更新日:2024.06.24
マンションから戸建てへの住み替えってどうなの? メリット・デメリットやおすすめのタイミング
マンションから戸建てへの住み替えは、メリットがたくさんある反面、注意点もあります。 それぞれのメリットとデメリットを理解していないと、住み替えた後に後悔してしまう可能性もあるため、慎重に計画を立てることが重要です。 この記事では、マンションから戸建てに住み替えるメリット・デメリットや注意点、住み替えの流れやタイミングについて詳しく解説します。 ぜひ、住み替える際の参考にしてみてください。
- 土地が所有でき、生活の自由度が高くなる
- 維持費や管理の手間がかかる点には注意が必要
- ライフスタイルの変化が、住み替えのタイミングの一つになる
マンションから戸建てへ住み替える4つのメリット
マンションから戸建てへ住み替えるメリットは、下記の4つが挙げられます。
それぞれ、詳しくみていきましょう。
土地を所有できる
戸建ては、「自由に活用できる・土地を所有できる」という大きな魅力があります。
マンションを所有する場合でも、持ち分に応じた土地を所有できますが、自由に活用できるわけではありません。
戸建ての場合、所有した土地を駐車場として活用したり、家庭菜園など趣味のスペースとして使ったりすることもできるため、生活の楽しみを増やせるでしょう。
また、土地があれば、建物が古くなっても建て替えや更地にして売却するなど、将来の活用の幅が広がります。
建物は経年劣化で資産価値が減少しますが、土地の場合は、資産価値が大きく変わることはありません。 場所によっては地価が上昇し、今以上に価値が高くなる可能性もあります。
このように、子どもや孫にも引き継げる資産を所有できる点は、大きなメリットといえるでしょう。
管理費や修繕積立金が不要になる
マンションを所有すると、毎月のローン以外にも管理費・修繕積立金の負担があります。 築年数が古いマンションの場合、修繕積立金が高額なケースも珍しくありません。
一方、戸建てであれば、管理費・修繕積立金の負担はなくなり、月々のランニングコストが抑えられます。
居住費は毎月のローンだけになるので、月々の負担を大きく軽減できる可能性があるでしょう。
ペットの飼育や趣味や暮らしを充実できる
マンションの場合、分譲マンションであっても規約でペットが飼えないケースが多々ありますが、戸建であれば自由に飼うことができます。
仮に、ペット可のマンションであっても、「大型犬不可」といった種類の指定や、頭数の制限があることが一般的です。 その点、戸建てであれば自分の好きなペットを自由に飼えるため、動物好きには大きな魅力といえるでしょう。
また、ペットだけでなく、楽器の演奏やガーデニングなども自由に楽しめるので、生活の充実度を高めることができます。
自由にリフォームできる
マンションは基本的に規約の範囲内でしかリフォームできないのに対し、戸建てはリフォームや建て替えなどが自由にできます。 自分好みの空間にDIYすることやバリアフリーリフォーム・間取りの変更はもちろん、将来、子どもに家を引き継ぐために大掛かりなリフォームや建て替えも可能です。
その時々の家族のニーズに合わせて家を自由に変えられる点は、戸建ての魅力といえるでしょう。
マンションから戸建てへ住み替える4つのデメリット・注意点
ここでは、マンションから戸建てに住み替えるデメリット・注意点として、以下の4つを解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
修繕費は自分で積み立てる必要がある
マンションは、修繕積立金を毎月支払わなければいけませんが、戸建ての場合は、修繕に必要な事態に備えて、自分で費用を蓄えておく必要があります。
例えば、外壁や屋根の塗り替えは10~20年毎に必要になり、1回につき数十万円の費用がかかります。
定期的な修繕以外にも、台風などによる突発的な修繕が必要になるケースもあるため、まとまった額の修繕費を計画的に蓄えておかなければなりません。
また、修繕費だけでなく、修繕会社の手配などを自分で行わなければいけない点にも、注意が必要です。
マンションであれば、管理組合や管理会社が修繕会社の手配などを行います。 しかし戸建ての場合は、自分で手配しなければならないため、修繕にかかる費用だけでなく、手間も考慮しておくことが大切です。
セキュリティ対策する必要がある
戸建ては、セキュリティ対策も自分で施す必要があります。
マンションであれば、オートロックや防犯カメラ・警備会社との連携などセキュリティ対策が整っていますが、戸建てはそれらの対策を自分で導入しなければなりません。
警視庁が公表する「東京の犯罪(令和5年版)」のデータによると、侵入窃盗の発生状況は、一戸建て住宅が19.7%に対して、4階建て以上の中高層住宅は10.5%となっており、戸建ての方が防犯面で劣っていることが分かります。
戸建てでも、防犯グッズの導入や警備会社との契約など対策を強化することはできますが、その分コストも高くなります。とはいえ、安心して生活するうえではセキュリティ対策が重要なので、コストとのバランスを考えて整えていくことが重要です。
二重ローンになる可能性がある
戸建てのみのデメリットというわけではありませんが、住み替えの注意点として、二重ローンになる可能性が挙げられます。
マンションから戸建てに住み替える場合、今住んでいるマンションの売却と新居の戸建ての購入が必要です。 今住んでいるマンションにローンが残っており、さらに、新居をローンで購入する場合、マンション売却のタイミングによってはマンションと戸建て両方のローンの支払いが発生します。
二重ローンの期間が長引けば、経済的負担も大きくなるため、住み替えの計画は慎重に立てるようにしましょう。
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立地が悪くなる可能性がある
一般的に、マンションは戸建てよりも利便性が高い立地に建設される傾向があります。 駅近や商業施設の近くなど、生活するうえで利便性が高い場所にある点は、マンションの大きな魅力です。
一方、戸建ては比較的、郊外の住宅街のように静かな環境に建設されるケースが多いです。 立地にこだわれば利便性を高くできますが、その分土地価格が高額になります。
静かな環境で生活できる反面、場所によっては駅からかなり距離がある、スーパーマーケットや病院などの生活に必要な施設が遠い等、利便性という点では戸建てはマンションよりも劣るケースが多いことを覚えておきましょう。
マンションから戸建てへ住み替える流れ
マンションから戸建てに住み替える場合、下記3つの方法があります。
それぞれ詳しく解説します。
マンションの住み替えについて、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
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売り先行の流れ
「売り先行」とは、今住んでいる住居を売却した後、新居を購入する方法です。
売り先行の大まかな流れは、以下の通りです。
マンションの売却額が分かった状態で新居を購入できるので、資金計画が立てやすい点が、売り先行のメリットです。
しかし、気に入った新居がなかなか見つからない場合、旧居を引き渡した後に、仮住まいが必要となることには注意が必要です。 仮住まいに移る場合、賃料のほかに、“旧居から仮住まい”、“仮住まいから新居へ”と、引っ越しの回数が増えてしまい、余計な費用がかさむ点が、売り先行のデメリットといえます。
とはいえ、焦って新居選びをしてしまうと、購入後に後悔するというケースもあるので、新居選びは慎重に行うことが大切です。
買い先行の流れ
「買い先行」とは、新居を購入してから、今住んでいる住居を売却する方法です。
買い先行の大まかな流れは、以下のようになります。
新居の購入後に売却活動を行うので、新居選びに時間をかけることができる点が、買い先行のメリットです。妥協して新居を購入する必要も仮住まいも必要ないので、余分なコストをかけずに新居を選ぶことができます。
また、新居へ引っ越し後、売却活動に進めるので、旧居を空き家の状態で内覧してもらえるのもメリットとなるでしょう。
一方、新居をすでに購入しているため、売却の時期によっては“二重ローン”になる恐れがある点が、買い先行のデメリットになります。 売却金の正確な額が分からない状態で新居を購入するので、資金計画が大きく崩れるリスクがある点にも注意が必要です。
基本的に買い先行は、資金に余裕のある人が向いているといえます。
売りと買いの同時進行
住み替えには、売却と購入を同時に行う、「同時進行」という方法もあります。
同時進行なら、仮住まいの確保や二重にローンを支払う必要がないなど、買い先行・売り先行のデメリットを解消できるので理想的と言えるでしょう。
しかし、現実的に売却と購入のスケジュールを合わせるのは難しいものです。
同時進行を狙っている場合でも、売り先行・買い先行のどちらかになることを念頭に入れて、住み替え計画を立てることをおすすめします。
マンションから戸建てへ住み替えるのにおすすめのタイミング
住み替えに適したタイミングは、家族の事情や資金状態などによって人それぞれ異なります。
ここでは、マンションから戸建てに住み替えを検討するタイミングの目安として、以下の3つを解説します。
それぞれ詳しくみていきましょう。
家族が増えたとき
結婚や出産など、家族構成が変化するタイミングは、戸建てへの住み替えを検討する一つの目安となります。 とくに、子どもの出産や進学は住み替えのタイミングとして代表的です。
一般的に、マンションよりも戸建ての方が広さや部屋数の面では優れています。 子どもが増えた際に子ども部屋を確保しやすいことから、子どもの出産や増えたタイミングで住み替えを検討しやすくなるのです。 進学に合わせる場合は、学区を優先する住み替えも少なくありません。
このような、家族構成の変化や生活スタイルの変化は、住み替えを検討する大きなタイミングとなります。
収入が増えたとき
仕事を基準に住み替えを検討する場合は、年収がアップしたときもタイミングの一つと言えます。
戸建ての購入価格は、一般的に年収の5~7倍が理想と言われています。 また、住宅ローンの借入限度額も年収に左右されるものです。
年収がアップしたタイミングであれば、物件選びの際の選択肢も増え、理想の戸建てを購入できる可能性も高くなるので、検討してみるとよいでしょう。
金利が低いとき
戸建てに限らずですが、マイホームを購入する時は、住宅ローンを組む方がほとんどです。
住宅ローンは数十年に渡って返済していくため、金利が低い時に戸建てを購入することで、非常に大きな経済的利益を得ることができます。
特にコロナ禍以降では、欧米をはじめ世界各国で利上げが行われており、日本においても少しずつ金利が上昇しています。 今後もこの傾向は続く可能性が高いので、マイホームの購入を考えている方は、できるだけ早いタイミングで住み替えを検討したほうがよいといえるでしょう。
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将来の相続について考えはじめたとき
戸建ては、土地という資産を子どもや孫に引き継がせることが可能です。
将来の相続について考えはじめた際は、戸建てへの住み替え(土地の所有)を検討してみるとよいでしょう。
戸建ては、建物だけでなく土地の所有権を持つことになります。 建物は築年数の経過に応じて資産価値が減ってしまいますが、土地は年数の経過だけでは価値が下がることはありません。
もちろん、マンションにも資産価値はあります。 築年数が浅かったり利便性が高かったりなど、好条件のマンションであれば資産価値も高いので、相続人もその後の活用がしやすくなるでしょう。
「土地も所有できる戸建て」と「利便性の高いマンション」、どちらが相続財産として自分や相続人に会っているかを考慮して検討することが大切です。
マンションから戸建てへの住み替えでよくある質問
最後に、マンションから戸建てへの住み替えでよくある質問をみていきましょう。
【質問】ローンの残債があっても住み替えできる?
【回答】ケースによっては、ローン残債があっても住み替え可能です。
ローン返済中のマンションを売却するには、ローンの完済が必須条件になります。
ローン返済中のマンションは抵当権が設定されているため、ローンを完済して抵当権を抹消しなければ、売却が難しくなります。
一般的には、売却金で完済するケースが多いでしょう。
売却金だけでは完済できない場合も、自己資産や親からの援助・住み替えローンなどを活用して完済できるなら、問題なく売却できます。
ただし、売却金と他の手段を用いても完済できない場合は、売却できないので住み替えもできません。
また、住み替えローンは審査が厳しく金利が高めな点には注意しましょう。
ローン返済中で住み替えを検討する場合、まずは、ローン残債の正確な額と住み替えに充てられる資金・売却査定額を把握し、完済できるかどうかを判断することが必要です。
【質問】マンションと戸建ての固定費はどちらが安い?
【回答】毎月の固定費は、一般的には修繕積立金・管理費がない分、戸建ての方が安い傾向にあります。
ただし戸建ては、修繕積立金に代わる修繕費の貯蓄を自分で行う必要があるため、定期的・突発的な修繕が必要になると、まとまった費用がかかる点には注意が必要です。
【質問】住み替えにかかる費用はどのくらい?
【回答】売却時の諸費用は、売却額の5~10%、購入時は物件の購入価格の5~10%が目安となります。
マンションを3,000万円で売却し4,000万円の戸建てを購入すると仮定した場合、住み替えにかかる費用の目安は、ローン完済の費用と物件購入の費用を除いた諸費用が700万円程です。
※10%で計算した場合
※ケースによって費用は大きく異なります
- 売却にかかる費用:
3,000万円(売却価格)×10%
=300万円 - 購入にかかる費用:
4,000万円(購入価格)×10%
=400万円 - 住み替えにかかえる費用の合計:
300万円+400万円
=700万円
一般的に、住み替えでは以下のような費用が発生します。
- 【売却】
- 印紙税(売買契約書にかかる税金)
- 抵当権抹消の費用
(登録免許税と司法書士費用) - 譲渡所得税(利益が出た場合)
- 不動産会社への仲介手数料
- ローン完済の手数料
- ハウスクリーニングや引っ越し
などの費用
- 【購入】
- 印紙税(売買契約書にかかる税金)
- 抵当権設定・所有権移転登記の費用
(登録免許税と司法書士費用) - 不動産取得税
- 不動産会社への仲介手数料
(中古マンション購入時のみ) - ローンを組むための費用
諸費用の項目によっては、ローンに組み入れられず現金で用意しなければならないものもあります。
ローン完済や物件の価格だけで計画を立ててしまうと資金計画が大きく崩れる恐れがあるので、トータルの費用で住み替えを検討することが大切です。
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まとめ
ここまで、マンションから戸建てに住み替えるメリット・デメリットや、住み替えの流れ・タイミングについて解説しました。
マンションから戸建てに住み替えるメリットは、資産として土地を所有できることや、修繕積立金などの月々のランニングコストが減るといった点が挙げられます。 一方で、自分で修繕の費用を貯める・セキュリティ対策を施すなど、維持管理を行う手間や費用がかかってくる点には注意が必要です。
住み替えの流れについては、「売り先行」「買い先行」「同時進行」の3つの方法があるため、住み替えの目的や資金計画に合わせて、適切な方法を選んでスケジュールを立てるようにしましょう。
マンションから戸建てへの住み替えは、人生の中でも大きなイベントです。
これから住み替えを検討されている方は、下記よりお気軽にご相談ください。
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宅建士・2級FP技能士(AFP)・相続管理士
逆瀬川 勇造
大学卒業後、地元の地方銀行に入行し、窓口業務・渉外業務の経験を経て、2011年9月より不動産会社に入社。不動産会社では住宅新築や土地仕入れ、造成、不動産売買に携わる。2018年より独立し、2020年合同会社7pocketsを設立。
金融や不動産分野におけるコンテンツにおいて、現場での経験を活かし、読者の方が悩みやすいポイントを分かりやすく解説することを心がけている。
⇒逆瀬川 勇造さんの記事一覧はこちら
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