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【2024年最新】都道府県基準地価は全用途平均で3年連続上昇!利上げによる今後の地価への影響は?

更新日:2024.10.10

【2024年最新】都道府県基準地価は全用途平均で3年連続上昇!利上げによる今後の地価への影響は?

9月17日に2024年度の都道府県基準地価が発表されました。 2024年の基準地価の内容はどのようなもので、今後の地価の動向はどうなるのでしょうか。 本記事では、基準地価がそもそもどのようなものなのかといった内容から、利上げなど最新のマクロ要因を踏まえた今後の動向を考察していきます。

  • 都道府県基準地価は、発表時点で最新の地価動向を知ることができる
  • 2024年度の都道府県基準地価は、全国平均/全用途で3年連続の上昇
  • 2024年7月に行われた追加利上げによる不動産価格への影響については、今後の動向に要注意

もくじ

  1. 都道府県基準地価とは?

  2. 2024年度の基準地価は、全用途平均で3年連続上昇

    1. 全国平均/全用途平均は3年連続の上昇

    2. 三大都市圏/全用途平均は4年連続の上昇

    3. 地方圏/全用途平均は2年連続の上昇

    4. 全国の基準地価ランキング

  3. 日銀の利上げで今後の不動産価格はどうなる?

    1. 日銀が追加利上げを決定

    2. 利上げによる影響

    3. 今後の追加利上げの見通しと不動産価格への影響

  4. まとめ



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都道府県基準地価とは?

都道府県基準地価は、毎年9月中旬に、その年の7月1日時点の地価を調査して公表されるものです。
都道府県基準地価は、不動産取引の指標とすることを目的に毎年発表され、毎年3月に公表される「公示地価」とほとんど同じ性質を持ちます。

一方で、公示地価が毎年1月1日時点の地価を調査するのに対して、都道府県基準地価は毎年7月1日時点の地価を調査するため、最新の地価を知ることが可能です。

なお、公示地価や都道府県基準地価以外に、相続税路線価や固定資産税評価額なども地価の参考とすることができ、それぞれ以下のような特徴があります。

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都道府県
基準地価
公示
地価
相続税
路線価
固定資産税
評価額
公表時期 9月下旬 3月中旬 7月頃 4月初旬頃
調査時点 7月1日 1月1日 1月1日 1月1日
(3年に1度)
調査機関 都道府県 国土交通省 国税庁 市町村
価格の目安 公示地価
の8割
公示地価
の7割


 

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2024年度の基準地価は、全用途平均で3年連続上昇

9月17日に2024年度の都道府県基準地価が発表されました。
ここでは、2024年度の基準地価の公表内容を見ていきましょう。

全国平均/全用途平均は3年連続の上昇

全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇し、上昇幅が拡大する結果となりました。 全国的に見ると、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた後、地価は順調に回復しているといえるでしょう。

三大都市圏/全用途平均は4年連続の上昇

三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)は全用途平均が4年連続の上昇、住宅地が3年連続上昇、商業地は12年連続上昇となりました。
三大都市圏においては、地価の伸びが大きく、特に商業地についてはコロナ禍中でもマイナスとならず、継続して前年比で上昇が続いていることが分かります。

地方圏/全用途平均は2年連続の上昇

地方圏は、全用途平均・住宅地・商業地いずれも2年連続の上昇となり、特に全用途平均・商業地は、前年より上昇幅を拡大しました。
なお、地方圏の中でも地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)では全用途平均・住宅地・商業地いずれも12年連続で上昇となりました。

全国の基準地価ランキング

ここでは、全国の基準地価ランキングTOP10を見ていきましょう。
まずは、住宅地のランキングです。

右にスクロールできます→

順位 都道府県 所在地 価格 前年比
1 東京都 港区赤坂一丁目1424番1
『赤坂1-14-11』
556万円/㎡ 6.1%
2 東京都 千代田区六番町6番1外 462万円/㎡ 5.2%
3 東京都 千代田区三番町9番4 358万円/㎡ 10.2%
4 東京都 千代田区麹町二丁目10番4外 299万円/㎡ 9.9%
5 東京都 千代田区二番町12番10 265万円/㎡ 10.0%
5 東京都 港区六本木五丁目367番1
『六本木5-13-1』
265万円/㎡ 9.1%
7 東京都 港区南青山四丁目487番
『南青山4-26-18』
220万円/㎡ 8.4%
8 東京都 港区西麻布三丁目4番21
『西麻布3-15-8』
208万円/㎡ 8.9%
9 東京都 渋谷区神宮前三丁目13番13
『神宮前3-13-13』
204万円/㎡ 15.9%
10 東京都 港区芝浦四丁目1番34
『芝浦4-5-16』
192万円/㎡ 11.0%

出典:国土交通省 「令和6年都道府県地価調査

上位10位のすべてが東京都となりました。
港区や千代田区など、もともと地価の高いエリアがさらに価格を伸ばしていることが分かります。
次は商業地です。

右にスクロールできます→

順位 都道府県 所在地 価格 前年比
1 東京都 中央区銀座二丁目2番19外
『銀座2-6-7』
4,210万円/㎡ 5.0%
2 東京都 中央区銀座六丁目4番13外
『銀座6-8-3』
3,000万円/㎡ 4.2%
3 東京都 港区北青山三丁目33番2
『北青山3-5-30』
2,900万円/㎡ 4.3%
4 東京都 千代田区丸の内三丁目2番外
『丸の内3-3-1』
2,700万円/㎡ 0.7%
5 東京都 千代田区大手町一丁目5番39外
『大手町1-8-1』
2,570万円/㎡ 0.8%
6 大阪府 大阪市北区大深町207番外
『大深町4-20』
2,390万円/㎡ 3.9%
7 大阪府 大阪市中央区宗右衛門町46番1外
『宗右衛門町7-2』
2,240万円/㎡ 14.9%
8 東京都 新宿区西新宿一丁目18番2
『西新宿1-18-2』
2,140万円/㎡ 5.4%
9 愛知県 名古屋市中村区名駅3丁目2701番外
『名駅三丁目28番12号』
1,960万円/㎡ 2.1%
10 東京都 新宿区新宿三丁目5番2外
『新宿3-5-4』
1,940万円/㎡ 5.4%

出典:国土交通省 「令和6年都道府県地価調査

商業地も東京都が多くランクインしていますが、大阪府や愛知県など三大都市圏の基準地もTOP10に入りました。
銀座、青山、丸の内など交通利便性の高い一等地の土地がさらに地価を伸ばしたといえるでしょう。

日銀の利上げで今後の不動産価格はどうなる?

日経平均暴落!今後の不動産価格はどうなる?

今後の不動産価格に影響を与える可能性があるものとして、「利上げ」が挙げられます。
ここでは、日本の利上げの状況について見ていきましょう。

日銀が追加利上げを決定

2024年7月31日に行われた日銀金融政策決定会合において、これまで0~0.01%としていた政策金利を0.25%程度に引き上げることが発表されました。

そもそも、コロナ禍では世界各国において、補助金等でお金をばら撒かれたことに対する対策として、特にアメリカやヨーロッパなどでは急激な利上げが行われました。 一方で日本においては、インフレがそこまで進んでいなかったことや、日銀の国債発行額が大きいことから、しばらく利上げは行われませんでした。
このため、世界各国と日本の金利差が広がり、結果として急激な円安が進んだのです。

しかし、日本においてもインフレが一定程度進み、円安が過度に進んでしまっていたため、2024年3月に17年振りの利上げを行い、金利が-0.1%から0.1%に引き上げられました。
また、2024年7月に0.1%から0.25%へと追加利上げを実施することになったのです。

利上げによる影響

2024年7月に行われた利上げでは、0.25%への引き上げと小幅(こはば)であり、依然として世界各国とは大きな金利差があります。 このため、利上げによる円安是正への影響は限定的だといえるでしょう。

一方で、実際の為替の動きを見てみると、2024年7月には1ドル=160円程度まで下落していたドル円相場は、9月には1ドル=140円程度まで回復する動きを見せています。 これは、今後の追加利上げの可能性や、世界各国で利下げの検討・実施の可能性があることが、要因として考えられます。

なお、利上げによる不動産価格への影響としては、金利差による為替の影響以外に、住宅ローンやアパートローンの金利が上昇する可能性が挙げられます。 実際に住宅ローンやアパートローンの金利が上昇すると、不動産を購入できる人が減ってしまうことが見込まれ、不動産価格の下落につながる可能性があるでしょう。

ただし、2024年7月時点では0.25%と小幅な利上げであったこともあり、現時点では各種ローン金利や不動産価格への大きな影響はまだ見られていません。

今後の追加利上げの見通しと不動産価格への影響

日銀は2024年9月20日に開催された日銀金融政策決定会合において、今後については慎重な姿勢を示しながらも、さらなる追加利上げを検討していくとしています。

前述の通り、不動産価格に影響を与える要素として、為替と住宅ローン金利があります。
日本と世界各国の金利差が狭まり、円高が進むと、日本の不動産への投資を検討していた海外投資家が離れていくことが予想されるでしょう。 また、ローン金利が上昇すると、日本国内での不動産取引が減っていくことが予想されます。



 

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まとめ

ここまで、2024年度の都道府県基準地価の結果と、日銀の利上げの現状、利上げが不動産価格に与える影響などお伝えしました。 日本の利上げが進むと、円高やローン金利の上昇が進み、結果として不動産価格が下がる可能性が考えられるでしょう。

しかしながら、2024年10月1日に選出された石破内閣総理大臣は、翌2日に日銀の植田総裁と会談しており、現状では「利上げを行う環境にない」という認識を述べています。 総理大臣が利上げの実施を決めるわけではありませんが、政府の方針として今後の動向を予測する参考材料にはなるといえます。

上記は経済全体の動きを見れば、ほんの一部分を切り取っただけの予想ではありますが、今後の利上げが不動産価格に大きな影響を与える可能性は高いといえます。 将来的に不動産の売却を考えている方は、利上げにより不動産価格が下落する前に、早めの売却を検討してみてはいかがでしょうか。



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宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士

逆瀬川 勇造

大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
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