- 食費は生活費の約25%を占め、住居費(家賃)よりも多い
- 食費を節約する最大のポイントは自炊をすること
- 食材を買いすぎないなどの注意点はあるが、家賃を見直すのも節約術の一つ
費用(支出)に関する不安が大きい一人暮らし。「経済的な余裕がないので節約したい」という方にとっては、食費はとくに気になるポイントかもしれません。では、一人暮らしではどれくらいの食費を目安に考えればよいのでしょうか。
こちらの記事では、一般的な一人暮らしで発生する生活費・食費の内訳や金額について掘り下げます。世の中の平均と現在の生活費・食費を比較しながら、節約が可能かどうか、どうすれば食費を抑えられるのかを考えてみましょう。
一人暮らしの生活費・食費の目安はどれくらい?

総務省統計局によると、2020年10月から12月期の単身世帯消費支出平均は15万5,912円となっています。同局が発表している2008年のデータでは4人暮らし世帯の支出が33万6,000円なので、人数で割って1人あたりの支出に換算した金額は8万4,000円。単純計算ですが、この10年あまりで一人暮らしの支出(生活費全般)は約2倍に増えていることがわかります。
では、生活費にはどのような費用が含まれ、実際にどのくらいの金額になっているのでしょうか。以下では、主な生活費の内訳とその金額をチェックしておきましょう。
【主な生活費の内訳と金額】
・食料:3万9,300円
・住居:2万2,387円
・光熱・水道:1万705円
・家具・家事用品:5,490円
・被服および履物:5,727円
・交通・通信:1万9,252円
・教養娯楽:1万5,922円
・保健医療:7,203円
生活費のなかで最も大きな割合を占めているのは食料費(食費)で、3万9,300円は住居費(家賃)の2万2,387円より1万円以上も高いことがわかります。住居費のほうが安いのは、家賃補助や住宅借り上げなどの制度を受けているケースがあるからでしょう。単身世帯のなかには、家賃を親に支払ってもらっている学生が含まれていることも影響していると考えられます。
食費の内訳、2人以上の世帯との違いは?
食費の内訳は外食が7,856円、調理食品が7,100円、菓子類は2,854円、飲料が2,889円、酒類が2,050円などとなっています。
2020年に総務省統計局が行った調査では、2人以上の世帯では食費7万6,440円のうち外食が9,587円、調理食品が1万757円、菓子類は6,260円、飲料が4,864円、酒類が3,700円でした。世帯人数が2倍以上になる分、食費は増加しますが、外食費には大差が見られません。このことから、一人暮らしの場合は2人以上の世帯よりも外食が多いと言えるでしょう。酒類も同様に金額にあまり差がないことから、一人暮らしの方は飲酒の機会も多いことが想像できます。
生活費と食費の目安
一人暮らしの場合、生活費の項目ごとにかける平均的な金額は以下の通りです。こちらを参考に、自身の出費と比較してみましょう。
【単身世帯の主な生活費の平均】
・食料:3万9,300円
・住居:2万2,387円
・光熱・水道:1万705円
・家具・家事用品:5,490円
・被服および履物:5,727円
・交通・通信:7,102円
・教養娯楽:1万5,922円
・保健医療:7,203円
生活費のうち、食費が占める理想の割合は18%程度と言われています。それに合わせて考えると、単身世帯の消費支出平均は15万5,912円なので、理想の食費は約2万8,064円となります。単身世帯の食費平均額3万9,300円は割合に換算すると25.2%で、理想とされる基準より1万円程度高いことがわかります。
一方、二人暮らし以上の世帯は生活費が27万7,926円で、うち食費が7万6,440円。食費が生活に占める割合は27.5%です。一人暮らしの場合よりも若干割合は高くなっています。まずは現在の食費がどれくらい割合を占めているか計算してみましょう。割合が18%以下なら現状維持に努めればよく、25.2%を超えているなら食費の見直しが必要かもしれません。
ただし、生活スタイルによって理想の割合は異なるので、あくまでも参考程度に留めておくのがよさそうです。たとえば、家賃がほとんどかからないのであれば食費が多くても問題ないでしょう。食費の削りすぎは健康被害をもたらすおそれもあるので、注意してください。
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一人暮らし食費や生活費、性別や立場でどんな差がある?
一人暮らしの場合は、性別(男性と女性)や立場(社会人と学生)で生活費が変わってきます。
男性と女性では食費に大きな違いが
まずは男性と女性でどれくらい生活費が異なるのか、項目ごとに見ていきましょう。
【男性単身世帯の主な生活費の内訳】
・食料:4万3,024円
・住居:2万1,546円
・光熱・水道:9,869円
・家具・家事用品:4,432円
・被服および履物:4,501円
・交通・通信:2万2,993円
・教養娯楽:1万7,515円
・保健医療:6,243円
出典:政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 単身世帯(2020年10~12月期)」
【女性単身世帯の主な生活費の内訳】
・食料:3万6,066円
・住居:2万3,117円
・光熱・水道:1万1,430円
・家具・家事用品:6,408円
・被服および履物:6,792円
・交通・通信:1万6,006円
・教養娯楽:1万4,539円
・保健医療:8,037円
男性と女性で大きく違う項目は、食費・服飾費・娯楽費です。食費は男性が4万3,024円、女性が3万6,066円で約7,000円も異なります。女性の食費が安いのは、自炊の割合が高いこと、またそもそも食べる量が少ないことが要因と考えられます。実際に男女の外食費を比較してみると、男性の1万1,325円に対して女性は4,845円と、2倍以上の差がありました。
他の項目では、酒類は男性が3,216円で女性が1,038円と男性が3倍近く消費している一方、菓子類は男性が2,507円で女性が3,155円と女性が500円ほど多く消費しています。食費のなかでも、男女でお金を使う項目が異なるのはおもしろい傾向です。
服飾費は男性が4,501円、女性が6,792円で女性のほうがお金をかけています。女性の服飾費が高いのは、ファッションに関心を持つ方が多く、男性より頻繁に洋服や靴などを購入するからでしょう。
一方で娯楽費は男性が1万7,515円、女性が1万4,539円です。娯楽用品や書籍にかけるお金は男女とも同じくらいでしたが、教養娯楽サービスにかける金額に違いが見られました。教養娯楽サービスは男性が1万193円、女性が7,962円なので、男性のほうが旅行費や月謝代にお金をかけていることがわかります。
社会人と学生で差があるのは食費・住居費・交通通信費
次に、社会人と学生でどれくらい月々の生活費が異なるかをご紹介します。総務省統計局が発表した、勤労者世帯と勤労者以外の世帯のデータを比較しました。
【勤労者単身世帯の主な生活費の内訳】
・食料:4万1,318円
・住居:2万9,662円
・光熱・水道:9,164円
・家具・家事用品:5,118円
・被服および履物:8,391円
・交通・通信:2万4,558円
・教養娯楽:1万8,510円
・保健医療:5,797円
出典:政府統計の総合窓口「家計調査 家計収支編 単身世帯(2020年10~12月期)」
【勤労者以外の単身世帯の主な生活費の内訳】
・食料:3万7,460円
・住居:1万5,683円
・光熱・水道:1万2,134円
・家具・家事用品:6,408円
・被服および履物:5,821円
・交通・通信:1万4,365円
・教養娯楽:1万3,501円
・保健医療:8,508円
社会人と社会人以外(学生などの働いていない世帯)で大きく異なる項目は、食費・住居費・交通通信費です。
食費は社会人が4万1,318円、学生が3万7,460円で4,000円ほど異なります。一人暮らしの学生は生活に余裕がないケースが多く、食費を節約しているためと予想できます。
住居費は、社会人が2万9,662円で社会人以外が1万5,683円でした。学生は家賃が安い物件に住むケース、あるいは、親が支払ってくれているケースも多いため、この違いが社会人との金額の差に影響していると考えてよいでしょう。交通通信費には自動車代が含まれているため、車を所有していない学生との間に金額の開きがあると考えられます。
食事代を節約するコツやポイントが知りたい!

一人暮らしの生活費で一番大きな割合を占めている食費は、工夫次第で節約可能です。以下では、食費の節約につながるテクニックをご紹介します。
外食の機会を減らす
外食の回数を減らして自炊を増やすと、食費は自然と抑えられます。今まで外食ばかりだった方が、いきなりすべての食事を自炊にすることは難しいので、少しずつ外食を減らすよう意識しましょう。また、すべてを「手作りでやらないと!」などと無理をする必要はありません。簡単な料理からスタートし、冷凍食品や出来合いの総菜などとうまく組み合わせながら自炊を楽しむことが大切です。
スーパーに行く頻度を減らす
スーパーに行く頻度が多いと、買い物へ行くたびに余計なものを買ってしまいがち。たとえば、週3日スーパーへ行くたびに100円のアイスを購入するとなると、月に1,200円の出費です。しかしスーパーへ行く頻度を週1回に抑えれば、ムダな出費は400円に減らせます。1回の買い物で3日分の食材を購入するペースでスーパーへ行くと、ちょうどよいでしょう。
食材を冷凍保存する
購入した肉や魚は、1食分にわけて冷凍保存しておきましょう。購入したまま冷蔵庫に入れておくと、食べきれずに消費期限をすぎてしまう可能性があります。せっかくスーパーに行く頻度を減らして節約しても、食材をムダにしてしまっては意味がありません。野菜などは生のまま、あるいは加熱してから冷凍すれば、冷蔵より長期間の保存が可能です。冷凍のまま料理に使える野菜もあるので、「食費」と「解凍の手間」の節約につながります。
腹持ちのよい素材を使う
腹持ちのよい素材を使えば、買う食材が少なくて済み、節約につながります。腹持ちのよい素材にはバナナ・サツマイモ・ゆで卵・チーズなどがあります。とくに卵は安くて腹持ちがよいので、常備しておくのがおすすめです。
買い物の仕方に気をつける
スーパーへ買い物に行くときは、冷蔵庫に何が入っているかをあらかじめ確認しておきましょう。冷蔵庫の中身を把握していないと、同じものを購入する可能性があります。また、1ヶ月分の食費はお財布をわけて保管するのがおすすめです。決まった金額のなかで1ヶ月やりくりしようと意識するので、自然と節約になります。
料理の作り置きをする
小腹がすいたとき、冷蔵庫に何か食べるものがあればコンビニへ行くこともなくなります。作り置きを難しく考える必要はなく、自炊をする際に少し多めに作っておくだけで構いません。サツマイモやカボチャに火を通しただけのものでもよいでしょう。
節約の注意点
自炊は食費の節約になりますが、食べたいものだけを買っていると、外食から自炊に切り替えた意味がなくなります。自炊による節約の注意点を確認しておきましょう。
食材を買いすぎない
スーパーに行く頻度は減らしたほうがよいですが、食材を買いすぎると使いきれません。せっかく購入した食材をダメにするのはもったいないですよね。食べきれる分だけ購入し、冷凍保存できるものは早めに冷凍庫へ移しましょう。
総菜を使いすぎない
総菜に頼ることもよいですが、総菜ばかりになると外食と同程度の食費がかかります。まずは自分なりに自炊にチャレンジしてみて、どれくらい食費がかかるか把握しましょう。外食をしていたころと比較して食費に変化がみられなければ、総菜に頼りすぎているかもしれません。1食につき総菜は1品までなど、ルールを決めて総菜を活用してください。
余計なものを買わない
自炊に切り替えたからといって、デザートなど余計なものまで購入していたら食費は減りません。ストレスになるほど我慢をするのはよくないですが、余計なものの買いすぎには注意しましょう。総菜の場合と同様、デザートは週に1回だけなど、ルールを決めると余計な出費が減ります。
一人暮らしの節約に困ったら、家賃を見直そう!

生活費のなかで、食費とともに大きな割合を占めているのは家賃です。家賃は毎月同じ額を払うので、安いところへ引っ越せば差額分が浮きます。生活費全体を下げるために、「引っ越して家賃を抑える」という選択肢があることを知っておきましょう。
「家賃が安い物件」のポイント
-
駅から遠い
-
築年数が古い
-
上階ではなく1階
-
IHコンロではなくガスコンロ
家賃は、駅から遠く、築年数が古いほど安くなる傾向があります。また、セキュリティや日当たりなどの関係で上階は人気があるため、1階は家賃が安くなっているケースが少なくありません。設備の充実度によっても家賃は変わりますが、IHコンロの物件は築年数が新しく家賃が高い可能性があります。
ただし、家賃の安さだけで住む場所を決めてしまうと、不便さを解消するためにムダな出費が生じる可能性もあります。たとえば自炊に向かない環境の物件だと、家賃が安くなっても外食へ頼ることになり、結果として食費がかさむかもしれないということです。
自炊をする場合におすすめの物件とは
-
キッチンが広い
-
コンロが2口以上ある
-
大きめの冷蔵庫を置ける
-
飲食店が比較的遠い
キッチンスペースが十分でないと、自炊するときにストレスを感じて面倒になってしまうおそれがあります。キッチンにまな板や調味料を置くスペースはあるか、洗い物を快適にできるシンクか、などをチェックしてみてください。
コンロはできれば2口以上あったほうが、スムーズに料理を進められます。1口の場合、1品作り終えてからでないと2品目の調理に入れないため不便です。
キッチンに大きめの冷蔵庫を置ける部屋なら、食材をたくさん収納できるのでスーパーへ行く頻度が少なくて済みます。冷凍庫が大きければ、食材を冷凍保存できるメリットも。最近の冷蔵庫は大きめのほうが電気代を抑えられる場合も多いので、キッチンに大きめの冷蔵庫を置くスペースがあるかを気にしましょう。
飲食店が近くにあると、「自炊をさぼって外食しよう」という意識が出てくるかもしれません。自炊する方におすすめなのは、比較的飲食店やコンビニなどが遠い物件です。ただし、あまり遠すぎると純粋に外食したいときお店をみつけられず困るので、その点は注意しておいたほうがいいかもしれません。
自炊をしない場合におすすめの物件とは
外食もしないが自炊もしないという場合は、スーパーやコンビニで弁当などを購入して自宅で食べるスタイルになるでしょう。自炊しない方におすすめの物件は、以下のとおりです。
-
スーパーやコンビニが近くにある
-
キッチンに電子レンジを置ける
ほぼ毎日弁当を買いに行くなら、スーパーやコンビニはなるべく近くにあったほうがよいでしょう。ただし、頻繁に行きすぎると余計なものを買ってしまいやすくなるため要注意です。
電子レンジを置けるスペースがキッチンにあると、購入したものをすぐに温められて快適にすごせます。自炊をしない方でも、キッチンに電子レンジを置けるかどうかは意外に重要です。自炊を始めたくなったときにも役立つので、部屋探しのチェックポイントとして覚えておきましょう。
生活費の25%を占める食費は工夫次第で節約できる
一般的な一人暮らしの場合、食費は生活費の25%程度を占めています。その食費を効率的に節約するには、外食を減らして自炊をすることが一番の近道です。まずは自炊の機会を増やすと同時に、「スーパーへ行く頻度を減らす」「食材やご飯を冷凍保存する」「腹持ちのよい素材を使う」などできることから取り組んでみましょう。
食費だけでなく、家賃の見直しも生活費全体の節約につながります。「自炊がしやすい物件」を選んで、楽しみながら食費を抑えてくださいね。
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