- 戸建て売却の流れは12のステップで進んでいく
- それぞれのステップで「何をすべきか」理解しておくべき
- 戸建て売却で後悔しないためにも全体像を把握して準備を始めよう
不動産売却なら
スターツグループで
※2023/4/1~2024/3/31お客様アンケート集計結果
- 首都圏91店舗
- 創業55年を誇る確かな実績
- 地域密着と多様な売却方法
クラモアがご紹介するスターツピタットハウスでは、首都圏91店舗の地域密着営業で経験豊富なスタッフが全面的にサポートを行っていますので、はじめての売却でも安心して取引を行うことができます。
※2023/4/1~2024/3/31お客様アンケート集計結果
【全体像を解説】戸建て売却の流れ
戸建て売却の流れは、大きく分けて12のステップで進んでいきます。まずは、戸建て売却の全体像を把握しましょう。
それぞれのステップの詳細について、具体的に解説していきます。お急ぎの方は、上記の表のリンクより、各ステップの詳細をご覧いただけます。ぜひご利用ください。
戸建て売却にかかる期間について知りたい場合は、「戸建売却の期間は3ヶ月から11ヶ月!短期間で売却するコツ8つ紹介」で具体的に解説しています。
STEP1|事前に希望と現状を洗い出す
戸建て売却の最初のステップは、売却に関する希望と現状を把握しておくことです。
なにも考えずに戸建て売却をはじめてしまうと、なかなか希望価格で物件を売却できずに悔しい思いをしてしまうかもしれません。 戸建て売却をする理由や希望、戸建ての現状などを洗い出しておくことで、より効率よく売却活動を進めていけるのです。
事前に洗い出しておくべき項目について、具体的に解説します。
売却する目的
何のために所有している戸建て物件を売却するのか、目的を明確にしておくと、売却活動の方向性を決められます。 売却の目的は、家族によってそれぞれ違うため、導き出される「戸建て売却をして得たい結果」も大きく変わってくるのです。
たとえば、以下のような売却理由が挙げられます。
▼売却する目的の例
・子どもの独立をきっかけに、夫婦で田舎に引っ越したい
・子どもの進学に合わせて、家族で都会に引っ越すことになった
・親と同居して介護することになり、バリアフリー住宅に住み替えたい
・海外赴任する事になり、長期間にわたり家に住めなくなった
・離婚したことで、1人で戸建てに住み続けられなくなった
・戸建て物件を相続したが、住まないので管理ができない
・住宅ローンを払い続けられないので売却したい
上記のように、家族構成や環境が変わったことで、戸建て住宅の売却を考える人がほとんどです。
売却する目的を洗い出しておくと、希望売却価格や売却時期だけでなく、売却方法なども考えやすくなります。
▼目的によって戸建て売却の考え方が変わってくる例
・住み替えの場合は、希望に近い売却金額や売却期間が重要になる
・相続した場合は、建物の状態次第で更地にしたほうが良い場合もある
・海外赴任や離婚が理由の場合は、賃貸にした方がメリットが多い可能性もある
・住宅ローンが払えない場合は、一般売却ではなく任意売却という方法もある
このように、場合によっては戸建て売却だけではなく、土地売却や賃貸活用という方法もあります。
戸建て物件を適切に活用するためにも、目的によってどのような選択肢があるのかを、事前にしっかりと把握しておくべきです。
【売却だけでなく「賃貸」という方法もある】
戸建て住宅を売却する目的次第では、売却ではなく賃貸物件として活用していく方法もおすすめです。
「戸建て住宅を完全に手放すことに迷いがある」、「築年数が経過しているので査定価格が予想よりも安くなってしまった」などに当てはまる場合は、賃貸で家賃収入を得た方がメリットが多い可能性もあります。
戸建て売却と賃貸、どちらを選ぶべきか悩んでいる方は、不動産会社に相談して適切な判断を仰ぐのがおすすめです。
希望売却価格
所有している戸建て住宅の希望売却価格も、事前に目安として算出しておくのがおすすめです。希望売却価格を考える際には、以下のような要素が価格を左右しています。
▼希望売却価格を考える際の要素
・物件購入時の価格
・土地購入時の価格
・新しい物件を購入する費用に充てたい場合は、その希望額
もちろん、必ずしも希望している価格で売却されるわけではありません。 しかし事前に上記のような要素を洗い出しておけば、売出価格を決める際の基準になります。 より効率よく売出価格を決めるためにも、事前に大まかな売却価格のイメージをしておいてください。
売却にかける期間
「いつまでに売却したい」という、売却にかける期間を事前に考えておくことも重要になってきます。 短期間で売却したい場合と、長期間かけても確実に売却したい場合では、不動産会社の売出方法も変わってくるからです。
売却にかける期間を考える際の要素には、下記のようなものがあります。
▼売却にかける期間を考える際の要素
・引っ越さなければいけないタイミング
・手元にお金が欲しいタイミング
・築年数
売却にかける期間を決めておくことで、買い主がいないまま売り出しっぱなしにならないように、事前に対策を考えられます。
戸建て売却で期間について考える際のコツについては「戸建売却の期間は3ヶ月から11ヶ月!短期間で売却するコツ8つ紹介」で解説しているので参考にしてみてください。
【築年数20年目が戸建て売却のタイミングを大きく左右する】
戸建て住宅の資産価値は、築年数が経過すると共に下落していきます。 とくに築年数20年以上の物件は、建物の資産価値は購入時の1割ほどになってしまうのです。 築年数が20年を超える前に、売却することで、少しでも売却価格を高くできる可能性があります。
詳しくは、「【全国版】築20年一戸建ての売却相場一覧!売却成功の6の秘訣紹介」で解説しているので、参考にしてみてください。
資産の状態
あなたの資産の状態も、戸建て売却するうえで把握しておくべき要素のひとつです。
具体的には、以下の点の確認が求められます。
▼資産の状態
・売却したい戸建て住宅の住宅ローンの残債
・戸建て売却の仲介手数料を支払える手元の資金
戸建て売却には、仲介手数料の支払いや手続きに必要な印紙代など、売主にも余裕を持った資金が必要です。 住宅ローンを完済している場合と、完済していない場合では、手続きや必要書類が変わってきます。 売却方法自体が変わるケースもあるため、必ず住宅ローンの残債についての確認が必要です。
住宅ローンが残っている場合の戸建て売却については「ローン中の戸建売却を成功させる3つの方法|失敗例を交えて解説」で解説しているので、ぜひご覧ください。
【戸建て売却では「抵当権の抹消」を忘れずに!】
住宅ローンをすでに完済している場合は、完済した段階で抵当権(不動産を住宅ローンの担保にしたときの権利)の抹消をする必要があります。
戸建て売却では、抵当権が残っていると物件を売却できません。 抵当権を抹消するのに時間がかかってしまう場合もあるので、抹消手続きが必要です。
住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消は、「戸建売却の手数料は売却価格4〜6%!必要な費用一覧と安くする方法」で解説します。
建物と土地の状態
戸建て住宅を売却する場合は、売却価格を大きく左右する、建物と土地の状態を事前に確認しておきます。
▼建物の状態
・室内の汚れ
・雨漏り
・天井裏の水濡れ
・シロアリ被害
・床下の浸水被害や劣化
・建物の傾き
▼土地の状態
・近隣住宅との境界線
・道路と接している間口の広さ
・敷地内に粗大ゴミが散乱しているか否か
建物と土地の状態は、戸建て住宅の売出価格を大きく左右します。 雨漏りやシロアリ被害だけでなく、近隣住宅との曖昧な境界などがあると、売却後に損害賠償に発展する可能性もあるのです。 売却後のトラブルを回避するためにも、事前に建物と土地の状態を調査しておく必要があります。
ただし、建物や土地の調査は個人では対応が難しく、自己判断で行って失敗してしまう可能性もあるので注意してください。 具体的には「ホームインスペクション(住宅診断)をするべきか相談する」で解説します。
建物と土地の所有者
戸建て住宅を売却する場合は、建物と土地の所有者を調べておく必要があります。
▼所有者の確認
・建物の所有者
・建物が建っている土地の所有者
あなた自身が土地を購入して住宅を建てた物件であれば、所有者の確認は必要ない場合がほとんどです。 しかし、家族から相続した戸建て住宅を売却したい場合は、建物と土地の所有者を確認する必要があります。
建物や土地の所有者の確認方法と変更方法は、以下のとおりです。
所有者の確認方法 | 建物や土地の最寄りにある法務局で、登記簿謄本を取得して名義を確認する |
---|---|
名義変更の方法 | 1. 法務局で登記申請書を取得する 2. 名義変更申請書と必要書類を準備する 3. 法務局に申請書と添付書類を提出する |
親族から不動産を相続した場合は、前の持ち主が名義変更していなかった場合もあるので、必ず所有者の確認をしましょう。 複数人で不動産を所有している共有名義の場合もあるので、戸建て売却を考え始めた段階で所有者を調べておく必要があります。
STEP2|自分で戸建ての売却相場を調べる
事前準備で、さまざまな情報を洗い出せたら、次は自分で戸建て住宅の売却相場を調べます。
「不動産の売却相場を自分で調べられるの?」と考える方もいるかもしれません。もちろん正確な売却価格を知るには、不動産会社の査定が必要です。
しかし、全国で実際に取引されている不動産情報を調べることで、自宅でも、概算の売却相場を調べられます。
▼自宅でできる売却相場の調べ方3つ
・不動産ライブラリ:国土交通省
・レインズマーケット・インフォメーション:不動産流通機構
・物件検索サイト:各不動産会社
自分で売却相場を調べると、売却価格のイメージだけでなく、不動産会社の査定額が妥当であるか判断もできます。 すぐに戸建て売却の相場を知りたい方は、「【相場早見表付き】戸建売却の相場はいくら?高く売るコツも解説」でも解説しているので、ぜひご覧ください。
上記の3つの方法を使うのが一般的ですが、1つの情報源では情報に偏りが出てしまいます。 1つの検索サイトだけではなく、複数の情報源を活用して、より多くの相場を比較してみてください。
不動産情報ライブラリ
出典:国土交通省 「不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード」
国土交通省が運営している不動産情報ライブラリとは、実際に取引された不動産の価格や情報を調べられる検索サイトです。
不動産情報ライブラリでは、以下のような情報を閲覧できます。
- 地域
- 最寄駅
- 最終的な取引総額
- 土地情報(面積・形状)
- 建物情報(面積・建築年数・構造)
- 接している道路情報(道幅・種類・方角)
- 建ぺい率と容積率
不動産情報ライブラリは、数多くの取引実績を調べられます。
検索結果のなかから、あなたが売却した住宅に近い築年数・土地面積・地域など調べて、取引価格を調べられるのです。
レインズマーケット・インフォメーション
出典:レインズマーケット・インフォメーション|不動産流通機構
レインズマーケット・インフォメーションは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営している不動産総合検索サイトです。 レインズマーケット・インフォメーションでは、以下のような情報を閲覧できます。
- 地域
- 最寄駅と駅からの距離
- 最終的な取引総額
- 土地情報(面積のみ)
- 建物情報(面積・建築年数・間取り)
前述している不動産情報ライブラリだけでは調べられなかった、駅からの距離や間取りを参考にすることができます。 不動産情報ライブラリとレインズマーケット・インフォーメーションの両方を活用して多くの情報を調べることで、偏りのない売却相場を調べられます。 ぜひ、試してみてください。
物件検索サイト
不動産情報ライブラリとレインズマーケット・インフォメーションでは、最終的に取引成立に至った成約価格が掲載されていますが、売出価格は掲載されていません。 「実際にいくらで売り出すべき?」という疑問は、物件検索サイトを調べることで解決できます。
今ご覧いただいているサイト『クラモア』でも、地域ごとに売り出されている物件を調べることができます。
不動産検索サイトでは、主に以下のような情報が掲載されています。
- 地域
- 最寄駅と駅からの距離
- 売出価格
- 土地情報(面積のみ)
- 建物情報(面積・建築年数・間取り)
- 物件の写真
物件検索サイトでは、その不動産会社が取り扱っている物件のみが掲載されています。 地域によっては掲載物件が少ない場合や、情報にばらつきがある場合もあるため、複数の物件検索サイトを利用するのがおすすめです。
STEP3|不動産会社に査定を依頼する
あなたが所有している戸建て住宅の売却相場がある程度イメージできたら、次は不動産会社の査定が必要です。 不動産会社に査定を依頼することで、実際に売却できる見込み額を算出してもらえます。
▼不動産会社に査定してもらう2つの方法
・まずは4社から5社以上の複数の会社による簡易査定
・1社から2社に絞れてきたら訪問査定
2つの方法について、具体的に解説していきます。
まずは4社から5社以上の複数の会社による簡易査定
まずは、実際に物件を見ることなく、情報のみで行う簡易査定を、複数の不動産会社に依頼します。
簡易査定とは、物件の所在・土地面積・建物面積・築年数・間取りなどの情報を元に、類似物件や市場動向を参考にして査定金額を算出してもらう方法です。
簡易査定には、以下のような特徴があります。
メリット | ・自宅にいながら手軽に査定依頼できる ・査定結果が数日で届く ・多くの不動産会社に依頼できる |
---|---|
デメリット | ・あくまでも概算の査定価格になる ・実際に物件をみると査定額が減額になる可能性がある ・営業電話がかかってくる可能性がある |
不動産会社のサイトや一括査定サイトなどを活用することで、さまざまな不動産会社に簡易査定依頼ができます。 条件と対応が良い不動産会社に出会うためにも、4社から5社以上の不動産会社に簡易査定を依頼するべきです。
簡易査定を依頼する手間を省きたい方は、不動産会社に一括で査定依頼ができる、不動産一括査定の利用が便利です。 一括査定を行うときの注意点については、「戸建売却の一括査定には5つのデメリットがある!対策や注意点も解説」でも解説しています。ぜひご参考ください。
まずは無料で調べてみたいという人は、ぜひ以下のフォームをご利用ください。
あなたの不動産、今いくらで売れる?
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物件種別を選択してください
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郵便番号または都道府県から査定物件のエリアを指定
郵便番号
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エリアを選択してください
ご住所
大変申し訳ございません。
対応エリア外のため査定できません。
対象エリア:東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県・大阪府・京都府・兵庫県
※エリア内でも、ケースによってお取り扱いできない場合があります。
1社から2社に絞れてきたら訪問査定
簡易査定で大体の査定額がわかってきたら、正確な査定価格を算出するために訪問査定が必須になってきます。 戸建てはマンションと違い物件の条件がさまざまなので、訪問査定をしなければ、適切な売却価格を決められないからです。
訪問査定の特徴は以下のとおりです。
メリット | ・売却価格に近い査定価格を算出できる ・より高額で売却するためのアドバイスをもらえる ・売却、賃貸、建て壊しなど、どれにすべきか判断してもらえる |
---|---|
デメリット | ・不動産会社と訪問の日程をすり合わせる必要がある ・訪問査定に立ち会わなければいけない |
訪問査定では、現場を訪れなければわからない建物や土地の状態に加えて、周囲環境などさまざまな視点から査定を行っています。
- 土地の形状
- 隣の土地との境界
- 接している道路の幅
- 周囲の環境
- ライフラインの状態
- 建物の状況
- 管理の状況
- 居住状態
上記のような項目を査定したうえで、状況にあわせたアドバイスをくれる場合もあるのです。
訪問査定を依頼した1社のみで契約を決めるのではなく、1社から2社比較したうえで、あなたと相性の良い不動産会社を選びます。
【不動産会社を選ぶときのポイント!】
訪問査定をしたうえで、不動産会社を選ぶ際には、以下のポイントを意識してください。
・高い査定額ではなく、現実的な価格を提示してくれる
・物件の良い点、悪い点をそれぞれ教えてくれる
・親身にあなたの希望を実現するために相談になってくれる
みんなが不動産会社選びで重視してることは?
クラモアが独自に調査した、不動産売却を検討している方へのアンケート結果によると、不動産を売却する際に依頼する会社選びで重視することとして多かったのは、「高く売却できる」(31.6%)、「担当者の対応が丁寧」(20.7%)、「売却エリアに詳しい(地域密着型)」(15.8%)でした。
最も多い回答が「高く売却できる」という結果であることから、不動産会社への売却に対する期待値(高く売れることに対する期待値)が高いことが分かります。
大切な不動産を高く売却するには、売却のノウハウを持ち、その地域に詳しい「信頼できる担当者」がいる不動産会社を選ぶことが大切です。 専門知識を持つ不動産会社は、市場分析や適正な価格設定だけでなく、複雑な売却手続きもしっかりサポートしてくれます。 また、物件の立地や特性、市場動向などを熟知しているため、マンションを高く売るための戦略を一緒に立てることが可能です。
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STEP4|戸建て売却に必要な書類を集める
訪問査定を通して、戸建て売却を依頼したい不動産会社が絞れてきたら、必要書類を集めましょう。
戸建て売却に必要な書類には、下記のようなものがあります。
・売主が物件購入時や建築時にすでに保有しているもの
・売主が自分で公的機関から集められるもの
・専門家が作成するもの
・売却契約を結んでから集めるもの
売主が事前に用意できる戸建て売却の必要書類は、以下のとおりです。
▼主な必要書類
□ 土地・建物登記済証(権利証)もしくは登記識別情報
□ 固定資産税・都市計画税納税通知書
□ 印鑑証明と実印
□ 建築確認通知書・検査済証
□ 物件状況等報告書
□ 付帯設備表
□ 測量図・建物図面
□ 銀行口座書類
□ 本人確認書類
□ 住民票
戸建て売却では建物だけではなく、土地に関する書類も必要になってきます。 すでに売主が書類を持っている場合もあれば、法務局などで発行しなければいけない書類もあるので、書類集めには時間が必要です。 必要書類を集めるだけで時間と労力が必要になってくるため、事前に用意できるものは集めておきましょう。
必要書類については、「一戸建て売却の基本|初めてでも成功へ導く秘訣とよくある疑問解決!」で書類の入手方法から、使用するタイミングまで解説しているので、参考にしてください。
STEP5|不動産会社と媒介契約を結ぶ
戸建て売却を依頼する不動産会社が決まったら、不動産会社と媒介契約を結びます。
不動産会社に買い主を探してもらう場合、以下の3つの媒介契約の種類から契約方法を選ぶ必要があります。
媒介契約の種類 | 専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 |
---|---|---|---|
複数業者との契約 | 不可 | 不可 | 2社以上と同時契約可能 |
レインズ*1の登録 | 義務あり | 義務あり | 義務なし |
報告義務*2 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 義務なし |
自己発見取引*3 | 不可 | 不可 | 可能 |
参考:全日本不動産協会|初めて家を売却する人が読む本『家を売る。』を元に作成
*1:レインズとは、不動産情報が掲載されているネットワークシステムの通称です。所属している全国の不動産会社に情報提供されるため、買い主を早く見つけやすくなります。
*2:報告義務とは、不動産会社が、販売状況を売主へ報告する義務のことを指します。
*3:自己発見取引とは、売主が直接買い主を見つけた場合に、不動産会社を通さずに直接取引することを指します。
3つの媒介契約を簡単に比較すると、以下のような特徴があります。
専属専任媒介契約と専任媒介契約は、1社の不動産会社のみに依頼するため、積極的に売り出してもらえるのでおすすめです。 しかし、築浅物件や人気物件など「すぐに売却できる可能性がある物件」を売却する場合は、一般媒介契約の選択肢も検討する余地があります。 3つの契約について具体的に違いを知り、あなたにとってベストな契約方法を選択してください。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約とは、戸建て住宅の売却活動を1社の不動産会社のみに任せる契約です。
「専任」とあるように、たとえ売主が直接買い主を見つけた場合でも、不動産会社の仲介を通じなければ契約はできません。
専属専任媒介契約の特徴は、以下のとおりです。
メリット | ・不動産会社が積極的に買い主を探してくれる ・短期間で売却に結びつく可能性が高い ・やり取りを一本化できる ・売却活動の状況を確認しやすい |
---|---|
デメリット | ・囲い込みされる可能性がある ・売主が買い主を探してきても仲介手数料をとられる ・不動産会社の力量で結果が左右される |
1社の不動産会社のみに売却活動をすべて任せるため、不動産会社も積極的に高額に売却するための活動を行ってくれます。売却が難しい物件は、積極的な売却活動で、1週間に一回以上状況を報告してくれる専属専任媒介契約が向いている場合があります。
一般媒介契約では買い主がつかなかった物件でも、専属専任媒介契約に変えたことで、売買制約に至ったケースもあるのです。
魅力的な専属専任媒介契約ですが、稀にある囲い込みには注意しなければいけません。
【囲い込みとは】
囲い込みとは、不動産会社が売主と買い主の双方から仲介手数料を得るために行う行為を指します。
自社で仲介手数料を得るために、ほかの不動産会社から問い合わせが来ても「すでに申し込みが入っている」と断ってしまうのです。
全ての不動産会社が実施しているわけではありませんが、仮に囲い込みをしてしまうと、売主が希望している売却期間や希望価格では、売却できなくなってしまう可能性があります。
専属専任媒介契約は、囲い込みリスクはあるものの、積極的に営業活動をしてくれるのでメリットも多くあります。 専属専任媒介契約が向いているのは、以下に当てはまる人です。
▼専属専任媒介契約が向いている人
・早く売却したい人
・できるだけやり取りの手間を省きたい人
・条件的に売りにくい、人気がない物件を売却したい人
専任媒介契約
専任媒介契約とは、前述した専属専任媒介契約と同じで1社のみに売却活動を任せる契約です。 異なる点としては、売主が買い主を見つけた場合は、直接売買取引を行える「自己発見取引」が認められている点が挙げられます。
専任媒介契約の特徴は、以下のとおりです。
メリット | ・不動産会社が積極的に買い主を探してくれる ・短期間で売却に結びつく可能性が高い ・やり取りを一本化できる ・売却活動の状況を確認しやすい ・買い主との直接売買取引もできるので仲介手数料が発生しない場合もある ※金融機関から住宅ローンとして融資を受ける場合、不動産仲介会社を通して契約することを必須条件とされる可能性があります。 |
---|---|
デメリット | ・囲い込みされる可能性がある ・不動産会社の力量で結果が左右される |
専任媒介契約の場合も、専属専任契約と同じで、囲い込みのリスクはあります。 囲い込みリスクを回避するためには、売却活動を依頼する不動産会社をしっかりと見極めなければいけないのです。
専任媒介契約については、「専任媒介契約って何?家を売るときの手数料や契約解除について解説!」で解説しているのでご覧ください。
専任媒介契約は、以下のような人に向いています。
▼専属専任媒介契約が向いている人
・早く売却したい人
・できるだけやり取りの手間を省きたい人
・条件的に売りにくい、人気がない物件を売却したい人
・不動産会社に任せるだけでなく、自分でも並行して売却活動したい人
・直接取引で仲介手数料を節約できる可能性を残したい人
一般媒介契約
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に仲介を依頼できるだけでなく、売主が買い主と直接売買取引もできる契約です。
一般媒介契約には、以下のような特徴があります。
メリット | ・同時に複数の不動産会社と契約できる ・売却活動できる範囲が広がる ・買い主が見つかりやすくなる ・不動産会社に不満がある場合は契約を解除しやすい ・買い主との直接売買取引もできるので仲介手数料が発生しない場合もある |
---|---|
デメリット | ・レインズに登録してもらえない場合もある ・積極的に売却活動してもらえない可能性もある ・売却活動の進捗具合がわからない ・売主が各不動産会社に進捗状況確認の連絡を入れなければいけない |
複数の不動産会社と同時に契約できる一般媒介契約は、不動産会社の対応が以下の2パターンに分かれる可能性があります。
・「ほかの不動産会社より、早く売却しよう!」と積極的に活動してくれる
・「どうせ、ほかの不動産会社で売れるだろう」と積極的に活動してくれない
すでに売却が難しいと考えられる築古物件や田舎の物件を売却したい場合には、売れ残ってしまう可能性もあります。 一般媒介契約は、以下のような人におすすめです。
▼一般媒介契約が向いている人
・人気エリアにある物件を売却したい人
・築浅物件を売却したい人
・複数の不動産会社とこまめにやり取りできる人
・不動産会社に任せるだけでなく、自分でも並行して売却活動したい人
不動産売却なら
スターツグループで
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STEP6|不動産会社と戸建て売却の戦略を立てる
不動産会社と媒介契約を結んだら、不動産会社と一緒に、あなたの戸建てを売却するための戦略をたてていきます。
戸建て住宅を売り出す前に、不動産会社と話し合う際に大切なポイントは、以下のとおりです。
▼不動産会社と話し合う際のポイント
・事前に洗い出した希望や条件を明確に伝える
・ホームインスペクション(住宅診断)をするべきか相談する
・建物が古すぎる場合は解体して土地売却を検討する
・売り出し価格を決める
・売却にかける期間を決める
それぞれのポイントで意識するべきことを理解して、不動産会社とスムーズに相談できるようになります。
事前に洗い出した希望や条件を明確に伝える
まずは、「2. STEP1|事前に希望と現状を洗い出す」で出した希望や条件を、不動産会社に明確に伝えることが重要です。
不動産会社は、売り出した物件が売却成立するまで、収益を得られません。 そのため、売主の希望がない場合は、可能な限り早く契約を進めようとしてしまう場合があります。 あなたの希望や条件を理解していない場合は、早く成約させるために大幅な値引き交渉に応じてしまうかもしれません。
住宅の売買は、あなたの人生においても大きな金銭のやり取りになってきます。
「こんなはずじゃなかった」という後悔を避けるためにも、あなたの希望や条件を不動産会社に明確に伝えておいてください。
ホームインスペクション(住宅診断)をするべきか相談する
物件を売却する可能性を高めるために、ホームインスペクション(住宅診断)を受けるべきか相談します。
【ホームインスペクション(住宅診断)とは】
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅の劣化状況や欠陥を調査し、修繕すべき箇所や費用などを教えてくれる仕組みです。 中古住宅の売買取引のなかでホームインスペクションを行っておくことで、物件の状態を明確にできます。
売主は売却しやすく、買い主は安心して購入しやすくなることが期待できるのです。
ホームインスペクションを事前に受けておけば、調査した物件の状態に同意したうえで売買契約が成立したと証明できます。 売却後に修繕が必要な箇所が見つかり、買い主から修繕費や損害賠償金を請求されるようなリスクを回避できるのです。
ホームインスペクションでは、主に以下の項目を調査してくれます。
▼調査項目
・基礎、土台、床、外壁、内壁などのひび割れ、劣化、傾き
・バルコニーの支柱のぐらつき
・シロアリ被害や腐食の有無
・コンクリートの圧縮強度
・雨漏り
参考:一般社団法人全日本ハウスインスペクター協会|既存住宅状況調査とはより抜粋
ホームインスペクションには、売主が依頼して診断してもらう場合と、買い主が依頼して診断してもらう場合の2つがあります。買い主が自分で診断業者を選びたいと主張する場合もあるため、自己判断で依頼する場合は注意が必要です。
適切なタイミングで診断を受けて、買い主に安心してもらうためにも、不動産会社に相談してから実施することをおすすめします。
ホームインスペクションについては、「家のコンディションを把握する「ホームインスペクション(住宅診断)は必要?」で解説しているので、参考にしてください。
建物が古すぎる場合は解体して土地売却を検討する
築年数が古く状態が悪い場合は、不動産会社に相談して、建物解体後に土地売却にシフトした方が売却しやすい場合もあります。
土地売却にシフトすると得られるメリットは、以下のとおりです。
▼戸建て売却から土地売却にシフトして得られるメリット
・買い主が解体する手間が省けるので売れやすくなる
・新築を建てたい買い主にもアピールできる
・地中に何か埋まっていた場合などに発生する後日トラブルを回避できる
築25年以上の戸建て住宅を売却したいと考えている場合は、建物と土地の状態次第では、解体した方が売りやすい可能性があります。 建物を解体して土地売却をするべきか決めるためにも、専門家である不動産会社にアドバイスをもらいましょう。 解体する場合は、不動産会社に解体費用の見積もりを依頼して、土地売却をする方向性で進めていきます。
解体費用について知りたい方は、「家を解体するにはいくらかかる?費用相場や工事内容を把握しておこう」を参考にしてみてください。
【解体すると再建築不可になるケースもあるので要注意!】
建物が古いからといって、必ずしも解体すべきだというわけではありません。築年数が古い物件の場合、一度建物を解体してしまうと、以降建物を建築できない「再建築不可物件」になってしまうケースもあります。
再建築不可物件になってしまうと、建物を建てられない土地として売り出さなければいけません。再建築不可物件の条件については、自己判断が難しいので、必ず不動産会社に相談して解体を検討してください。
売り出し価格を決める
物件の売り出し前に必ず決めなければいけないのが、売り出し価格です。 売り出し価格とは、不動産広告や不動産検索サイトの掲載価格を指します。
買い主が値下げ交渉を希望する場合もあるため、あなたの希望価格よりも少し高めに設定しておくのがおすすめです。 以下のポイントを意識して、売り出し価格を決めましょう。
▼売り出し価格を決める際のポイント
・希望する売却価格
・対応可能な値下げ価格
・相場よりも安い売り出し価格で早く売却したいかどうか
・値下げしてでも早く売却したいかどうか
あなたが何を重要視するかによって、売り出し価格が変わってくるのです。 売り出し価格は、今後の売却活動を左右する重要事項なので、営業担当者と話し合って後悔しない価格に設定する必要があります。
売却にかける期間を決める
売り出し価格と同時に、「いつまでに売却したいのか」を決めておくのがおすすめです。希望する売却時期を決めておくことで、計画的に売却活動を進められます。
もしも、まだ引越しをしていない場合は、売却にかける期間によって引越しタイミングも変わってくるかもしれません。
具体的には、以下の点について考えておくのがおすすめです。
▼期間を考える際のポイント
・値下げしてでも、可能な限り早く売却したいのか
・長期になってでも、希望価格で売却したいのか
・すでに引越しをしているのか
・売却が決まってから引越しをするのか(いつ頃までに引っ越したいのか)
戸建ての売却活動は、約3ヶ月から11ヶ月ほどかかるのが一般的です。 事前準備や申し込みが入るまでの期間は、それぞれの状況によって大きく変わってきます。 事前に売却にかけられる期間を決めておかなければ、ずるずると数年売却できない状態が続いてしまうかもしれません。
戸建て売却にかかる期間については、「戸建売却の期間は3ヶ月から11ヶ月!短期間で売却するコツ8つ紹介」で解説しているので、参考にしてみてください。
STEP7|戸建て売却活動を行う
所有している戸建てを売却するための戦略が決まったら、戸建て売却活動のスタートです。
戸建ての売却活動は、主に以下の流れで進んでいきます。
▼売却活動の流れ
1. 集客する
2. 内覧の準備をする
3. 内覧の対応をする
それぞれの段階で、売主がすべきことについて把握しておくと、よりスムーズに売却活動を進めていけます。
集客をする
あなたが所有している戸建て住宅を売りに出したら、不動産会社が集客活動を行います。
不動産会社が主に行っている集客方法は、以下の6つです。
- 不動産ポータルサイト
- 不動産会社の自社サイト
- レインズ
- 新聞折込チラシ
- ポスティング
- 店舗
不動産会社は、売主の希望価格や条件を満たして売却を実現するために、さまざまな方法で集客努力をしてくれます。
内覧の準備をする
売却活動のなかでも、売主は内覧に注力しなければいけません。 なぜなら、内覧で物件購入希望者に好印象を与えることが、戸建て売却の成功に直結するからです。
【内覧とは】
内覧とは、その物件の購入を検討している人が、実際に現地を訪れて建物の内部や周辺を見学することです。 基本的には、内覧希望者と不動産会社、そして売主が立ち会って行うのが一般的です。
すでに物件に住んでいない場合でも、不動産会社に鍵を預けておけば、売主不在でも行うことができます。
内覧で実際の物件を見なければ、買い主は不動産購入を決断できません。 たとえ条件が魅力的な物件でも、内覧したことで購入意欲がなくなってしまう可能性もあるのです。
しっかりと内覧準備をすることが、物件を売却できるチャンスを増加につながります。
▼内覧の前にしておくべきこと
・水まわりを徹底的に掃除する(ハウスクリーニングの利用を検討する)
・室内だけでなく玄関周りや庭なども掃除しておく
・修繕が必要な箇所を直しておく
・引越しで処分する家具や荷物は捨てておく
・インテリアや小物を統一して室内の雰囲気をつくる
・物件のアピールポイントをまとめた資料を用意する
内覧希望者の購入決断を後押しするためにも、物件全体を清潔で生活感を感じないような状態維持が重要です。
【内覧前に引っ越しても大丈夫!】
売主のなかには、物件の売却が決まる前に引越ししなければいけない人もいます。 そのような場合は、しっかりと準備をして引っ越せば心配する必要はありません。
また、すでに引っ越している場合は、内覧時に内覧希望者に生活感を感じさせることはありません。 引越しまでに室内をしっかりと清掃しておき、内覧希望者と不動産会社が、いつでも内覧できる状態にしておくべきです。
内覧の対応をする
内覧当日は、可能な限り売主であるあなたが、内覧希望者と不動産会社を出迎えます。 不動産会社の営業担当ではなく、実際に住んでいるあなたの方が、物件の魅力を伝えられるのです。
内覧対応する際には、以下の点を意識して準備をしてみてください。
▼内覧当日に準備すべきこと
・来客用のスリッパを忘れずに用意する
・換気と消臭する
・室内の温度と湿度を調整する
・すべての部屋の照明をつける
・カーテンを開けて部屋を明るくする
・ペットがいる場合は預けられるようにしておく
・家族や子供には外出してもらう
・手渡せる資料があれば用意しておく
建物自体に好印象を感じてもらうのはもちろんですが、住んでみないとわからない利点を伝えてあげることも忘れてはいけません。 内覧については、「戸建売却の内覧どうする?準備対応を漏れなく解説|チェックシート付」で具体的に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
STEP8|買付申込み後に条件交渉をする
内覧にきた人が「物件を購入する」と決断したら、その物件に対して買付申込みが入ります。 買付申込み後は、実際に売買するためにお互いの提示する条件を交渉しなければいけません。
代表的な交渉内容は、値下げ交渉や引き渡し時期についてです。この条件交渉が決まらなければ、売却が成立しません。 条件交渉を効率よく進めるためにも、どのような条件を調整しなければいけないのか把握しましょう。
買付申込書を確認する
まずは、購入希望者から不動産会社を通して「買付申込書(購入申込書)」が届きます。 買付申込書には決められたフォーマットはありませんが、以下のような内容が記載されている場合がほとんどです。
▼買付申込書の内容の例
・購入希望価格
・手付金の金額
・住宅ローンの金額
・代金の支払い条件
・引き渡し希望日
・買付証明書の有効期限
購入希望者によって、記載されている条件はさまざまなので、しっかりと内容を確認しなければいけません。 買付申込書には、1週間から2週間ほどの有効期限が設けられている場合がほとんどです。 売主は、期限内に提示された条件に対して回答する必要があります。
条件をすり合わせる
もちろん、買付申込書に記載されている条件をすべて受け入れる必要はありません。
提示された条件に対して、どこまであなたが調整できるのかを不動産会社と相談したうえで、条件をすり合わせていきます。
▼売主が必ず調整しなければいけない条件
・売却価格
・手付金の金額
・引き渡し日
参考:不動産ジャパンより抜粋
上記の3点は、売主が必ず確認して調整しなければいけない条件です。 あなたが妥協できない条件や金額を明確にしたうえで、損をしないように交渉していく必要があります。
売却する物件の状態次第では、以下の点を調整する必要が出てくるかもしれません。
▼売主の調整が必要になる可能性がある条件
・契約不適合責任の期限
・土地の実測を誰が負担するか
・建物や設備の補修を行うか否か(費用負担について)
・古民家の場合は撤去するか否か(費用負担について)
・固定資産税などの清算方法や負担金額
参考:不動産ジャパンを元に作成
もちろん、あなただけではどこまで妥協するべきなのか判断できないかと思います。
条件交渉は、希望条件を明確にして、不動産会社のアドバイスや市場動向を調べたうえでの判断が必要です。
STEP9|売買契約を結ぶ
売主と買い主の双方が条件に合意できたら、売買契約を結びます。
売買契約を結ぶ際の流れは、以下のとおりです。
▼契約当日の流れ
1. 重要事項説明書への署名と捺印
2. 売買契約書への署名と捺印
3. 手付金の受け取り
4. 仲介手数料の支払い(半額)
それぞれの流れについて、解説していきます。
重要事項説明書への署名と捺印
まずは、仲介に入った不動産会社から買い主に対して口頭と書面で、重要事項の説明を行います。
重要事項説明書で説明すべき項目は、以下のとおりです。
▼重要事項説明書の主な内容
・登記記録の記載事項
・法令に基づく制限の概要
・敷地と道路の関係
・水道・電気・ガスの提供施設および排水施設の整備状況
・売買代金以外に発生する金銭
・契約の解除に関する事項
・損害賠償や違約金に関する事項
・手付金・預かり金の概要
参考:不動産ジャパン|重要事項説明とは?より抜粋
重要事項説明は、主に買い主に対して不動産会社が行うため、売主が直接説明をする必要はありません。しかし、事前に「5.STEP4|戸建て売却に必要な書類を集める」で解説した、必要な書類集めが必要です。 買い主が内容を理解して同意できたら、重要事項説明書へ買い主が署名と捺印をします。
売買契約書への署名と捺印
買い主が重要事項説明書に署名と捺印をしたら、次は売買契約書への署名と捺印が必要です。 売買契約書は、不動産会社が作成してくれます。
売買契約書にはさまざまな事項が記載されていますが、主に以下のポイントをしっかりと確認しましょう。
特に確認したい事項 | |
---|---|
契約全体 | ◻️自分の希望条件は記載されているか |
◻️自分にとって無理のある条件はないか | |
◻️不明確な条件はないか | |
◻️消費者契約に該当するか(該当する場合は消費者に不利な契約は無効) | |
売買物件の表示 | ◻️売却物件の表示に誤りはないか |
売買代金、手付金等の額、支払日 | ◻️売買代金、手付金等の額に誤りはないか |
◻️買主からの支払日はいつか | |
◻️どのような性質の手付金か(解約、証約、違約) | |
◻️手付金等が高すぎたり安すぎたりしないか | |
土地の実測および 土地代金の清算 | ◻️土地の実測は行うのか |
◻️面積の増減に応じて売買代金の清算を行うのか、行う場合の単価は正しいか | |
所有権の移転と引き渡し | ◻️所有権の移転、引き渡しの時期に問題はないか(確実に引き渡しができるか) |
負担の消除 | ◻️売却物件を完全な所有権で引渡しができるか(抵当権や賃借権などは確実に整理できるか) |
◻️賃借権など引き継ぐ権利がある場合は、その内容は明確か | |
危険負担 | ◻️契約締結後、引渡し前に物件が天災等により滅失、毀損(きそん)した場合の取り扱いは明確か |
手付解除 | ◻️手付解除は可能か、いつまで手付解除が可能か |
◻️手付金が高すぎたり安すぎたりしないか | |
契約違反による解除 | ◻️違約金や損害賠償の予定額は適当か |
契約不適合責任 | ◻️契約不適合責任の期間は適切か |
付帯設備等の引き継ぎ | ◻️引き継ぐべき付帯設備等は明確か |
公租公課等の清算 | ◻️何を清算するのか明確か |
◻️清算方法と金額を把握したか | |
ローン特約 | ◻️買主に住宅ローンの利用予定があり、特約が付されている場合は、買主の信用力に照らして借り入れ内容(金額など)に無理はないか (無理な借り入れ内容の場合は、解除のリスクが高まる) |
その他 | ◻️その他特に定めておく事項はないか |
売買契約書は、不動産会社・売主・買い主の三者で読み合わせを行わなければいけません。 適切な内容で契約締結しなければ、後日トラブルが発生した時に、買い主が契約解除を申し出てしまうかもしれません。
余計なトラブルを回避するためにも、しっかり売買契約書の内容を理解したうえで、署名と捺印をしたら契約成立です。
手付金の受け取り
一般的には、契約当日に買い主から売主に対して、手付金が支払われます。手付金の金額は法律で上限20%までとされており、売却価格の5%から20%になる場合がほとんどです。
売主は手付金を受け取る前に、以下の点を注意しておくことでトラブルを回避できます。
▼手付金を受け取る前に注意しておくべき点
・買い主が住宅ローン審査に落ちた場合を考えて、住宅ローン特約をつけておく
・契約を解除できる期日を決めておく
・契約解除された場合の違約金を決めておく(手付金=違約金とする)
手付金の支払いを持って、売買契約が成立したと証明されます。
【契約当日に受け取れるのは「手付金」のみ】
不動産売却を考える人のなかには、売買契約を結んだ当日に売却価格の全額が手に入ると勘違いしている方もいます。
実際のところは、契約段階で受け取れるのは買い主からの手付金のみです。 不動産売却であなたが得られるお金は、物件を買い主に引き渡す当日にならなければ振り込まれないので注意してください。
仲介手数料の支払い(半額)
売買契約当日の中でも、売主にとって重要なのが、仲介手数料の支払いです。 戸建て住宅の売却が完了した段階で、あなたはその対価として不動産会社に成功報酬としての、仲介手数料を支払わなければいけません。
仲介手数料は、法律によって以下のように上限が決められています。
売却価格200万円以下 | 売却価格(税抜)の5% |
---|---|
売却価格200万円超400万円以下 | 売却価格(税抜)の4%+2万円 |
売却価格400万円超 | 売却価格(税抜)の3%+6万円 |
※上記に消費税が加算されます。
参考:国土交通省|宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額
たとえば、売却価格が2,000万円(税抜)の場合は、以下の計算で仲介手数料を算出できます。
- 売却価格:2,000万円(税抜)
- 仲介手数料2,000万円 × 3% + 6万円=66万円(税抜)
- 消費税:66万円× 10%=6万6,000円
- 仲介手数料総額:72万6,000円(税込)
- 売買契約時に支払わなければいけない半額の仲介手数料:36万3,000円(税込)
この計算によると、売主は契約当日に不動産会社に対して「仲介手数料の半額である36万3,000円(税込)の支払い」ができるように準備しておかなければいけません。 売買契約当日になって、仲介手数料を用意するのを忘れないように、事前に支払いの準備もしておきます。
仲介手数料は上限が定められていますが、下限は定められていません。 そのため、必ずしもこの計算式が当てはまるわけではないのです。
不動産売買における仲介手数料については、「戸建売却の手数料は売却価格4〜6%!必要な費用一覧と安くする方法」でより深掘りして解説しているので、参考にしてください。
STEP10|引き渡しの準備をする
買い主と売買契約を結んだからといって、即日物件引き渡しになるわけではありません。 売買契約を結んでから行う手続きもあるため、売主は契約締結後にさまざまな準備をする必要があるのです。
売主がしなければいけない、手続き準備と準備しておくべき書類について、具体的に解説していきます。
事前に済ませておくこと
売主は物件の所有権移転の手続き準備と、引越し作業などを決められた期日までに済ませておかなければいけません。
▼引き渡しまでに売主が準備しておくべきこと
・所有権移転登記の準備(例:紛失した書類を法務局で再発行する)
・抵当権の抹消の準備(例:住宅ローンの抵当権抹消するためのスケジュール確認・相談)
・土地の実測や境界の確認
・売主の立ち会いのもと現地確認
・固定資産税や都市計画資産税、管理費などの清算
・引越し
売主は、契約締結後も不動産会社と相談しながら、必要な手続き準備をしておかなければいけません。 そのため、契約締結後から、実際に買い主に引き渡すまでには、1ヶ月から2ヶ月ほどの期間が必要になる場合がほとんどなのです。
準備しておく書類
決済・引き渡し当日は、複数の手続きを同時に行う場合がほとんどです。 当日の手続きで使用する書類は、不備なく用意できるようにしておきましょう。 戸建て売却において必要になる書類については、「5. STEP4|戸建て売却に必要な書類を集める」をご覧ください。
必要書類のなかでも、引き渡し時に必要なものは以下のとおりです。
▼引き渡し時に必要なもの
・所有権移転登記の関係書類
登記済権利証または登記識別情報、印鑑証明、住民票、固定資産評価額証明書、司法書士への委任状など
・抵当権抹消登記に必要な関係書類
必要書類はあなたが住宅ローンを借り入れている金融機関や保証会社、そして手続き方法によって違うため確認が必要
・実印
・登記費用
・実測図や境界確認書(必要な場合のみ)
・支払い残金や各種精算金などの領収書
・建築関係の書類で買い主に引き継ぐべきもの
・住宅の鍵
・仲介手数料の残額
引き渡し時に必要な書類のなかには、売却活動をはじめる前から用意できる書類もあります。 しかし、なかには売買契約締結後でなければ用意できない書類もあるのです。
そのため、決済・引き渡し当日までに、書類作成や書類取り寄せをしなければいけません。 引き渡し当日には、仲介手数料の残額をすべて支払わなければいけないので、支払いの準備も忘れないでください。
【所有者本人が引き渡しに立ち会えない場合】
不動産の所有者である夫が引き渡しに立ち会えず、妻のみが立ち会う場合は、別途以下のような書類が必要です。
・委任状(所有者本人の自署と押印)
・売主本人の印鑑証明書
・代理人の印鑑証明書と実印
・売主本人の本人確認書類と、代理人の本人確認書類
また、事前に売主本人が司法書士と面談しなければいけないと覚えておいてください。
STEP11|決済と引き渡しをする
決済と引き渡し当日には、売主・買い主・金融機関・司法書士・不動産会社などの間で、複数の手続きを同時進行していきます。 手続き内容は複雑になってくるので、不動産会社や司法書士立ち会いのもと、滞りなく手続きを進められるようにしておくべきです。
決済・引き渡し当日の流れを、具体的に解説していきます。
物件購入代金が全額支払われる(住宅ローンの融資実行)
まずは、買い主から売主に対して、戸建て住宅の購入代金全額が支払われます。
購入代金を現金で支払う場合は、銀行振込もしくは現金(預金小切手を含む)を手渡して支払いが行われる場合がほとんどです。
買い主が住宅ローンを利用する場合は、司法書士と金融機関担当者が書類を確認したうえで、決済の手続きを進めていきます。 住宅ローンの全額は、買い主の銀行口座に振り込まれるので、続いて買い主が売主の銀行口座にお金を送金する流れが一般的です。
売主の銀行口座に振り込まれていることを確認次第、代金受け取りを証明する領収書を手渡して、支払いは完了とされます。
所有権移転登記と抵当権抹消登記を同時におこなう
物件の購入代金支払いが完了したら、次は所有権移転登記と抵当権抹消登記を同時進行で進めていきます。
所有権移転登記とは | 不動産の所有者が変わる際に、新たな所有者情報を不動産登記に登録する手続きのこと。 抵当権抹消登記を行ったあとでなければ、所有権移転登記はできない |
---|---|
抵当権抹消登記とは | 住宅ローンが完済した際に、担保にしていた不動産の抵当権を、不動産登記簿から抹消する手続きのこと。 ・すでに住宅ローンを完済している場合は、完済のタイミングで、自分で抹消手続きができる。 ・売却金額で住宅ローン残債を一括返却する場合は、司法書士でなければ抹消手続きができない。 |
このように、決済・引き渡し当日には、複雑な登記手続きを同時進行しなければいけません。
固定資産税などを清算する
固定資産税や都市計画税など、売買契約締結の段階で決めておいた負担分の清算を行います。 一般的には、物件引き渡し前日までを売主負担、引き渡し日以降を買い主負担として、日割り計算で清算するのが一般的です。
きちんと日割り計算できるように、納税証明書や領収書などをしっかりと保管しておいてください。 買い主から清算金を受け取ったら、領収書の受け渡しを行って清算手続きは完了となります。
鍵や書類を引き渡す
すべての手続きと清算が完了したら、買い主に鍵や関係書類を引き渡します。
買い主に引き渡すべきものは、以下のとおりです。
▼買い主に引き渡すものや書類
・建築関係の書類
・付帯設備の保証書や取扱説明書
・そのほか、物件に住む際に必要になってくる書類等
・物件の鍵
関係書類や鍵の引き渡しが完了した段階で、買い主と行う手続きはすべて完了となります。
不動産会社に仲介手数料を支払う
買い主への引き渡しが完了したら、次は売主であるあなたが不動産会社に仲介手数料を支払わなければいけません。 すでに売買契約を結んだ際に、仲介手数料の半分は支払っているかと思います。 引き渡し完了後は、仲介手数料の残額すべてを支払う必要があるのです。
物件を売却したお金で仲介手数料を捻出する場合もありますが、別途お金を用意しておかなければいけないので注意してください。 あなたが不動産会社へ仲介手数料を支払うことで、不動産会社との媒介契約は完了となります。
STEP12|翌年に確定申告をする
戸建て住宅の売却が無事に終わったからといって、売主がすべき手続きがすべて完了したわけではありません。 売却額が高額な不動産を売却した場合は、しっかりと確定申告をしなければいけないのです。
確定申告は、不動産が売却された年の翌年2月16日から3月15日の間に行わなければいけません。 確定申告をスムーズに行うためにも、不動産売却した場合の確定申告の流れについて理解しておくべきです。
譲渡所得があるのかを計算する
まずは、あなたが確定申告しなければいけないのか調べるために「譲渡所得」が発生しているのか計算してみてください。
譲渡所得は「譲渡額 −(所得費+譲渡費用)− 特別控除」で算出できます。
※所得費:不動産所得に要した購入代金、仲介手数料、登記費用、不動産所得にかかる税金などの合計金額です。ただし、建物の場合には、減価償却費相当額を差し引きます。
※譲渡費用:不動産売却のための仲介手数料や登記費用、印紙税など売却に必要な費用です。ただし、抵当権抹消費用は含みません。
上記の計算式で、譲渡所得が0もしくはマイナスになるのであれば、あなたは確定申告をする必要はありません。 20万円以上の譲渡所得が発生している場合は、しっかりと確定申告しなければいけません。
控除が利用可能か計算する
あなたが今まで住んでいたマイホームを売却した場合、マイホーム(居住用財産)売却の特例控除を利用できる可能性があります。この特例控除を利用することで、譲渡所得から最高3,000万円まで控除されるので積極的に利用するのがおすすめです。
主に以下の要件をみたしている場合に、マイホーム売却の特例控除を受けられます。
- 自分が住んでいる住宅を売却、もしくは住宅と一緒に土地や借地権を売却した
- 空き家になった日から3年を経過する日が含まれる年の12月31日までに売却した
- 売却した年の前年または前々年に特例控除の適用を受けていない
- 売却した住宅や土地に、ほかの特例を適用していない
- 売主と買い主が親子や夫婦など、特別な関係でないこと
上記の要件をみたしている場合は、譲渡所得が発生した場合でも3,000万円の特別控除を適用することで、譲渡所得をなしにできるのです。
ただし、特別控除を適用させるためには必ず確定申告をしなければいけないので注意が必要です。
売却翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告をする
確定申告は、戸建て住宅を売却した日の、翌年2月16日から3月15日の間に行います。
ここでいう売却日とは、買い主からの決済を行い、物件を引き渡したタイミングです。
確定申告期間中は、税務署で相談窓口が設けられるので、自分で確定申告をするのが不安な方は相談してください。
売主にとっての「戸建て売却」は、売買契約や引き渡しはもちろんですが、戸建て売却で発生した譲渡所得を申告する確定申告までが一連の流れになっています。 万が一確定申告を忘れてしまうと、罰則を受ける可能性があるため、戸建て売却のすべての手続きを滞りなく済ませるためにも、忘れずに確定申告をすることが重要です。
戸建て売却に関わる税金については、「戸建売却の税金は?計算方法をわかりやすく解説|シミュレーション付」でより具体的に解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【特別控除を適用しても譲渡所得が発生したら納税義務がある】
特別控除適用後も譲渡所得が発生した場合は、必要分の納税を期間内に行います。
・納税期間:申告期間と同じく3月15日まで
・支配法補:現金一括納付が原則
・所得税率:不動産の所有期間が5年以下の場合は39.63%
不動産の所有期間が5年以上の場合は20.315%
まとめ
この記事では、戸建てを売却する際の流れについて解説してきました。
戸建て売却は、マンション売却や土地だけの売却よりも、やり取りに時間がかかってしまうのが現実です。手続きや必要書類も増えてくるため「いったいいつになったら売れるの?」と不安になってしまう人もいるかと思います。
そのような不安を取り除いて、あなたが損しない状態で売却を進めていくためにも、戸建て売却の全体像について把握することが大切です。
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