更新日:2023.07.10
マンション査定の方法を解説!高額査定を得るためのアピールポイントとは?
マンションを売却するにあたり、最初に行うことが査定です。査定結果は売却価格に影響することから、マンションの査定がどのようになされているのか、気になる人も多いのではないでしょうか。また、自身の大切な資産であるマンションをアピールしたいと思っても、どのような部分がアピールポイントになるのかわからないという方もいらっしゃると思います。この記事では、「マンション査定の方法」と「高額査定を得るためのアピールポイント」について解説します。
- マンションを売却するなら不動産会社による訪問査定が必要
- マンション査定では立地や建物全体・専有部が評価ポイントになる
- 閑静な環境や眺望の良さはアピールポイントになる
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マンション査定の4つの方法
最初に、マンションの査定方法について紹介します。
匿名査定(AI査定)
匿名査定とは、近年登場しているホームページ上で瞬時に価格を知ることができる無料の査定システムのことです。AI(人口知能)を用いて査定結果を出しているため、AI査定とも呼ばれています。
利用するにあたり、入力するべき個人情報はメールアドレスくらいで、一般的に電話番号や住所の入力は不要です。 個人情報の入力が少なく、利用者の匿名性が高いことから匿名査定と呼ばれています。 電話番号などの入力が必要な簡易査定や訪問査定では、利用すると不動産会社から営業電話がかかって来ることが一般的です。
一方で、匿名査定は電話番号を入力しないことから、営業電話がかかってこない点が利点とされています。(ただし、定期的なメール配信が来ることはあります。) そのため、匿名査定はまだ売却を決めかねており、営業電話は受けたくないという段階の人におすすめの査定システムです。
匿名査定は瞬時に価格を知ることができる点もメリットです。 スマートフォンやパソコンがあれば、24時間いつでも利用ができ、即効性はほかのどの査定よりも高いといえます。 ただし、匿名査定の価格精度は、利用するシステムによってかなり低い場合もあります(一部にかなり精度の高い高性能な匿名査定も存在します)。
価格精度が高いシステムは一部であり、全体としてみるとそれほど価格精度は高くはないことから、あまり過信しないことが適切といえます。
簡易査定(机上査定)
簡易査定とは、不動産会社の営業担当者が物件を見ずに行う査定のことです。
外部から収集できる書類を用いて机上で計算するため、机上査定とも呼ばれます。
匿名査定がコンピュータで行っている査定であるのに対し、簡易査定は人が行っている点が大きな違いです。匿名査定は、どのような資料を用いて査定するかは不動産会社によって異なります。コストをかけて行う会社であれば、以下のような書類を入手して行っている場合もあります。
- 【簡易査定に用いられる資料】
- 住宅地図
- 登記簿謄本
- 公図
- 取引事例
- 公法上の規制
マンションの場合は、登記簿謄本や公図まで取得しないケースも多いです。
部屋の面積などは利用者が依頼時にある程度入力するため、その情報に基づき査定を行っている場合が多いといえます。 また、不動産会社は全国の不動産の取引事例をデータベースで共有しており、対象のマンション内の過去に取引された事例や周辺の類似のマンションの事例を入手できるようになっています。そのため、どの会社に簡易査定で依頼しても、それなりに精度の高い価格を得ることは可能です(匿名査定より信頼性は高いといえます)。
ただし、実際に見ないと分からない部分を価格に反映できないことから、精度としては訪問査定よりも劣ります。実際に見ないと分からない部分とは、たとえば「日照、眺望、景観、通風の良否」、「設備や床、壁などの損傷の度合い」、「リフォームの実施状況」などが挙げられます。
簡易査定も、無料で依頼することが可能です。無料査定を受け付けている不動産会社であれば、ホームページ上から入力して簡易査定を申し込むことができます。
簡易査定の結果は、3日程度で提示されることが多いです。簡易査定は、マンションを売る気持ちが半分くらいあり、とりあえずいくらで売れそうかを知りたいといった段階の人に適しています。
訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の営業担当者が物件を実際に見て行う査定のことです。
訪問査定も無料で依頼することができます。匿名査定、簡易査定、訪問査定の中では、価格精度は訪問査定が最も高いです。訪問査定は売却の前に必ず依頼すべき査定になります。
査定の結果は売り出し価格を決める参考にすることから、精度の高い査定結果を用いないと適切な売り出し価格を決めることができません。売り出し価格が安過ぎれば損をしますし、高過ぎれば売却できなくなります。損をせず確実に売るには適切な売り出し価格を設定する必要があり、そのためには最も精度の高い訪問査定が必要となるのです。
訪問査定を依頼すると、不動産会社から電話がかかってきますので、査定日を調整します。一般的には売り主と不動産会社が面談した上で査定が行われますので、その際にさまざまな質問ができる点がメリットです。たとえば、「リフォームすべきか」や「床のへこみが気になるが直すべきか」といった相談もすることができます。また、転勤などで急いで売らなければいけない人の場合、「1~2ヶ月以内で売れるような価格にして欲しい」といった依頼もすることも可能です。
質問や要望を伝えるだけでなく、不動産会社に対して物件の魅力を直接アピールできる点も訪問査定のメリットです。訪問査定では、依頼すると1週間程度で価格を提示してくれます。
不動産鑑定評価
不動産鑑定評価とは、不動産鑑定事務所の不動産鑑定士に依頼する不動産の評価のことです。
不動産鑑定士は、不動産の適正な価格を算出する国家資格者であり、不動産会社とは異なる存在です。匿名査定や簡易査定、訪問査定の依頼先は不動産会社ですが、不動産鑑定評価の依頼先は不動産鑑定事務所になります。
マンションを売却する人は、不動産鑑定評価を依頼することは不要です。一方で、売却を前提とせずに価格だけを知りたい人は、不動産鑑定士に依頼する必要が出てきます。理由としては、不動産会社の無料査定は売却を前提としている人が対象だからです。
たとえば、離婚の財産分与や相続の遺産分割において、売却はしないけれども財産を分けるために資産価値を知りたいといったケースがあります。このように売却を前提としない場合には、不動産鑑定評価を取得することが望ましいです。 ただし、不動産鑑定士による鑑定評価は有料となります。不動産鑑定評価は、必要性をきちんと見極めたうえで依頼することが適切 です。
マンション価格の算出手法
以下に、マンション価格の査定方法を紹介しますが、これらはあくまでも不動産鑑定士が用いている不動産鑑定評価基準に記載されている方法の名称です。
不動産会社の無料査定において、これらの査定方法を必ず使っているというわけではありません。あくまでも参考程度に読んでいただければと思います。
取引事例比較法
取引事例比較法とは、類似の取引事例を元に不動産の価格を求める方法です。
簡単にいうと、隣の部屋が先月5,000万円で売れたから、この部屋の価格も5,000万円くらいだろうという査定方法が取引事例比較法にあります。
不動産鑑定評価基準における取引事例比較法はもっと複雑ですが、不動産会社が行う無料査定では取引事例比較法の考え方を用いています。類似の事例を集めて査定をしているという点は、取引事例比較法の本質です。一般的にマイホームのマンションは、取引事例比較法と類似したアプローチで価格が求められています。
収益還元法
収益還元法とは、収益と利回りから価格を求める方法です。
投資用マンションの価格査定に用いられます。
たとえば、物件価格が1,000万円で、毎年100万円の家賃収入を得ることのできる物件の利回りは10%です。家賃収入を物件価格で割ると利回りが出るという関係を利用し、逆に家賃収入を利回りで割ることで物件価格を出すことができます。
不動産鑑定評価基準における収益還元法はもっと複雑ですが、不動産会社が行う無料査定では収益還元法の考え方を用いています。投資用マンションやアパートといった収益物件を売るときは、収益還元法の考え方を用いて査定がなされることが一般的です。
原価法
原価法とは、不動産の原価に着目した査定方法です。
簡単にいうと、土地価格が3,000万円、建築費が2,000万円だから物件価格は5,000万円といった査定方法になります。
不動産会社が行う無料査定では、マンションでは原価法のアプローチはほとんど行われません。戸建てを査定する場合に、原価法の考え方を用いて価格を出すケースはあります。
マンション査定で見られる14のポイント
この章では、マンション査定で見られているポイントについて解説します。
駅からの距離
駅の距離は、基本的には近ければ近いほど、評価が高いです。
駅も、ターミナル駅や快速停車駅、他社の路線に乗り換えが可能な駅など、利便性の高い駅であればさらに評価が高くなります。
基本的には10分圏内が好まれますが、ターミナル駅などの駅の利便性が高ければ10分超の物件でも十分な評価はなされます。駅からの距離は1分80mの換算であり、80mを超えた端数は切り上げ処理となります(たとえば81mであれば2分の表示です)。
周辺の生活利便施設の有無
物件の周辺に、食品スーパーなどの生活利便施設があると、評価が高まります。
とくに、駅と物件の間の動線上に生活利便施設が配置されているような物件は評価が高いです。
全体の戸数
全体の戸数や階数も評価ポイントとなります。戸数に関しては、基本的には多いほど管理費や修繕積立金が割安となるため、評価は上がりやすいです。
ただし、タワーマンションの場合、戸数は多いですが管理費や修繕積立金が一般のマンションよりも割高となっており、戸数の多さがプラスに影響しないこともあります。
建物の築年数
建物の築年数は、基本的には築浅ほど評価が高まります。
市場で取引されている中古マンションの平均築年数は20年程度であるため、築20年未満のマンションであれば、平均価格よりも高く売却しやすいです。
また、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認申請を通過したマンションは、基本的には旧耐震基準であることから、新耐震基準に適合していることが証明できない場合には、評価が大きく下がります。
駐車場の仕様
駐車場の仕様も評価に影響するポイントです。
駐車場は、機械式よりも自走式の方が一般的に評価は高くなります。
自走式とは、車庫まで直接自分で走行して停める駐車場のことです。マンションの駐車場は、機械式の場合、入出庫に時間がかかり、駐車場の仕様がストレスになることがあります。とくに駅から遠い物件は、車の利用率が高くなるため、駐車場の仕様は評価に影響を与えます。
建物の耐震性
建物の耐震性も評価に影響を及ぼします。
まず、1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認申請を通過したマンションである「旧耐震のマンション」は、評価が低いです。 新耐震基準を満たしていないマンションは、買い主が住宅ローン控除を利用できません。ただし、旧耐震のマンションでも耐震診断の結果、新耐震基準に適合していることが証明できているマンションであれば評価は高くなります。
また、建物には免震や制振、耐震といった耐震性能を表す用語があります。耐震性能に関しては高い順から、免震、制振、耐震の順番です。マンションの中には免震構造のマンションも存在します。免震構造のマンションは耐震性能が高いため、評価が高くなりやすいです。
建物の性能
建物の性能も評価ポイントとなります。
省エネ性能やバリアフリー性の高い住宅は、評価が高くなる傾向があります。省エネ性能が高い住宅は、光熱費も抑えやすく、夏場や冬場も快適に過ごしやすいです。省エネ性能に関しては住宅性能評価書により、断熱性など性能等級や一次エネルギー消費量等級などが高いことが客観的に示すことができれば評価が上がります。
また、バリアフリー性の高い住宅は、老後に備えて立地の良いマンションに住み替えたいと考えている50代以上の世代に需要があります。バリアフリー性に関しては、高齢者等配慮対策等級が高いことも評価が高くなるポイントです。高齢者等配慮対策等級とは、高齢者や心身障害者等の生活のしやすさに配慮した程度を示す等級のことを指します。
専有部分の階数および位置
所有しているマンションの所属する階数および位置も評価のポイントです。
階数に関しては、基本的には高いほど評価が上がります。 1階に関しては、セキュリティが劣る点や、外から見られやすい点などもあり、評価が比較的大きく下がる傾向があります。
位置に関しては、角部屋は評価が高いです。場所も南東にあり、バルコニーが南側に向いている物件は評価が高くなります。
専有部分の面積
専有部分の面積も評価に影響を及ぼします。
専有面積は広いと総額は上がりますが、単価は下がる傾向にあります。 理由としては、総額が高くなると購入希望者が少なくなり、売却しにくくなるからです。
たとえば、4LDKや5LDKといった広いマンションは、総額を抑えるために1LDKなどと比べると単価は低く評価されることがよくあります。
日照および眺望・通風の状態
日照および眺望・通風の状態も評価のポイントです。
日照に関しては、バルコニーの向きが重要であり、評価の高い順から南、東、西、北向きとなります。
また、日照と眺望は階数にも関連しており、階数が高いほど日照と眺望も優れることが一般的です。通風に関しては、角部屋が優れるため、評価が上がります。
室内の仕上げおよび設備の良否
室内の仕上げは、床材や壁材、キッチンの面材などが評価の対象です。
設備に関しては、床暖房やディスポーザー、浴室乾燥機、食洗機、バルコニーのスロップシンクなどが付いていると評価が上がりやすいです。
また、セキュリティに関しては、カラーモニター付きインターフォンが付いており、鍵が複製されにくいディンプルキー(板面にポツポツ穴の開いたタイプの鍵)で玄関がダブルロックになっていると評価が高くなります。
維持管理の状態および損傷の有無
壁や床に汚れが少なく、維持管理が適切になされている物件は評価が高いです。 壁にキズや子どもの落書き跡があったり、床にへこみや結露の跡があったりすると評価が下がりやすくなります。
一方で、キッチンやバス、トイレなどの水回りが綺麗に維持管理されている物件は、評価が高いです。
リフォームまたは大規模修繕の内容
専有部がリフォームされている物件は、評価が高くなる傾向があります。
評価が高くなる専有部のリフォーム内容としては、たとえばユニットバスを丸ごと交換しているケースや、デザイン性の高いキッチンに変更しているケースなどが挙げられます。 また、直近に外壁塗装やエレベーターの交換などの大規模修繕が行われている物件も、評価は上がりやすいです。
管理費および修繕積立金の額
管理費および修繕積立金の額は、高過ぎると評価が下がる原因となります。 とくに全体戸数の少ない物件は、管理費および修繕積立金が高くなりやすいです。
また、築年数の古い物件は修繕積立金の高さが売却時のネックになることもあり、評価が下がる原因となります。
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高額査定を得るためのアピールポイント
訪問査定を依頼する人は、高額査定を得るために物件をアピールしたいと考えている方も多いと思います。この章では、高額査定を得るためのアピールポイントについて解説します。
閑静な住環境
閑静な住環境という点は、アピールポイントになります。先述した通り、バルコニーの向きは、日照の観点から良い方から並べると南、東、西、北という順番になります。
では、西向きや北向きのバルコニーが常に南向きや東向きに劣っているかというと、そうとも限りません。物件によっては、西向きや北向きの部屋の方が静かなケースがありますので、そのような場合には静かである点をアピールすべきです。
マンションは、大通りに面している物件も多いです。たとえば、東向きの部屋は大通りに面しており、西向きの部屋は大きな公園に面している物件があるとします。東向きは窓を開けると騒音や排気ガスがひどい物件の場合には、西向きの方が暮らしやすいことも多いです。
住民の間でも西向きの方が良いと思っている人が多いような物件であれば、「この物件は西向き棟の方が羨ましがられます」とアピールすることをおすすめします。
眺望の良さ
眺望の良さもアピールポイントです。 眺望は、必ずしも南、東、西、北の順で良いとは限りません。 東向きよりも西向きの方が眺望は優れている物件は多くあります。
たとえば、千葉県の湾岸沿いに建つマンションは、西向きバルコニーの部屋からは東京湾と富士山を眺めることができます。 千葉県は富士山や東京湾よりも東側に位置しているため、西向きバルコニーの物件は眺望が良くなることも多いです。
そのほか、場所によっては西向きや北向きバルコニーでも眺望が優れる物件は多くあります。 「晴れた日には〇〇が見える」といった情報は、売り主しか分からない内容ですので、アピールすることをおすすめします。
管理費の安さ
中古マンションが新築マンションよりも優れている点として、管理費が安いという点があります。
昨今の新築マンションは、共用部が充実している物件が多いです。新しいマンションには、コワーキングスペースやコインランドリー、ラウンジ、キッチンスタジオ、ゲストルーム、キッズスペース、トレーニングジムなどのさまざまな物が存在する場合もあります。これらの充実した共用施設は、実は管理費を割高にしている原因です。
築年数の古いマンションは共用施設がほとんど無い物件も多く、管理費が近年の新築物件よりも割安になっていることもよくあります。 国土交通省 「平成30年度マンション総合調査結果」によると、戸あたりの管理費の月額の平均は1万円強となっています。
たとえば管理費が7,000円前後の物件であれば、昨今の新しいマンションと比べるとかなり割安な方です。管理費が割安な物件であれば、管理費の安さをアピールすることができます。
リフォームまたは大規模修繕の実施状況
専有部がリフォームされていたり、共用部が大規模修繕されていたりする場合には、アピールポイントになります。 専有部はフルリフォームだけではなく、たとえば2~3年前にユニットバスを交換したといった内容でも十分にアピールすることは可能です。 また、専有部をリフォームしていなくても、管理組合が共用部を大規模修繕している場合もアピールポイントになります。
アピールできる内容としては、たとえば外壁塗装やエレベーターの交換、玄関扉の交換などが挙げられます。 マンションによっては、玄関扉を交換した際、モニター付きのインターフォンも設置してセキュリティが大きく向上しているケースもあります。 オートロックがない物件でも、モニター付きのインターフォンが設置されているようであれば、防犯面のアピールポイントにつながります。
大規模修繕の内容は、物件のチラシに記載することもよくあります。 マンションは専有部をリフォームしていなくても、共用部の大規模修繕をアピールできる点が戸建てにはないメリットです。 直近5年くらいに大規模修繕がなされていれば、内容を思い出して整理しておくことをおすすめします。
客観的に示せる建物の価値
建物の価値を客観的に示せる書類を有している場合は、査定時に用意しておくことが適切です。価値を客観的に示せるものは、以下のような書類があります。
- 【建物価値を客観的に示せる書類】
- 建設住宅性能評価書
- 建物状況調査(インスペクション)の報告書
- 既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書
建設住宅性能評価書とは、専門家により建物の性能を評価した書面のことです。
近年新築されたマンションでは、新築時に売り主のマンションデベロッパーが住宅性能評価書を取得しているケースがあります。 一次エネルギー消費量等級や耐震等級などが一定レベル以上であると、質の高い住宅として住宅取得など資金贈与の非課税特例の枠が増えるといったメリットがあります。
建物状況調査(インスペクション)も、建物の専門家による簡易の調査です。 耐震基準を満たしている物件がインスペクションに合格していると、既存住宅売買瑕疵保険に加入できるというメリットがあります。
既存住宅売買瑕疵保険とは、売却後に瑕疵(かし:キズのこと)が発見された場合に、保険料で修繕費の一部を賄うことができる保険のことです。 既存住宅売買瑕疵保険が付いていれば、買い主が安心して物件を購入できるため、価値が上がります。
マンション査定の依頼方法
この章では、マンション査定を依頼する方法について解説します。
相場を把握しておく
マンションの査定を依頼する場合には、ある程度自分でも相場を調べておくことが望ましいです。 相場を知っておくと、査定結果に対して、安過ぎる、または高過ぎるといった判断をすることができます。
マンションの相場の把握方法で最も適しているのは、同じマンションのほかの部屋がいくらで売られているかを知ることです。 不動産会社も同じマンション内のほかの事例を最も重視していますので、売り出し事例があれば十分な参考になります。 念のため、インターネットの物件広告サイトに同じマンションのほかの部屋が売りに出されていないか確認することをおすすめします。 ほかの部屋が売っていれば、売り出し価格を面積で割って単価を求め、その単価を自分の部屋の面積に乗じれば概ね相場が把握できます。
また、同じマンションが売りに出されていない場合には、レインズ・マーケット・インフォメーションや、現在ご覧いただいているWEBサイト「クラモア」内にある「住まいトレンド」を使うと、無料で相場を調べることが可能です。
レインズ・マーケット・インフォメーションでは、対象地域や専有面積、間取り、築年数などで絞り込んでいくと、類似の物件の価格一覧が表示され、そこから相場を推測できます。
クラモアの「住まいトレンド」では、地域と駅から検索できることはもちろん、マンション名でも調べることができます。
売買価格相場・賃料相場情報をお届け
不動産会社のサービス内容を調べておく
査定を依頼する際は、不動産会社のサービス内容をよく調べてから依頼することが適切です。
不動産会社の中には、仲介を依頼するとハウスクリーニングや床の修繕を無料で対応してくれる会社もあります。 家の汚れが気になる人は、ハウスクリーニングを無料提供している不動産会社に査定を依頼するのも一つです。
また、物件の近くにある不動産会社は、相場に精通しているだけでなく、物件のアピールポイントも熟知しています。 たとえば良くポスティングをしている不動産会社は、既にマンションの購入を検討しているお客様がいる可能性もあるため、査定を依頼してみる価値は十分にあります。
気になる不動産会社に査定を依頼する
査定は念のため、2~3社は比較することをおすすめします。
査定価格は売却予想価格であり、売却を保証するものではないことから過剰に何社も比較する必要はありません。 しかしながら、1社の価格を妄信する必要もないため、ほかの会社の意見も聞いて見ることは売り主として適切な行為です。
事前にサービス内容を調べ、依頼してみたい不動産会社を2~3社ピックアップし、査定を依頼してみるのが良いといえます。
みんなが不動産会社選びで重視してることは?
クラモアが独自に調査した、不動産売却を検討している方へのアンケート結果によると、不動産を売却する際に依頼する会社選びで重視することとして多かったのは、「高く売却できる」(31.6%)、「担当者の対応が丁寧」(20.7%)、「売却エリアに詳しい(地域密着型)」(15.8%)でした。
最も多い回答が「高く売却できる」という結果であることから、不動産会社への売却に対する期待値(高く売れることに対する期待値)が高いことが分かります。
大切な不動産を高く売却するには、売却のノウハウを持ち、その地域に詳しい「信頼できる担当者」がいる不動産会社を選ぶことが大切です。 専門知識を持つ不動産会社は、市場分析や適正な価格設定だけでなく、複雑な売却手続きもしっかりサポートしてくれます。 また、物件の立地や特性、市場動向などを熟知しているため、マンションを高く売るための戦略を一緒に立てることが可能です。
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まとめ
以上、マンション査定の方法やアピールポイントについて解説してきました。
マンション査定の方法には「匿名査定」や「簡易査定」、「訪問査定」、「不動産鑑定評価」があります。 マンションを売却する前は、訪問査定が必要です。
マンション価格の査定方法には、「取引事例比較法」、「収益還元法」、「原価法」の3つがあり、マイホームのマンションの訪問査定では主に取引事例比較法が用いられています。
マンション査定では、「駅からの距離」といった立地条件や、「建物の築年数」といった建物全体、「室内の仕上げおよび設備の良否」といった専有部分に関する評価が行われます。
高額査定を得るためのアピールポイントとしては、「閑静な住環境」や「客観的に示せる建物の価値」などがありました。 アピールポイントで思いつくものがあれば、書き出しておくことをおすすめします。
マンションの査定を依頼するにあたっては、不動産会社のサービス内容を調べた上で依頼することが適切です。マンション査定の方法の概要がわかったら、早速査定を依頼してみましょう。
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不動産鑑定士
竹内 英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら
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