- 賃貸を退去するときの流れや手続きの内容を把握しておこう
- 原状回復するための掃除や修復方法について知っておこう
- 敷金や家賃の精算で納得がいかない内容があれば主張できる
住んでいた賃貸物件から退去することになった場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。また、退去時には原状回復の義務があります。余計な費用が請求されないように、原状回復の対応はしっかり行っておくことが重要です。今回は、原状回復にはどのような対応が求められるのか、詳しくご紹介します。
賃貸を退去するときはどんな流れで行う?
今住んでいる賃貸物件から退去する際、どのような流れで手続きを行えばいいか事前に把握しておけば、スムーズ に対応できるので安心です。解約の申し込みから最終的に鍵を返却するまでの流れを見ていきましょう。
管理会社かオーナーに解約することを伝える
まず賃貸を退去するときは、事前に管理会社やオーナーに解約する旨を報告する必要があります。いつまでに解約の宣言をする必要があるかは、契約した賃貸物件で異なるため、賃貸借契約書の内容を確認しましょう。
1~2ヶ月前に契約解除の申し込みをするのが一般的です。契約時にはいつまでに解約の申し込みを行わないといけないのかを事前に確認し、報告が遅れないように気をつけましょう。
退去届を提出して各種手続きを行っていく
退去することを伝えた後は、退去届を提出する必要があります。退去届については、管理会社やオーナーから渡されることが多いので、受け取ってから必要事項を記入していきましょう。
その後は、電気やガスなどの利用停止の連絡を行います。連絡が遅れてしまったり忘れたりすると、引越し先でも引き落とされて二重払いになってしまう恐れがあるので注意しましょう。ほかにも、家賃を振り込む際の口座振替などを変更する手続きも必要になってきます。
他の市区町村に引っ越すなら市役所で転出届を渡す
次に引越す先が今住んでいる市区町村と異なる場合には、市役所で転出届を提出する必要があります。転出届を出すと「転出証明書」がもらえます。引越し後の転入届を提出する際に必要になるので、大切に残しておきましょう。
退去するときには立ち合いが必要になるので予約しておく
賃貸を退去するときは、立ち合いが必要になるため、余裕を持って予約しておきましょう。退去の立ち合いはすべての家財がない状態で確認を行うので、荷物の搬出が完了できるタイミングで予約を入れることが大切です。
立ち合いのときには傷や汚れなどを確認し、状況に応じて敷金精算の見積もりを送ってもらえます。このとき、入居する際にすでに傷などが発生したことを証明する写真などがあれば、余計な原状回復費用が請求される心配はないでしょう。
退去の立ち合いのときに、鍵の返却や敷金受取口座が確認できるものなどを渡す必要があります。すべての確認が完了した後は書面にサインする必要があるため、しっかりと内容に目を通してからサインするようにしましょう。
退去するときに傷などが見られたときには原状回復費用が発生する
入居するときにはなかった傷や汚れなどがあれば、原状回復費用が発生して後から請求されることがあります。入居する前の部屋の状態に戻さなくてはならない原状回復は、借主の義務であるため、部屋はキレイな状態を保つことが大切です。ただし、経年による畳の日焼けなどは、原状回復費用には該当しません。
退去するときには原状回復して傷や汚れを残さない
賃貸を退去するときのポイントとして、基本的には傷や汚れを残さないように原状回復しておくことが大切です。キレイな状態であれば、後から原状回復費用を請求される心配は少ないでしょう。退去する前にやっておきたい、原状回復のポイントについて解説していきます。
カビは専用の洗剤を使ってキレイに落とす
風呂場やキッチンなどに残っていることが多いカビは、見た目にも悪いので、原状回復しておく必要があります。市販のカビ専用の洗剤を使用するとキレイに除去できるので、細かい部分までしっかり落としておきましょう。トイレはスプレータイプの洗剤を使用して、縁の部分までカビが残らないようにキレイに洗浄しましょう。
壁に付いてしまった細かい傷の修復方法
家具が当たってしまったなどの理由で壁や柱に傷が残った場合は、修復剤などを使用して傷を消す方法があります。傷の部分は目立たないように、先端が細い部分に修復剤を付けて、キレイに修復していきましょう。ただし、大きな傷が残ってしまった場合は、修復剤では対応しきれないこともあります。その場合は、退去の際に正直に申告しましょう。
フローリングの色あせや傷の修復方法
賃貸がフローリングの場合、色あせてしまったり傷が残ったりすることもあるでしょう。色あせているところにはワックスを活用すると、キレイな状態に戻せることがあります。ツヤの出方などが変わってくるので、フローリングの色に合わせて適切なワックス剤を選択しましょう。引っかき傷のような細かい傷を修復するのは難しい場合もありますが、少しの傷であれば床修復用のクレヨンなどを使用するのも手です。
窓ガラスの汚れは意外と目立つためクレンザーを使う
原状回復で忘れがちなのが、窓ガラスの汚れです。水垢や粉塵などが付いていることが多いので、しっかりとクレンザーなどで汚れを落としてあげましょう。内側からは新聞紙を水で濡らして拭くと、キレイに汚れを落とせます。
子どもの落書きは油分を落とすことで除去する
退去するときに子どもの落書きに気付いた際には、しっかりと油分を落とすことが重要です。クレヨンでの落書きの場合は、布を当てて低温のアイロンで温めると油分が溶け出してきます。このときアイロンの温度が熱すぎないように注意。油性マジックなどで書かれた落書きは、除光液を使用すればキレイに落とせます。ただし、油分を落とす力が強いと、ほかの部分が色落ちしてしまう恐れがあるので注意しましょう。
ガスコンロの油は重曹で除去
頑固なガスコンロの汚れは、料理で使った油などが蓄積しているので、落とすのが難しいでしょう。そんなときは、まず換気扇を取り外して、重曹が入ったお湯につけておきます。その後、換気扇を取り出し、そのままブラシなどで汚れをこすっていきましょう。ある程度汚れを浮かした後にキッチンペーパーで拭き取ると、キレイに油が落とせることもあるので、ぜひ試してみてください。
冷蔵庫の下に発生したサビは漂白剤を
置きっぱなしにしていた冷蔵庫の下には、サビができてしまうことがあります。サビが気になる箇所には、酸素系の漂白剤などを使用して落としてみましょう。ほかの部分に漂白剤が付着すると色落ちしてしまうこともあるので、十分注意して使いましょう。
退去の立ち合いは何のため?
立ち合いは、退去するときに発生する原状回復のための費用をオーナー側か借主側のどちらが負担するかを決める目的もあります。立ち合いは退去当日に行う必要があるため、事前に家財などは撤去しておきましょう。ここでは、立ち合いに関する流れを解説します。
賃貸借契約書に書かれている内容に沿って退去の意思を伝える
入居する際に交わした賃貸借契約書に、「いつまでに退去の意思を示す必要があるのか」が記載されているので、まずはその内容を確認しましょう。一般的には退去する1~2ヶ月前としているところが多いです。
退去を知らせる方法についても、契約書に書かれている通りに行う必要があるので、事前に確認したうえで、退去の意思を管理会社かオーナーに伝えましょう。注意点としては、退去の意思を伝えるのが遅かった場合は、新しい引越し先の家賃と合わせて二重に支払う必要があります。引越し先が決まったらすぐに、二重払いにならないタイミングで退去の意思を伝える必要があります。
退去の立ち合いに行けない場合は日程変更か代理人を立てる
事前に退去の立ち合いの日を予約する必要がありますが、急な仕事や用事が入ってしまった場合など、立ち合いに参加できないこともあるでしょう。基本的には本人の立ち合いが必要になるため、予定が空けられないのであれば日程を変更してもらう必要があります。
ほかには代理人を立てることで、代わりに退去の立ち合いに参加してもらう方法もあります。ただし代理人が立ち合うときは、鍵を返却してもらい敷金精算まで対応することを事前に管理会社やオーナーに伝えておく必要があります。代理人の立ち合いには、委任状の提出が必要なケースもあるので前もって確認しておきましょう。
退去の立ち合いやその後に起こりやすいトラブルについて
退去の立ち合いでは、後のトラブルに発展しないよう気をつけるべきポイントがあります。基本的には畳の日焼けなどは経年劣化に含まれるため、費用負担はオーナー側に求められます。しかし、経年劣化と思われる補修についても、原状回復として費用請求されるケースがあります。
納得がいかない内容はオーナー側と交渉する
退去後に原状回復にかかる費用を見積もりで出してもらった際、そのときに納得できない内容が含まれていた場合は、オーナー側と交渉しましょう。原状回復として借主側が責任を負う内容については、国土交通省のガイドラインに掲載されているので参考にしてみてください。
オーナー側と交渉して決裂した場合には消費者センターに連絡
原状回復の見積もりに対して納得いかない内容があり、オーナー側と交渉したにもかかわらず、交渉決裂した場合や交渉自体を断られたときには、消費者センターに連絡する方法があります。専門的な視点でオーナー側の請求内容が正しいかどうかを判断してもらえるので、心強い味方となってくれるでしょう。
入居したときの賃貸借契約書などを持っていれば、契約内容を確認しながら効率よく交渉を進められます。消費者センターでの相談は無料なので、気軽に相談できるのもうれしいポイントでしょう。
交渉が決裂したまま話が平行線の場合は民事調停を申し込む
消費者センターに相談したものの、オーナー側との交渉が決裂したままの場合、民事調停を申し込む方法があります。簡易裁判所での申し込みに関しては、専用の用紙に調停内容を書くだけなので比較的簡単に申し込めます。専門職員などが仲介に入ってくれるので、納得いくまで話し合いを進めることができます。
敷金や家賃の精算に関する書類はしっかり目を通しておく
退去の立ち合いが完了した数日後には、敷金や家賃の精算についての書類が手元に届きます。敷金の内容について細かく書かれているので、しっかり目を通して請求内容を確認しましょう。
敷金精算に関して身に覚えのない請求などは主張を
精算に関する書類を確認したなかで、入居前から破損していた箇所や身に覚えのない請求が入っていれば主張する必要があります。家賃については退去した日から月末までの日数分の金額を日割りで精算するケースと、実日数で精算するケースがあります。精算に関する書類に双方が合意して初めて精算が行われるので、請求内容に納得いかない場合は交渉したほうがよいでしょう。
東京都では紛争防止条例について契約書に記載して説明する責任がある
賃貸物件に入居する際には賃貸借契約書にサインする必要がありますが、その際に東京都では「紛争防止条例」の記載が求められます。また、不動産を仲介する会社は、紛争防止条例の決まりとして原状回復などに関する規定について説明する責任があると義務付けられました。
紛争防止条例は、賃貸借に関するトラブルを回避するために定められたものです。不動産会社によっては、契約書に原状回復条件について詳しく記載しているので、よく確認してから契約を進めましょう。
賃貸を退去するときにはトラブルがないように原状回復を図る
今まで住んでいた賃貸物件から退去する際、必要な手続きや流れについて把握しておくと、いざというときにも安心です。とくに電気やガスなどの利用停止の手続きなどは早めに行い、二重支払いにならないように気を付けましょう。
また、退去のときに原状回復の請求対象とならないように、しっかり掃除をしてキレイな部屋にすることが大切です。もし敷金精算などで納得がいかない内容の見積もりが届いた際には、オーナー側と交渉してみましょう。
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