- セカンドライフとは、仕事や子育てを卒業した後の新たなライフステージのこと
- 夫婦で話し合うことで住みよい暮らしを実現できる
- いろんな面で「楽」ができる工夫をしておこう
「第二の人生」と呼ばれるセカンドライフの過ごし方について考えたことはありますか?
定年退職し子育てからも解放されると、次は夫婦だけでの生活が始まります。今までの生活の軸にあったものがなくなり、自分たちだけの生活がいきなりスタートしたとき、充実感を得られる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
セカンドライフを充実したものにするには、「住まい」から見直していく必要があります。肉体的にも精神的にも金銭的にも「楽」ができる、二人にぴったりな住宅について考えてみませんか?
この記事では、セカンドライフの過ごし方や住まいの作り方、選択肢について解説していきます。第二の人生も充実したものにしていきましょう。
セカンドライフとは?
まずは「セカンドライフ」の意味についてご紹介します。セカンドライフとは直訳で「第二の人生」を意味し、スポーツ選手などの現役引退の際にも耳にする言葉です。しかし、スポーツ選手でなくても、セカンドライフは訪れます。
定年退職し、子どもも自立し始めてライフスタイルが大きく変わる時期をセカンドライフと称します。20代から50代は、子育てや仕事に忙しく、なかなか自分の時間を確保するのは難しいでしょう。セカンドライフでは趣味に費やす時間が増えることもあり、「第二の人生・第二の青春」として充実した日々を送るのにぴったりと言われています。
今まで人生の軸にあった仕事や子育てがなくなるので、毎日の生活を見直すきっかけにもなります。本当の意味で「自分の人生の幕開け」と言えるかもしれません。充実したセカンドライフを過ごすためにも、毎日の生活を見直していきましょう。
長い人生に備えて計画的に
厚生労働省が発表している平均寿命は、男性「81.41歳」、女性「87.45歳」です。
平均寿命は男女ともに上がってきており、定年退職するまではもちろん、その後の人生も長くなってきています。
30年近いセカンドライフを充実したものにするためにも、計画性を持って「第二の人生」について考えていく必要があると言えるでしょう。基本的には夫婦で暮らすことになるため、お互いの意見を尊重しながら、住みやすい暮らしを考えていくのがおすすめです。
セカンドライフは住宅について見直すチャンス
セカンドライフは、子育てや仕事がなくなるので、新たな生活について考えるチャンスとなります。総務省が統計を取った世帯構造に関する結果から、年齢が上がっていくごとに親との同居率は低下していることがわかります。このことからも、年齢を重ねるごとに夫婦二人世帯の割合は増えていることがわかるでしょう。子どもが住んでいたスペースも自分たちのものになるので、住宅について見直す必要があります。
セカンドライフによって暮らしはどう変わるのか
定年後は二人で過ごす時間も増えることでしょう。しかし、お互いの理想の暮らしに食い違いが生じる可能性もあります。たとえば、夫は毎日のんびり暮らしたいと思っていても、妻は趣味を思いっきり楽しみたいと思っているかもしれません。実際に、定年後は今までと逆の立場になり、妻が家を空けることが増えて、夫が留守番というケースもあるようです。
また、夫が退職した後は、今まで以上に顔をあわせることになります。食事の用意も毎日3食必要になるケースもあるでしょう。なかには「夫が付きまとってくるようになった」と感じている方も少なくないようです。そういったことから、定年退職前よりもお互いに窮屈な思いを感じてしまうこともめずらしくありません。
しかし、せっかく二人だけの時間を満喫できる機会です。夫婦円満に暮らすためにも、お互いの関係性や住みよい暮らしについて話し合うことが大切です。
セカンドライフを送る住居で考えたいポイント
定年後は海外や田舎で暮らしたいと考えていた方たちが多くいましたが、近年は今住んでいる家でゆっくりと過ごしたいと考える方が多数派に。海外において安全で豊かな生活を送るには、膨大な資金が必要になることから、メリットが少ないと感じる方もいるのかもしれません。そして何より、長年生活してきた土地を離れる寂しさがあるのでしょう。どんな土地で暮らしていくことがこれからの人生を快適なものにするのか、夫婦で納得するまで話し合ってみることをおすすめします。
セカンドライフに合わせて住まいを変える方法
住み慣れた地域でセカンドライフを送るのは、安心感だけでなく近所の方との付き合いも構築されているため快適です。ただ、その家に住んでいるのは二人だけになったという変化があります。今までは子どもたちと暮らしていたのであれば、子ども部屋がほったらかしになっていないでしょうか? また、何年も経っているのであれば、どこかに劣化が生じているかもしれません。
そういった場合には、二人が生活しやすいように、リフォームやリノベーションをしてみるのもいいでしょう。新しい生活に合わせた住まいを作っていくことをおすすめします。
リフォームとリノベーションの違いとは
リフォームとは、老朽化した建物を新築のような状態に戻すことを意味し、マイナスの状態になっているものをゼロの状態に戻すというニュアンスで使われます。たとえば、壁紙の張替えや、外装の塗り直し、水まわりの設備の刷新などが挙げられます。長年暮らした家をキレイな状態に戻しておけば、財産としても価値が下がりにくくなります。また、リフォームはリノベーションに比べると短期間の工事で終わることが多く、手間をかけずにキレイな状態に戻せるのがポイントです。
一方、リノベーションとは既存の建物に手を加えることで、住まいの性能を向上させたり価値を高めたりすることを意味します。リノベーションは“プラスα”の作業と考えるのがよいでしょう。たとえば、デザイン性の高い内装にしたり、仕切りの壁を取り除いて広々とした空間にしたりすることが挙げられます。老後の生活を見通して、バリアフリーを取り入れるのもリノベーションです。ライフスタイルの変化に合わせたアレンジが加えられるので、近年では人気が高まっています。
リフォーム・リノベーションの注意点
セカンドライフを快適なものにするためにも、今まで住んでいた住宅をリフォーム・リノベーションすることが注目されています。リフォーム・リノベーションするときに注意したいポイントについて解説します。
水まわりをきれいにする
リフォーム・リノベーションするときに着目したいのが「水まわり」です。年月が経つと痛みやすい部分であり、汚れも目立ってきます。夫婦ともに自宅で過ごす時間が増え、夫がキッチンを使うことも増えるかもしれません。この機会に、使いやすくキレイな水まわりに整えておくのがおすすめです。
また、水まわりをキレイにするということは、キッチン、トイレ、風呂などの住宅の基本部分を整えることにもなります。第二の人生を始めるのにふさわしいスタートを切れるのではないでしょうか。
メンテナンスがかからない住宅に変える
せっかくキレイな部屋にしても、メンテナンスが大がかりになるものは手間がかかります。外壁塗装の種類によっては、10年おきにリフォームしなくてはならないものもあります。
今後の生活のことを考えて、手間や費用がかからないものを選択するのがおすすめです。初期コストが多少高くなっても、長期的な目で見ればむしろお得になるケースもあります。セカンドライフに金銭的な不安を残さないよう安定して暮らせるように工夫していきましょう。
バリアフリーを取り入れる
厚生労働省が発表している家庭内事故の原因を見ると、家の構造に原因があるケースが多いことがわかります。家のつくりが古いままになっていると、高齢者にとっては事故の原因になり得ます。高齢になればなるほど、足腰や骨、筋力や握力、視力や聴力などあらゆる力が低下していきます。身体機能に合わせた住まいづくりをしないと、家の構造が原因で死亡事故につながる可能性もあるのです。
階段に手すりを付けたり、段差をなくしたり、浴槽に滑り止めを追加したりするなど家のなかを安全に移動できるような工夫をほどこしましょう。セカンドライフの開始時に備えておけば、後々出費がかさんでしまうこともありません。
一人の空間をつくる
定年前は夫が仕事や付き合いで家を空けていることも多かったでしょう。しかし、夫婦二人とも家にいるようになり、息苦しさを感じるケースも。そのことから喧嘩が多くなったり、離婚に至ってしまったりすることもあります。せっかく残りの人生を二人で暮らすので、円満な暮らしを目指したいもの。
そのためには、いつも二人でいるのではなく、お互いの時間を確保できるような工夫が必要です。夫と妻がそれぞれ一人の部屋を持ったり、リビングとは別の部屋を確保したりするなどの工夫をするのもおすすめです。
「楽」な住宅を考える
セカンドライフは第二の人生と言われますが、これまでの時間がリセットされるわけではありません。リフォーム・リノベーションする際には、どんなときにも「楽」ができるような住まいがおすすめです。
肉体的に楽な住宅づくりを目指すには、動線を見直す必要があります。掃除や収納、洗濯などの家事が比較的楽にできる動線を意識してみましょう。毎日やらなくてはいけない家事は、なるべく楽にできる工夫が必要です。
精神的に楽な住宅にするには、ストレスや窮屈感がないことを意識しましょう。先述のとおり、一人の時間を持てるように工夫することが重要です。年齢を重ねると睡眠が浅くなりがちなので、熟睡できるような空間をつくったり、寝具にこだわったりするのもおすすめです。
金銭的に「楽」な住宅づくりを目指すには、メンテナンスや光熱費にお金がかからないことが大切です。省エネが期待できる素材を使ったり、住宅が広い場合には減築したりするのも一つの手。近年では太陽光発電を取り入れる方も増えています。
住み替えという選択も
リフォーム・リノベーションしてセカンドライフを迎えるという方法は、住み慣れた土地で生活できるのでとても魅力的でしょう。しかし、選択肢はリフォーム・リノベーションすることだけではありません。最近では、シニア向けの住宅やコンパクトマンションが増えてきているので、そういったところに住み替えることも視野に入れておくとよいでしょう。
現在住んでいる家が一戸建ての場合には、建物の維持や防犯対策、スペースが余ってしまうなどの問題が発生することがあります。住み慣れた土地で暮らしたくても、金銭的に余裕がなくなるケースも多々あるのです。とくに郊外に家がある場合には、外出のたびに車が必要になり、不便に感じることも出てくるかもしれません。
シニア向けマンションへの住み替え
近年では、シニア向けのマンションが増えており、バリアフリーにも対応しています。ほかにも駅から近かったり、自然豊かな土地に建てられたりしているので、快適な暮らしを実現できます。高齢者のニーズに合わせたマンションなので、リフォーム・リノベーションしなくても快適さを手に入れることができます。
入居条件は、自立した生活ができる高齢者に限られています。周りに同年代の方が多く住んでいるので、友人ができやすいのもメリットです。より充実したセカンドライフを送るのに打ってつけの環境と言えるでしょう。
コンパクトマンションへの住み替え
今住んでいる住宅が駅から遠い一戸建ての場合は、コンパクトマンションへの住み替えも選択肢の一つです。コンパクトマンションは少人数で暮らす方向けのマンションで、設備の充実度が高いのが特徴です。最近のマンションでは、バリアフリーが導入されているだけでなく、防犯対策もほどこされています。精神的にも肉体的にも楽ができる暮らしを目指せるでしょう。
また、マンションに住み替えた後にリフォーム・リノベーションをするという選択肢も。物件によっては断熱式にしたり、さらにバリアフリー化を取り入れた内装にしたりすることもできます。
コーポラティブハウス
コーポラティブハウスとは、入居希望者が建設組合を作り共同でマンションの建設を進めていく住宅です。計画段階から入居希望者が集まって事業を進めていくので、仲よくなった方同士で入居できるのがポイントです。
高齢になって身近に知り合いがいないと寂しく思っているのであれば、こういった事業に参加してみるのもいいでしょう。
住まいの縮小化で資産運用にも◎
住み替えにもさまざまな選択肢がありますが、住まいを二人用に最適化することが重要です。老後の生活には金銭的な不安もあるでしょう。そのような不安を軽くするために、住まいを縮小し、売却資金を手に入れることも選択肢の一つに挙げられます。その資金が老後の生活を支えてくれるかもしれません。
豊かなセカンドライフを送れる住まいを手に入れよう
セカンドライフは、仕事や子育てが軸から外れ、自分だけの時間がたっぷりと確保できる第二の人生です。30年近くあるセカンドライフを充実したものにするには、住まいを整える必要があるでしょう。理想の暮らしについて二人で話し合って、素敵な人生をリスタートしましょう!
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竹内 英二
不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
土地活用と賃貸借の分野が得意。賃貸に関しては、貸主や借主からの相談を多く受けている。
⇒竹内 英二さんの記事一覧はこちら
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