |
築11~15年 | 5,543万円 |
築16~20年 | 5,250万円 |
築21~25年 | 4,290万円 |
築26~30年 | 2,832万円 |
築31年~ | 2,193万円 |
参照:公益財団法人東日本不動産流通機構 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」
もともとは、設備が古過ぎず、新築より低価格で購入できるという理由から築15〜20年の物件が人気を集めていました。しかし、近年はリノベーションという選択肢も主流になり、築30年前後の物件を安い価格で購入し、お気に入りの内装にしたいという需要が高まったと考えられます。
中古マンションを購入するときの注意点
中古マンションを後悔なく購入するためには、以下のポイントに気を付けてください。
- 信頼できる仲介会社を選ぶ
- 綿密な資金計画を立てる
- 管理規約を細かくチェックする
- 長期修繕計画・修繕履歴を確認する
下記でそれぞれ解説します。
信頼できる仲介会社を選ぶ
仲介会社とは、売主と買主の間に入り、双方の条件を調整しながら売買取引を進めるサポート役のことです。仲介会社を通すことで幅広い物件を見られるのに加え、マンションの修繕計画や管理規約など細かな部分も確認しやすくなります。信頼できるプロが仲介すれば、初めてマンションを購入する人でも失敗を防げるため、仲介会社選びは大切なポイントになるでしょう。
信頼性の高い仲介会社を選ぶには「きちんとヒアリングを行ってくれるか」「レスポンスは早いか」といった点に注目してください。顧客の声を聞き、丁寧に対応する会社なら物件選びで強い味方になってくれます。
また、物件のメリットだけでなくデメリットも説明してくれる会社であることも重要です。購入後に後悔しないためにも、把握している情報は全て明かしてくれる会社を選んでください。
綿密な資金計画を立てる
資金計画とは、物件購入に必要な資金をどこから調達し、どのように返済していくのかということをまとめたものです。好みの物件が見つかったとしても、資金計画が曖昧なままだと購入に必要な資金を調達できなかったり、返済に苦労したりといったリスクがあります。
資金計画を立てる際には、中古マンション購入に必要な費用を洗い出すのがポイントです。物件の購入では、物件本体の費用だけでなく登記や印紙、仲介手数料など諸経費としてさまざまな費用も発生します。
費用を明確にしたうえで、支払いに充てられる自己資金と住宅ローンの借入額を検討しましょう。住宅ローンの借り入れの際には、無理なく返済できるか、という点にも注意して決めることが大切です。
管理規約を細かくチェックする
管理規約とは、国土交通省の「マンション標準管理規約」をもとに作られたマンションのルールのことを指します。共用部分の範囲や使い方、管理組合の運営など、住人が快適にマンションに住むための決まりごとがまとめられているのが特徴です。
管理規約を確認すれば、どのようなルールでマンションが管理されているのか明確になります。例えば、マンションによっては管理規約にリフォーム項目の制限が課されていることも珍しくありません。規約を知らずに物件を購入し、リフォームをする段階で管理組合から「このリフォームはNG」と言い渡されては大変です。トラブルを避けるためにも、以下の項目は確認しておきましょう。
- 専有・共有部分に係る規定
- 修繕費積立金・管理費に係る規定
- 管理組合に係る規定
- 禁止事項
長期修繕計画・修繕履歴を確認する
長期修繕計画とはマンションの修繕に関する25〜30年スパンの長期的な計画のこと、修繕履歴とは過去に行われた修繕記録のことです。
一般的なマンションは、12年に1度の間隔で大規模修繕が必要となります。長期計画が甘いと建物の劣化が進み、通常より修繕費がかかる可能性があるでしょう。長期修繕計画は管理組合が主体となって作成されるため、組合の意識が低いと適切な修繕が行われず、資産価値が下がる恐れもあります。
長期修繕計画や修繕履歴は、仲介会社の担当に頼めば調べてもらえる場合がほとんどです。組合によって計画が管理され、予定通りに修繕が行われているかチェックしてください。
また、修繕積立金の金額と残高も確認しておくと安心です。直近で大規模修繕の予定があるのに、積立金の残高が予算を大幅に下回っている場合、あとで多額の一時金が必要になる可能性が高まります。きちんとした修繕管理体制ができているか、細かな部分までチェックしておくとよいでしょう。
まとめ
リフォームで想定より多額の費用が必要になったり、入居後に修繕積立金の額が上がったりなどの理由で「中古マンションは買わない方がよい」という声もありますが、ポイントを押さえていれば、中古マンションでも後悔することはありません。
必要なリフォーム費用の目安を把握し、マンションの管理規約や長期修繕計画、修繕履歴を確認しておけば不測の事態は防げます。信頼できる仲介会社を見つけ、後悔しないマンション選びをしていきましょう。
中古マンション購入をご検討中の方は、下記よりお気軽にご相談ください。
※記事内における料金等は、あくまでも目安です。(2023年6月現在)
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